2000年から2009年に信州大学を受診した245症例の悪性黒色腫を解析した.疾患特異的5年生存率は,0期100%,I期98%,II期82%,III期59%,IV期18%だった.51例が初回根治術後に転移を起こし,初回転移臓器種の比率(該当臓器転移の症例数/全転移症例数)は,肺55%,皮膚・皮下35%, リンパ節24%,脳12%だった.肺転移の89%とリンパ節転移の50%が予定の画像検査で,皮膚・皮下転移の94%とリンパ節転移の36%が理学所見での発見であり,丁寧な診察と定期的な画像検査が悪性黒色腫の遠隔転移の早期発見に有用と思われた.
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