55歳男性.約3年前より上肢に小水疱を生じ,次第に増加して,体幹・四肢に小水疱や紅斑を多発した.皮疹は蛍光抗体直接法で表皮真皮境界部に線状のIgA沈着を認め,間接法でも血中IgA抗基底膜部抗体を検出した.また血液検査では貧血,多クローン性高γグロブリン血症,血沈亢進,CRP高値を,画像診断では肝脾腫と複数の胸腹部リンパ節腫大を認め,リンパ節生検の結果Castleman病であった.プレドニゾロンにDDSを併用して皮疹の軽減をみている.従来よりlinear IgA bullous dermatosisには,多くの自己免疫疾患や新生物疾患との合併が報告されているが,これまでにCastleman病との合併の報告はみられない.我々は特にリンパ系の新生物疾患との合併という点に注目し,過去の文献的考察を併せて,本疾患がparaneoplasticな疾患である可能性を検討したが、結論は得られなかった.