日本皮膚科学会雑誌
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73 巻, 11 号
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  • 三浦 隆
    1963 年 73 巻 11 号 p. 681-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    1957年Evelandらがクリプトコックス症におけるCryptococcus neoformansの検出およびその同定に蛍体抗光法を初めて応用し,真菌症の領域に本法を導入した.しかし白癬菌に対する本法の応用としてはWalzerらの報告あるのみで,しかもかれらは非特異的反応しか得られなかつたと述べている.そこで私はこの蛍光抗体法によつて白癬菌の検出および同定が可能か否か検索しようと考え,猩紅色菌を中心とした実験を試みた.以下その成績を報告する.
  • 福士 堯
    1963 年 73 巻 11 号 p. 695-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    クロモプラストミコーシスの病原菌として通常知られているものは,Hormodendrum pedrosoi,Phialophora verrucosa,その他所謂mold-likeの黒色集落を形成するものがある.同じクロモブラストミコーシスの病原菌であつても,黒色酵母様の集落を形成するものがあり,それは1945年Berger et al.によつて始めて報ぜられた.彼等は従来の報告に見られなかつたこの菌株に遭遇して,その分類上の位置,かつ名称の決定に迷つてBlack Candida-like Speciesと仮称した,次いで1950年にCarrionがクロモブラストミコ―シスの症例より矢張り黒色酵母様の集落を形成する真菌を分離し,それをFonsecaea dermatitidisとしてBerger et al. の分離した菌株と同じものであるとした.これよりさき,1934年に加納がクロモブラストミコーシスの症例より,黒色顆粒状の集落を形成する真菌を分離しHormiscium dermatitidisなる名称を附した.この加納の分離菌を長期保存株について研究しConant et al. はHormodendrum dermatitidis,CarrionはFonsecaea dermatitidisと命名した.しかも彼等の記述によるとその保存株は加納が分離直後に記載した黒色顆粒状集落を示さず,黒色酵母様の集落を形成した.このことは加納が分離した菌株は長年月の間に黒色酵母様の集落を呈する菌株に変化したものと想像するほかはない.更に上記両氏は加納の分離に由来する菌株は,Berger et al. およびCarrionの分離した菌株と同一種であると述べている.その後黒色酵母様集落を形成する菌株は,福代等,Rajam et al.,溝上・山下によつて,黒色顆粒状集落を形成する真菌は森等,溝上・山下によつて分離されている.しかしその名称に関して, Rajam et al.,森等は明言をさけ,福代等はHormiscium dermati-tidisと呼び,山下は黒色顆粒状および黒色酵母様の集落を作る両菌株をTorula sp. なる属に編入している.黒色酵母様集落を形成する諸菌株に関して,それぞれの報告者の記載を比較するに.それらはかなり著しい共通の特徴を具えるものの如く見受けられる.それにも拘らず,その分類上の位置および名称に関して相違のみられるのは,本菌群の性状が充分に把握されていないと共に報告者の見解が異なることに因ると解される.このことは黒色顆粒状集落を形成する菌株の場合においても同様である.また黒色顆粒状集落と黒色酵母様集落との関係に関しては,福代等および山下は前者が後者に移行するとしている.このように黒色の顆粒状および酵母様集落を作る病原性真菌に関しては,形態学的に未だ充分に詳らかにされていないのみならず,生理学的には殆んど未知に属するといつてよい.著者は人体病原性を有し,黒色酵母様集落を形成する5菌株,同じく病原性を有する黒色顆粒状集落を形成する2菌株について,その形態学的検索ならびにアミノ酸同化能,ビタミン要求性の実験を行つていささかの知見を得,またこれらの異なつた二つの集落の関係に関しても知る所があつたので,その研究結果について発表する.
  • 1963 年 73 巻 11 号 p. 711-
    発行日: 1963年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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