全身性エリテマトーデス(SLE)の皮膚病変の病理組織学的所見の特徴については周知である.その中で新たなものとして,新井は膠原線維の変性と組織球の浸潤に着目し,膠原線維アタック型反応と命名した
1).今回同様の組織反応を認めた8症例の臨床的特徴について検討した結果,以下の共通した特徴が認められた.①発熱とともに境界不明瞭な浸潤を伴う滲出性の紅斑が出現し,2週間程度で消退する.②SLEに特異的な検査値の変動は乏しく,白血球数,CRPおよびLDHなどの上昇がみられる.③結節性紅斑,滲出性紅斑あるいは好中球性紅斑に類似する臨床と経過を示す.同様の反応はSLE以外にシェーグレン症候群(SJS)や混合性結合組織病(MCTD)などにおいてもその経過中に出現することがある.
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