日本皮膚科学会雑誌
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106 巻, 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山﨑 直也
    1996 年 106 巻 8 号 p. 1055-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
  • 菊池 新, 西川 武ニ, 岡本 真一郎, 池田 康夫
    1996 年 106 巻 8 号 p. 1065-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    慶應義塾大学病院において1992年~1995年に経験した骨髄移植後急性皮膚GVHD30症例につき,免疫組織学的検討を行った.臨床的・病理組織学的に診断した急性皮膚GVHD病変皮膚のCD1a,HLA-DR,ICAM-1,VCAM-1,ELAM-1の発現,および浸潤細胞の表面マーカーの発現につき検討を行った.その結果,表皮内ランゲルハンス細胞数は病理組織学的重症度が進むにつれ著減し,一方表皮内ICAM-1の発現は組織学的重症度が進むにつれ亢進していた.真皮の細胞浸潤の主体はT細胞からなり,CD4陽性のT細胞が真皮全層性に認められたのに対し、CD8陽性のT細胞の浸潤は真皮浅層~表皮内に限局していた.また真皮の血管内皮細胞は約半数の症例でVCAM-1,ELAM-1を発現していた.以上の所見より免疫組織学的所見は急性皮膚GVHDの診断においても有用と考えられた.
  • 赤城 久美子, 増田 剛太, 根岸 昌功, 味澤 篤, 小池 盛雄
    1996 年 106 巻 8 号 p. 1071-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    1986年から1995年6月までに都立駒込病院を受診したHIV感染者は456人,うちAIDS患者は129人であった.そのなかで経験したKaposi肉腫20例について臨床的,組織学的に検討した.Kaposi肉腫の発生率は15.5%(日本人16.5%)であり全例男性で同性愛者が80%を占めた.診断時CD4陽性細胞数は平均41.5/μlで免疫能の低下が目立ち,診断後の平均生存期間は44.9週と非常に短かった.腫瘍の発生は皮膚に95%,口腔に40%認められた.皮膚のKaposi肉腫は特に好発部位がなく,全身どの部位にもほぼ同率に発生していた.治療は放射線療法を6例に施行したが,有効(Partial Response)および著効(Complete Response)が4例で重篤な副作用がなく,限局した病変には第一適応となる。化学療法は3例に行い一時的な寛解をもたらしたが生命的予後は改善していない.早期の凍結療法は整容的見地から積極的に試みてよい.病理組織学的には,紡錘形細胞が管腔を形成して不規則に増殖する病変がみられ,一部の細胞の内外にPAS陽性の硝子体(hyaline globule)が認められた.免疫組織学的検索は第Ⅷ因子関連抗原、UEA-Iレクチン,CD34抗原について行った。第Ⅷ因子関連抗原は管腔形成部と一部の紡錘形細胞で陽性所見を示した.またUEA-Iレクチンは管腔形成都に陽性,一部の紡錘形細胞に弱陽性の反応を示した.一方CD34抗原は血管内皮細胞,紡錘形細胞ともに強い発現が認められた.AIDSは現在増加の一途をたどっており,二次性悪性腫瘍として重要なKaposi肉腫の治療と組織診断学について,今後のさらなる検討が望まれる.
  • 橋本 喜夫, 田村 俊哉, 高橋 英俊, 飯塚 一
    1996 年 106 巻 8 号 p. 1083-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    柴胡,連翹など皮膚科領域に頻用される28種の生薬と22種の方剤が豚表皮DNA合成とβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性に与える影響を豚皮膚器官培養系を用いて検討した.黄連、黄柏、連翹,麻黄,地黄,川獅,茯苓,蒼朮,厚朴,升麻,大黄は3H-thymidine取込みを著明に抑制し,柴胡,黄ゥaC荊芥、連翹,桂枝,茯苓,牡丹皮,桃仁はβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性を有意に増強した.また方剤単位では黄連解毒湯、温清飲,桂枝茯苓丸,荊芥連翹湯,防風通聖散,通導散,消風散,治頭瘡一方,三黄瀉心湯,三物黄ゥs窒ェ有意にDNA合成を抑制し,DNA-flow cytometryではGl arrestが示された.黄連解毒湯、湯清飲、通導散、荊芥連翹湯,葛根湯,防風通聖散はβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性を有意に抑制した.このうち,黄連解毒湯,通導散については、豚表皮細胞G蛋白のADPリボシル化に対する作用を検討したが,影響は認めなかった.
  • 加藤 晴久, 藤原 秀敏, 岡 博昭
    1996 年 106 巻 8 号 p. 1091-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    1993年1月から1995年12月までの3年間に星ヶ丘厚生年金病院皮膚科で外科的治療を行った仙骨部褥瘡の患者12例(男性5名,女性7名)につき,外科的治療の適応,手術術式,合併症,予後について考察を行った.患者年齢は23歳から,83歳までで,平均57歳であった.手術術式は、局所皮弁4例,筋膜皮弁6例,筋皮弁2例であった.基礎疾患は,背髄炎などの脳・神経系の疾患が9例と最も多かった.術後観察期間は平均1年9ヵ月であった.局所皮弁を行った1例に再発を認めた.仙骨部褥瘡の手術術式として,筋膜皮弁,筋皮弁が比較的よく行われているが,局所皮弁も筋皮穿通枝を皮弁に含めるなどの手術方法の工夫をすれば,優れた術式であると考えられた.
  • 荻山 幸子, 藤井 初美, 森 聖, 大橋 勝, 近藤 隆男, 千原 太
    1996 年 106 巻 8 号 p. 1097-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    54歳,女性.生検役1ヵ月の間に部分消退を認めた右下眼瞼のメルケル細胞癌について報告した.部分消退の前後について組織学的に比較し,消退後の組織について免疫組織化学的および電顕的に検討を加えた.初診時の組織では腫瘍細胞は真皮全層にわたって充実性にシート状構造をなしていた.部分消退後の組織では腫瘍細胞は小さな胞巣となり,周囲にはリンパ球の浸潤が強くみられた。電顕でこれらの腫瘍細胞の一部にはミトコンドリアが膨化,崩壊し、細胞膜の破壊による細胞内小器官の流出がみられたが,核の形態は保たれていた。また腫瘍細胞をTdT-mediated dUTP-biotin nick end labeling法により検討したが,アポトーシスの所見は認められなかった.以上の結果から自験例の部分消退にはアポーシスよりネクローシスが大きく関与していると考えられた.
  • 1996 年 106 巻 8 号 p. 1103-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
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