隆起性皮膚線維肉腫2例を組織培養し,光頭および走査電顕で,その形態をしらべ,4種類の異なった細胞 (type I~IV) をみとめた. Type I, II は explants 直下にみられ,遊走能力はなく,未分化開葉細胞であるのか,変性細胞か断定できなかった. Type III は培養初期より explants 周辺に活発な遊走を示し, ANAE 染色陽性を示す組織球と思われた.その後,この細胞は ANAE 染色陰性の線維芽細胞様細胞 (typeIV) に変化した.また,培養4週間目に3H,チミジソオートラジオグラフィーを使って,これら腫瘍の増殖動態をしらべた.その結果は DNA 合成細胞は type IV の細胞のみであり,正常真皮に由来する培養線維芽細胞の増殖と変わらなかった.