日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
118 巻 , 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
皮膚科セミナリウム 第36回 神経皮膚症候群
  • 吉田 雄一, 中山 樹一郎
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第36回 神経皮膚症候群
    2008 年 118 巻 5 号 p. 897-903
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    神経線維腫症1型(NF1)は皮膚をはじめ,神経系,眼,骨など各種臓器に多彩な病変を生ずる遺伝性の疾患である.1990年にその原因遺伝子が明らかにされたが,根治療法はいまなお極めて難しいのが現状である.しかしながら,各症状に応じた対症療法は少しずつ工夫されつつある.本稿においては,NF1の臨床症状に応じた治療法について具体的に解説する.
  • 大野 耕策
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第36回 神経皮膚症候群
    2008 年 118 巻 5 号 p. 905-909
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex,TSC)はTSC1(Hamartinをコード)とTSC2(Tuberinをコード)の2つの原因遺伝子の欠陥によって発症する常染色体優性遺伝性疾患である.顔面の血管線維腫,知的障害,てんかんを主要症状とするが,症状の個人差が大きく,知的障害やてんかんがなく,皮膚症状だけの場合も多い.新生児期には心臓の腫瘍で診断されることもある.小児期はてんかん,知的障害,脳腫瘍などの神経症状による問題が多い.思春期~成人期では,顔面の血管線維腫,爪周囲の線維腫などの皮膚症状が問題となる.また腎臓の血管平滑筋脂肪腫の頻度が高く,無症状に進行し出血や腎不全で気づかれることが多い.肺のリンパ血管平滑筋腫症は女性に多く,生命予後が不良である.TSC1遺伝子変異による場合とTSC2遺伝子変異による場合で,明らかな症状の違いはなく,この2つの遺伝子産物は複合体として働き,細胞の増殖,細胞分化に重要な役割をしている可能性が示唆されている.
  • 大塚 藤男
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第36回 神経皮膚症候群
    2008 年 118 巻 5 号 p. 911-917
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
原著
  • 伊藤 康裕, 飯沼 晋, 岩崎 剛志, 橋本 任, 山本 明美, 和田 隆, 飯塚 一
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 5 号 p. 919-923
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    旭川医大皮膚科における鼠径,腋窩,頸部領域の予防的,根治的リンパ節郭清およびsentinel node biopsyを施行した98例を検討した.(1)臨床的にリンパ節転移を認めない症例を対象に,予防的郭清を施行した26例およびSN biopsyを施行した58例,合計84例について,転移陽性15例と陰性69例を比較した.5年生存率は陰性例95.5%,陽性例71.3%と有意差を認め,リンパ節転移の有無が予後因子になることが再確認された.(2)また予防的郭清およびSN biopsy転移陽性例15例と根治的郭清14例を検討し,5年生存率は前者が73.3%,後者が23.4%で有意差を認めた.現在までSN biopsyの施行が予後を改善するという報告はないが,SN biopsyで微小転移を早期に発見し,リンパ節郭清を行うことは生命予後を改善する上で重要と考えた.
  • 端本 宇志, 田中 智子, 高山 かおる, 佐藤 貴浩, 横関 博雄
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 5 号 p. 925-931
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    46歳,女性.誘因無く末梢血好酸球数が7,686/μlと上昇し四肢に指圧痕を残さない浮腫が出現,体重は6 kg増加した.生検組織像では真皮の浮腫と血管周囲,膠原線維間に好酸球とリンパ球の浸潤を認め,心機能,腎機能を含めて内臓臓器に異常なくnon-episodic angioedema with eosinophilia(NEAE)と診断した.無治療で経過を観察したところ12週で軽快した.NEAEの治療にはステロイドが有効とされ,また抗アレルギー薬,抗ヒスタミン薬も効果があるといわれる.そこで,本邦で報告されたNEAE 60例について記載をもとにその傾向と治療効果を分析した.症例は全例が女性で浮腫は四肢に限局し,90%が夏季から秋季に発症していた.無治療例と比較しステロイド投与例では治療に要した期間が有意に短かった一方で,抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬投与例と無治療例との間に有意差は無かった.NEAEに対する抗アレルギー薬,抗ヒスタミン薬の効果は自然経過を見ているに過ぎない可能性がある.
  • 新熊 悟, 阿部 由紀子, 冨田 幸希, 夏賀 健, 氏家 英之, 阿部 理一郎, 秋山 真志, 清水 宏
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 5 号 p. 933-937
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    83歳女性.略全身の浮腫性紅斑と水疱,びらんを主訴に来院した.臨床,病理組織,免疫組織学的所見およびBP180ELISA値から水疱性類天疱瘡と診断した.ステロイドの全身投与(prednisolone,0.75 mg/kg/日)を開始したが,内服開始後4週間の時点でも紅斑,水疱の新生を認めた.肺癌を併発しており全身状態が不良であることから,免疫抑制剤の併用や血漿交換療法はリスクが高いと考え,免疫グロブリン大量静注療法(400 mg/kg/日,5日間)を施行した.投与直後より皮疹の著明な改善とBP180 ELISA値の著明な低下を認め,その後ステロイドの減量を行うも皮疹の再燃は認めなかった.
  • 安齋 眞一, 福本 隆也, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 5 号 p. 939-945
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    札幌皮膚病理研究所で病理診断した検体のうち,良性色素細胞性病変,つまり色素細胞母斑と臨床診断されていた13,594検体について,その病理診断を検討した.男性3,497検体(25.7%),女性10,097検体(74.3%)であり,切除時平均年齢は38.7±17.1歳であった.病変部位で最も多かったのが,顔面7,308検体(53.8%)であり,切除時年齢は,顔面が42.2±16.3歳と最も高く,下肢が,31.5±17.4歳と最も低かった.臨床診断と病理診断が一致したのは,13,594検体中11,840検体(87.1%)であった.色素細胞母斑以外と病理診断された例は,対象症例全体に対して,良性上皮性腫瘍が8.6%,良性非上皮性腫瘍が2.4%,炎症などが0.6%,そして悪性腫瘍が1.3%であった.良性上皮性腫瘍の中では,脂漏性角化症がもっとも多かった.悪性腫瘍では,基底細胞癌が最も多く,全体の0.9%であった.上皮内悪性黒色腫は16検体(0.1%),進行期悪性黒色腫は13検体(0.1%)あった.部位別の臨床診断と病理診断の一致率は,下肢で92.3%ともっとも高く,次いで顔面の89.2%であった.もっとも一致率が低かったのは頸部の78.2%,次いで躯幹の79.1%であった.悪性腫瘍は,顔面で多く,ついで,被髪頭部および上肢でその割合が高かった.切除時年齢は,良性色素細胞性病変が36.5±15.9歳と,非良性色素細胞性病変の53.3±18.1歳より,有意に低かった.以上の結果から,良性色素細胞性病変と臨床診断された病変でも,一定の確率で悪性病変が含まれているので,病理検査を行い,診断を確定する必要があると考えた.
学会抄録
feedback
Top