日本皮膚科学会雑誌
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104 巻, 8 号
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  • 1994 年 104 巻 8 号 p. 955-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
  • 山脇 光夫, 二村 省三, 堀尾 武, 朝田 康夫
    1994 年 104 巻 8 号 p. 959-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    接着分子は,細胞性免疫や炎症において極めて重要な働きをしている.乾癬において,病巣表皮における接着分子の発現はよく検討されているが,血管内皮細胞と浸潤細胞におけるそれらの報告は少ない.我々は,乾癬皮疹部の血管内皮細胞と浸潤細胞についてPUVA療法前後における接着分子の発現の変化を免疫組織化学的に検討した.活動期の皮疹では,E-selectin(ELAM-1),ICAM-1,HLA-DRが血管内皮細胞上に,ICAM-1,LFA-1,VLA-4,CD45RO,HLA-DR,sLexが浸潤細胞上に発現された.PUVA療法後では,これらの接着分子はいずれも消失するか減弱した.以上の結果より光化学療法が接着分子発現に対して抑制作用を持つ可能性も示唆され,PUVA療法の乾癬への奏功機序を考える上で興味深い.しかし,今回のin vivoの結果のみからでは皮疹消褪に伴う非特異的な現象である可能性も否定できず現在in vitroの実験を含め検討中である.
  • 中村 浩昭, 今村 優子, 松田 真弓, 松田 壮正, 黒瀬 顕
    1994 年 104 巻 8 号 p. 967-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    皮膚有棘細胞癌27例における癌抑制遺伝子p53蛋白の過剰発現と,細胞増殖マーカーであるProliferating Cell Nuclear Antigen(PCNA)陽性細胞数の割合との相関を免疫組織化学的に検索した.さらにこれらの所見と癌組織の分化度との関連について検討を行った.27例中10例(37%)でp53蛋白の過剰発現細胞が観察され,平均して腫瘍細胞の47%がp53蛋白陽性となった.P53陰性例と陽性例の間では,PCNA陽性細胞数の割合に有意差はなく,p53蛋白過剰発現とPCNAで表現される細胞増殖能との間に関連は無いと考えられた.しかし,GradeⅠおよびGradeⅡにおいては腫瘍の分化度とp53蛋白発現との間に相関を認め,さらに腫瘍の先進部位にp53蛋白陽性細胞の集簇を認め,p53蛋白の過剰発現と組織学的,ひいては腫瘍の進展との何らかの関連性が示唆された.
  • 竹之内 薫子, 山本 綾子
    1994 年 104 巻 8 号 p. 973-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    尋常性痤瘡の発症機序を明らかにするために,軽症と中等症の男性尋常性痤瘡患者40例,および健常人男性対照者27例の頬部および前腕屈側を被験部位として,角層water-barrier function(WBF)ならびに角質細胞間脂質の測定を行った.角層のWBFはtransepidermal water loss(TEWL)と角層のwater sorption-desorption testにより評価した.角質細胞間脂質はカップ法により採取し,high-performance thin-layer chromatography(HPTLC)を用いて,脂質組成を分析した.頬部におけるWBFは,尋常性痤瘡群で健常群に比べて有意に低下しており,しかも痤瘡の重症度に並行して低下していた.角質細胞間脂質分析の結果,単位面積あたりの皮脂量は,健常人対照者と痤瘡群で,統計的に有意差はなかった.しかしセラミドは,健常人に比べ,痤瘡群で重症度に平行して統計的に有意に減少していた.これらの成績より,角層のセラミド減少によるWBFの低下が,面皰形成機序に関与している可能性が推測された.
  • 宇塚 誠, 榛沢 千加
    1994 年 104 巻 8 号 p. 979-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    10~15週齢のマウスヒゲの成長期毛包を用いて,無血清でヒゲの毛幹の伸長を持続しつつ,組織学的にも良好な状態で器官培養することができた.この培養系を用いて,毛成長に対する成長因子や薬剤の影響をしらべた.成長因子のうち上皮成長因子(EGF),トランスフォーミング成長因子(TGF-α,β1)は毛成長を抑制したが,インジュリンは促進作用を示した.一方,薬剤ではシクロスポリンAやヒドロコーチゾンは有意に促進したが,ミノキシジルは抑制.このマウスヒゲ毛包の器官培養系は,毛の成長におよぼす薬剤の評価や作用機序をしらべるだけでなく,毛の成長や毛周期などの毛の生物学を研究する方法として有用であると考えられる.
  • 成瀬 知恵子, 古賀 道之
    1994 年 104 巻 8 号 p. 989-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    15歳女子.12歳頃より,右足底から内側縁にかけて,半米粒大までの淡紅色,表面光沢ある丘疹が多発,漸増.自覚症状はない.組織では,真皮上層に,一部で小円形細胞を混じた形質細胞の増殖を見るが,濾胞様構造は認めず.増殖した形質細胞巣には酵素抗体法で,IgG,IgM,IgA,χ鎖,λ鎖陽性細胞が混在して認められ,多クローン性の増殖であった.基礎疾患がなく,また腫瘍性の増殖とは異なる形質細胞増殖を示す例は,皮膚形質細胞増多症という概念のもとに報告されている.過去の報告は,大部分が全身皮膚に多発する汎発型であるが,前額に単発した限局型の報告が1例あり,自験例もこれに類する症例と思われる.しかしながら,形質細胞増多症の限局型はLymphocytomaのplasma cell typeにほかならないと考えられ,限局型をおいた新田らの分類は用いず,特異な臨床像を示したplasma cell typeのLymphocytomaとして報告した.
  • 松山 孝, 浦野 一志, 松尾 聿朗, 大城戸 宗男, 西村 孝司
    1994 年 104 巻 8 号 p. 999-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    91歳女性の左下腿全面に発症したB細胞性リンパ腫の臨床像ならびに腫瘍細胞,浸潤細胞の表面マーカーについて検索したので報告する.腫瘍は,免疫組織学的にCD20陽性.IgMχ type,LSG分類でびまん性リンパ腫,大細胞型,Working formulation分類でdiffuse,large cell typeの皮膚B細胞性リンパ腫と診断した.内科的検索で他臓器に腫瘍巣を認めず皮膚原発と考えた.生検して得られた腫瘍組織をcell suspensionとし,各種モノクロナール抗体で染色後,FACScanにて解析した.大型の腫瘍細胞はCD19陽性,CD25一部陽性,CD10陰性で比較的分化したB細胞,小型の浸潤細胞はCD3陽性,CD8優位のT細胞とCD56陽性のNK細胞およびT細胞であった.電子線療法によく反応し,CD8陽性の細胞傷害性T細胞が誘導されていたのではないかと推察された.
  • 土橋 知子, 水谷 仁, 清水 正之
    1994 年 104 巻 8 号 p. 1005-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    67歳女性.前額部,両頬部,上眼瞼に浮腫性紅斑がありタ至イに掻破性紅色丘疹,手指関節伸側に紫紅色浸潤性紅斑を認めた.筋力低下,筋萎縮,筋痛は見られず,筋電図は筋原性変化を示さなかった.CPK以外の筋原性酵素の上昇と抗核抗体陽性,筋生検にて軽度筋炎所見をみたため皮膚筋炎と診断した.また自験例ではステロイド減量中に心のう液が貯留し,タンポナーデ徴候が出現した.そのため再度ステロイド増量が必要であった.皮膚筋炎と心膜炎の合併例の報告は稀であり,若干の文献的考察を加え,さらに心膜炎の病因についての考えを述べた.
  • 石黒 直子
    1994 年 104 巻 8 号 p. 1009-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    難治性ウイルス性疣贅88例(尋常性疣贅58例,足底疣贅30例)および19例の扁平疣贅に対し,Dinitrochlorobenzene(DNCB)またはDiphenylcyclopropenone(DPCP)によるcontact immunotherapy(CT)を施行し,その有効性を検討した.結果は,尋常性疣贅で72.4%(DNCB;71.4%,DPCP;73.9%),足底疣贅で43.3%(DNCB;52.9%,DPCP;30.8%),扁平疣贅で57.9%(DNCB;60%,DPCP;50%),全体で61.7%(DNCB;64.2%,DPCP;57.5%)と難治性ウイルス性疣贅の治療法としては満足のゆく治癒率を得た.重大な副作用はなく,従来の液体窒素冷凍凝固術やブレオマイシン局注療法に比べ疼痛もなく,今後積極的に試みるべき治療と考えた.また,扁平疣贅では19例中6例(31.6%)が感作のみで治癒し,全体でも90%が5ヵ月以内と他疣贅に比し短時間に治癒した.これはCIの有効性がウイルス性疣贅の病型に関連することを示唆する.また,CI施行中の細胞性免疫の動態を検討したところ,PHA,Con-Aによるリンパ球幼若化反応は治療前に比較し,軽快時,略治時で高値を示し,特にPHAにおいては治療前と軽快時との間に有意差を認めた.一方,OKT4,OKT4/8比は治療前に比べ略治時でやや高値を,OKT8でやや低値を示す傾向を認めるものの,有意差は認めず,治療経過中に2回以上検査を施行しえた5例についても一定の傾向はなかった.
  • 中村 猛彦, 前川 嘉洋, 野上 玲子
    1994 年 104 巻 8 号 p. 1019-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    36歳,女性,生来性に水疱・びらんが出没し,潰瘍化,瘢痕形成を伴う.両足趾の癒着・変形がある.う歯の多発,食道狭窄を伴い年余にわたり皮膚症状の軽快はない.臨床経過,組織所見から劣性栄養障害型表皮水疱症(RDEB)と診断.初診時患者は右足背に有棘細胞癌(SCC)を合併し,体重減少など全身状態は不良であった.SCCには手術療法を施行し,水疱のコントロールに0.1%エトレチナート外用を試みたところ速やかな上皮化と,過角化,粗造化した皮膚外観の改善が認められた.外用前,4ヵ月後の2回,外用剤を貼付した無疹部皮膚を採取し,その電顕所見からanchoring fibrilの密度を測定した結果,外用前2.05/μmに比し,4ヵ月後4.61/μmと密度の上昇が認められた.RDEBの皮疹の治療法はいまだ確立しておらず,この治療法は従来の方法に抵抗性の皮膚症状に対し,試みるべき治療法の1つであると考えられた.
  • 藤本 学, 佐藤 伸一, 尹 浩信, 菊池 かな子, 五十嵐 敦之, 相馬 良直, 竹原 和彦, 石橋 康正
    1994 年 104 巻 8 号 p. 1025-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    熱ショック蛋白の一つであるheat-shock protein90(hsp90)に対する限局性強皮症患者血清中の自己抗体の有無について検討した.対象は限局性強皮症60例,全身性エリテマトーデス20例,全身性強皮症20例,健常人20例とした.抗hsp90抗体の検出にはenzymelinked immunosorbent assayを用い,健常人の平均+3SD以上を陽性と判定した.IgG型あるいはIgM型の抗hsp90抗体は限局性強皮症全体の23%に陽性であり,病型別にはgeneralized morpheaの33%,linear sclerodermaの24%,morpheaの13%に陽性であった.一方,全身性エリテマトーデスでは40%,全身性強皮症では20%に陽性であったが,健常人は全例陰性であった.以上より,限局性強皮症,特にgeneralized morpheaの免疫学的異常の一つとして抗hsp90抗体の存在が示された.
  • 1994 年 104 巻 8 号 p. 1029-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 104 巻 8 号 p. 1118-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
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