1936年Leszcynski u. Falikはラクムス液を用いラクムス発斑時間Lackmus Quaddeln Zeit(LQZと略す)を人体に於て測定し,糖尿病とか,塩化アンモン内服による血液アルカリ予備の減少に対しLQZの延長を認め,アルカリ化能(Alkalisationsvermogen)の減少を示すものとした.教室の中条は家兎にHydroquinone,Brenzcatechin,Resorzin,Ascoltinを連続注射の上,LQZを測定し,Hydroquinoneのメラニン褪色機序は単なる還元作用でなく,アルカリ化能の持続的障碍にありと推定した.余は家兎を用いてメラニン形成阻止作用を有するMonobenzylether of Hydroquinone(M.B.E.H),Anilin,p-Phenylendiamine,BAL,Thiourea,Methylthiouracil,促進作用を有するp-Quinone,脱Cystein作用を有するBenzylchlorid,太陽燈照射乃至メラニン形成阻止促進の二様の作用を有するGuanofuracin,更に基礎実験として重曹,塩化アンモン,ピロカルピン,塩化カルシウム,ノルアドレナリン等の投与,また皮膚感受性と関衈するサルバルサン感作,食塩水投与によるLQZの変動を測定した.
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