日本皮膚科学会雑誌
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83 巻, 9 号
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  • 遠山 国彦
    1973 年 83 巻 9 号 p. 393-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    DNCB感作モルモットにDNBSO3Naを全身的に投与すると,全身の皮膚に発赤が出現する.本現象をPolakらに従いGeneralized Rashと呼び,その経過を肉眼的並びに組織学的に観察すると共に,体温の変動,接触過敏性に生ずる変化等について検討した.本現象の発生機序として,感作リンパ球の関与が示唆されたが,感作モルモットのリンパ節及び脾細胞移入による,本現象の受身伝達には成功しなかった.他方,血清抗体の関与も証明できたなかった.しかし,著者は本現象の発現に依然,感作リンパ球の関与を想定し,その発生機序を次の如く推測した.即ち,Coombs & Gellが第Ⅳ型に分類した従来の遅延型アレルギー反応は,抗原と感作リンパ球の反応の場が局所に限られた場合であるが,本現象は,同反応が循環系ないしは全身という場で起きた結果と考えた.このような仮定から,ある種の薬疹の発症機序を説明できると考えられる.
  • 松岡 孝
    1973 年 83 巻 9 号 p. 401-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    丸山ワクチンをモルモット足蹠に反復皮内注射し,遠隔臓器を病理組織学的に検索した.その結果,腸骨リンパ節,肝臓,及び肺蔵に主として組織球性細胞より成る浸潤を認めた.もっとも前者と後2者にかかる所見の現われる注射回数は異なるのみならず,余りに長期の反復注射の際はかえってこの反応が見られない.このことからかかる反応惹起には微妙な条件を必要とするものと推測され,丸山ワクチンが微量の核酸と痕跡の蛋白質を含んでいることに意味がある可能性も考えられる.
  • 今井 清治
    1973 年 83 巻 9 号 p. 407-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    東大本院皮膚科でみられた症例を主とした過去21年間の基底細胞上皮腫124例,有棘細胞癌127例,過去17年間の悪性黒色腫38例を基に,主として予後の面より統計的観察を行なった(予後を追求できた症例は基底細胞上皮腫101例,有棘細胞癌93例,悪性黒色腫34例).各疾患につき,性,年令,発生部位,発生母地,発病から初診迄の期間について述べ,これらと予後との関係について触れた.予後に関していえば,基底細胞上皮腫では原病死例がなかったため,生命に関する予後は極めて良いと考えられるが,有棘細胞癌と悪性黒色腫では,TNMで表わされる進行度によって分類すると,(1)治癒せしめうるグループ,(2)警戒すべき予後のグループ,(3)絶望的予後のグループの3者を明快に区分することができた.又,既治療例の予後は新鮮例のそれよりも悪く,最初の治療の成否も予後を大きく左右するのではないかと考える.
  • 1973 年 83 巻 9 号 p. 431-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
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