日本皮膚科学会雑誌
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89 巻, 5 号
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  • 松崎 孝子, 馬場 俊一, 石田 洋子, 森岡 貞雄
    1979 年 89 巻 5 号 p. 327-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    自験例は7歳,11歳,43歳の母娘の顔面に発症した trichoepithelioma papulosum multiplex. と15歳の女子の顔面に一生じた典型的なtrichoepithelioma papulosummultiplex の4例を報告した.光顕下では,真皮中に基底細胞様細胞よりなる腫瘍塊と角質嚢腫を見,腫瘍塊中では,核に接し粗大な円形ないし楕円形の PAS 陽性穎粒が存在した.電顕的に PAS 陽性穎粒は,膜様構造を持たず intracytoplasmic vacuole として認められ,グリコーゲンであることが判明した. 本症はグリコーゲン顆粒の観点より対照として行った basal cell epithelioma, 正常成熟毛包の外毛根鞘,胎児の毛包のグリコーゲン顆粒と比較検討したところ,形態学的に正常成熟毛包の外毛根鞘に一部類似する毛やはり,これら3者のいずれのグリコーゲン顆粒とも異る,本症に見られる特異的な顆粒ではかと思われる.
  • 税田 武三, 石井 芳満, 緒方 克己, 井上 勝平, 成富 研二
    1979 年 89 巻 5 号 p. 339-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    本邦最初の滴状乾癬の家族例(姉II歳,妹7歳)を報告した.姉妹とも慢性扁桃炎を認め,尿蛋白陽性で,感冒(咽頭痛著明)に罹患後,滴状乾癬を発症していることなどにより,病巣感染を考え両側扁桃摘除術を行なった.術後姉妹とも皮疹の改善が顕著で,尿蛋白も陰性となった. 両親と姉妹の HLA 抗原のタイピングを行ない,乾癬患者に高頻度に出現する A1 と B37 が母親と姉妹に haplotype で確認された.
  • 原田 誠一, 植田 時司, 林 紀孝, 大野 忠義, 楠 俊雄, 田代 博嗣, 池谷 精司, 野崎 昭
    1979 年 89 巻 5 号 p. 345-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    Trichophyton mentagrophytes (var. asteroides) より蒸溜水で加熱抽出したアルコール不溶性,水可溶性の物質 (多糖体を主成分とするTrichophytin) をもってケルスス禿唐10例,白癬性毛瘡7例の治療を行ない,いずれも1~3ヵ月で全例が治癒した.最近この種の疾患が増加した.従来これらの疾患の治療には専ら Griseofulvin が用いられているが, Tricho・phytin による治療成績もこれに劣らないものである.本療法は副作用がなく,なんらかの理由により Griseofulvin の使用できない症例にも施行することか可能である.
  • 福田 繁
    1979 年 89 巻 5 号 p. 355-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    尋常性白斑において PUVA 療法によって現われる毛孔一致性色素再生部における色素再生の機構を解明することを目的とし,21例の白斑患者について,治療前の白斑. PUVA 療法によって現われた毛孔一致性色素再生部・反対側正常皮膚の各部位における毛嚢周囲表皮と毛嚢上皮のドーパ陽性タラノサイトの数を検索し,相互に比較した.また,色素再生部の毛嚢上皮における樹枝状細胞を電子顕微鏡的に観察した.得られた成績は以下のようである.色素再生部におけるメラノサイト数(平均値)を正常皮膚のそれと比較すると,毛嚢周囲表皮では前者か後者の 0.3 倍,毛嚢 A 部では0.4倍,同 B 部では15倍であったが,同 C 部と D 部では有意差がなかった.色素再生部における数(平均値)を白斑部のそれと比較すると,毛嚢周囲表皮・毛嚢 A 部・ B 部・ D 部では前者が後者よりも著しく増加していたが, C 部では有意差がなかった.以上の事実は,白斑内の毛孔一致性色素再生の早期に,毛嚢 B 部に過剰なメラノサイトが存在することを示している. これらのメラノサイト数を統計学的に処理することにより,色素再生部の毛嚢周囲表皮・毛嚢 A 部・ B 部の各部位のメラノサイト数の相互関係をみると,毛嚢周囲表皮のメラノサイト数が比較的少ない時に毛嚢 A 部と B 部のメラノサイト数は比較的多く,逆に毛嚢周囲表皮のメラノサイト数がより多くなると毛嚢 A 部と B 部のメラノサイト数はより少なくなり,また毛嚢 A 部のノラノサイト数と B 部のそれはほぼ連動して増減する;そういう関係が見出された.次に,色素再生部の毛嚢 B 部にはドーパ陽性メラノサイトのほか indeterminate dendritic cell も存在することが電顕的に見出された.以上の結果から筆者は,尋常性白斑の毛孔一致性色素再生は,毛嚢 B 部の既存の不活性メラノサイトが活性化・増殖し,毛嚢 A 部を経て毛嚢周囲表皮へと移動し,そこで色素を産生することによるものと推定した.
  • 1979 年 89 巻 5 号 p. 369-
    発行日: 1979年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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