日本皮膚科学会雑誌
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87 巻, 9 号
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  • 1977 年 87 巻 9 号 p. 527-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
  • 鈴木 伸典, 浅井 芳江, 浜田 稔夫, 溝口 靖紘, 山田 尚, 森沢 成司
    1977 年 87 巻 9 号 p. 531-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    リンパ球幼若化現象を指標として薬疹を検討する場合,薬剤そのものは免疫学的に hapten であるので,適当な carrier の併用が必要となる.このため,通常,リンパ球の培養は自己血清存在下で行ない, in vitro における薬剤の刺激によってリンパ球の幼若化を観察することが多い.しかし,薬剤アレルギーは薬疹のみでなく,多くの臓器に発現するので,各臓器に特有な carrier の存在が推測される. 我々は固定薬疹,麻疹型および多形紅斑型薬疹について,モルモット皮膚分画を原因薬剤とともに添加し,リンパ球分離培養法および微量全血培養法を用いてリンパ球の幼若化反応を検討した.すなわち,モルモットの皮膚 homogenate を分画遠心してミトコンドリア, ミクロゾーム,および可溶性分画に分け,それぞれを原因薬剤とともにリンパ球浮遊液に添加し幼若化反応をしらべた.その結果,特に皮膚可溶性分画を添加した場合,著明なリンパ球幼若化現象が観察された,さらに,可溶性分画を Sephadex-G 100 でゲル濾過を行ない,三つの分画 (Fr.D12, Fr.D2, Fr.D3) に分け,それぞれの分画を薬剤とともに添加してリンパ球幼若化反応を検討したところ,特に固定薬疹においては, Fr.D1 添加によって著明な幼若化が観察された.したがって,薬疹においては皮膚可溶性分画に特有な carrier として作用する物質が存在すると推論した.
  • 山崎 律子
    1977 年 87 巻 9 号 p. 537-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    Pilomatrixomaは,いわゆる Calcifying epitheliomaof Malherbe とも呼ばれ,広く知られている上皮性良性腫瘍である.本腫瘍の発生母地を解明する目的で,病理組織学的に興味ある構築を示す2症例,すなわち,腫瘍塊の一部が毛嚢と連続し,好塩基性細胞が輪状構造を呈する1例,および,好塩基性細胞の輪状配列が多数認められる1例について電顕的観察を行ない,以下のような結果を得た.1,本腫瘍細胞の prototype とみなされる好塩基性細胞には,3型あることが観察された. 第1型 最も未熟な好塩基性細胞.これらは電顕的に認められる基底膜に胞体の一端をつけ柵状配列をなし,正常毛球部下端の種子層の細胞に類似の形態を呈していた. 第2型 trichohyaline, tonofilament が認められない未熟な好塩基性細胞.これらは正常の毛球の細胞分裂部あるいは未分化部の細胞に類似していた.しかし異常所見として, vacuole が散見された.第3型 大部分の好塩基性細胞.これらは胞体内に,凝集した tonofilament が種々の程度に出現し,毛皮質の角化過程に類似の形態を示した. 2.移行型細胞内に光顕的に認められた角球は,毛皮質や内毛根鞘の各層にわたる毛嚢様構造を不完全ながら示していた. 本症の発生起原について,従来,諸家はhair matrixcdに分化能力を有する primary epithelialgerm cell としているが,著者は上記の観察から,不完全ながら毛嚢への形態分化能力を保持し,かつ幾分かの異常性を有する hair matrix cell 類似の細胞が,本症の発生母地と考えられる所見を得た.
  • 石川 英一, 田村 多絵子, 堀内 龍也, 服部 瑛, 石井 容子, 渡辺 裕子
    1977 年 87 巻 9 号 p. 555-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    汎発性鞏皮症は膠原病の中でも難治性の疾患で,各種の治療が試みられているが,いまだ確実な治療法がない.著者らは昭和47年10月以降,本症患者に,合成黄体ホルモン,蛋白分解酵素,SH 化合物 (2-mercaptopropionylglycine) の3種の薬剤の投与を試み,まず最初に結合織に与える影響を検討した.続いて今回の集計時点 (昭和51年1月31日)まで,それらの何れかを最初に3ヵ月以上単独投与した症例54例について治療効果を検討した,その結果,殆んどの例において皮膚病変の進行か停止し,とくに顔面,背部では治療前浮腫ないし浮腫硬化性変化を呈したものの約 1/3 が治療後臨床的無疹となった.しかしながら,前腕皮膚の同様変化については,臨床的無疹まで改善したものは3例に過ぎず,またすべての部位において定型的な硬化病変が完全に軽快したものはなおない.指趾の屈曲性拘縮も発生後は殆んど改善を見なかった.また関節痛,しびれ感もある程度反応したが,レイノール現象は治療に抗した.検査所見では,赤沈充進,白血球減少の改善を認めた例が多い.内臓所見では,レ線像で肺線維症の明らかな改善例はなかった.しかし,肺機能検査,食道病変は軽症例の一部に改善がみられた.一般に皮膚,内臓を含め病変の広範囲に及ぶ症例は治療に抗し,改善は殆んど認められなかったが,皮膚硬化が手指に限局したもの,ないし肢端に限局した例(いわゆる肢端硬化症)は比較的治療によく反応した.薬剤別では特に蛋白分解酵素剤が有効のように思われる.なお,以上今回の治療効果が自然治癒でないことは,治験症例が以前当科で受けた治療では殆んど無効であったことからも裏付けされる.
  • 中嶋 弘, 内山 光明, 亀田 洋, 内藤 全之輔, 永井 隆吉
    1977 年 87 巻 9 号 p. 565-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    62歳,男にみられた多発性皮膚結節を伴う成人 T 細胞性白血病について報告する.患者は本邦では例外的である山形県出身であった.この患者の末血,リンパ節,皮膚結節の浸潤細胞を免疫学的に検討した結果,いずれも T cell の形質を有する細胞が主で,形態学的に convolutednuclei を有する細胞が主であった.そして皮膚結節部にみられた Pautrie r微小膿瘍内の細胞も convolutednuclei を有する細胞が主で, mycosis fungoides のそれと鑑別不能であった.
  • 1977 年 87 巻 9 号 p. 569-
    発行日: 1977年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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