日本皮膚科学会雑誌
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81 巻, 2 号
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  • 西本 勝太郎
    1971 年 81 巻 2 号 p. 71-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    さきに著者は,23才家婦の,黒色真菌Phialophora verrucosaによる転移性のリンパ節病変につき,光学顕微鏡,電子顕微鏡による組織学的所見を報告したが,今回は,その同一症例についての,皮膚病変の検索結果を報告する.
  • 長島 正治, 大城 晶子, 清水 夏江
    1971 年 81 巻 2 号 p. 78-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    昭和42年6月以来,われわれは慶大皮膚科外来において,瘙強き紅色丘疹を発作性に生じ,あとに粗大網目状色素斑を残す診断不明の皮膚疾患数例を経験した.すでにその1例は,診断例(瘙性紅色丘疹を前駆する一種の色素沈着症)として東京地方会に供覧したが,その後もかかる症例に接する機会を得て,昭和44年末までにその8例を集計することができた.今回これを機会に,本症の詳細を一括記載し,各種類似疾患との鑑別診断,病因,治療などに言及し,あわせて本症が痒疹群に属するひとつのclinical entityであり,従来注目されることのなかつた疾患であることを述べたいと考える.
  • 笠井 達也
    1971 年 81 巻 2 号 p. 92-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    Actinomyces属と共にActinomycetaceaeを構成しているNocardia属の菌は,臨床上菌種Mycetomaあるいは,肺その他の内臓ノカルジア症の病原菌として問題となるものであるにも拘らず,その症例の絶対数の少ないこと,内科領域では非定型抗酸菌として葬り去られている場合の多かつたこと,などの理由から,比較的近年までその分類上の基準,生理学的性状等に関する研究に乏しく,不明確な点が多いままに残されて来た.そもそもNocardiaという名称は古く,既に1888年Edmund Nocardにより動物から分離報告された菌を,その記載に基づき翌1889年TrevisanがNocardia farcinicaと命名報告したことに由来している.またヒトへの病原性については,1891年Hans Eppingerが,肺並びに胸膜に結核様症状を呈し,後に脳脊髄膜炎を併発して死亡せる患者の剖検時の脳脊髄液からの分離菌をCladothrix asteroidesと命名報告したのが最初であり,以来多数の類似菌種が,種々の名称のもとに報告されている.しかしその多くの記載は明確な同定基準に従つて同定されたものでないために混乱が大きく,異名同種のものも多い.且つまた分類上の位置づけが決つていなかつた故に,菌種名に冠された属名も多岐に亘つていた.今日広く承認されている如き,Nocardia属を1属としてActinomyces属と共にActinomycetaceaeに属せしめ,これをStreptomycetaceaeと対比する体系づけは,1943年に至りはじめてWaksmanおよびHenriciによつて行なわれたのである.しかもこの体系において,NocardiaのType speciesとされているNocardia farcinicaは,実はNocardia asteroidesと同一菌種であるとして,その独立性さえ疑われている状態である.一方わが国においても,Eppingerの報告に遅れること僅か9年,既に1900年に青山らによつて,脳膜炎症状を起した肺ノカルジア症の剖検例が報告せられ,膿汁より菌が分離されているが,その後の内臓ノカルジア症の報告は主として剖検例の病理学的記載に止まり,菌学的検索は主に菌種について皮膚科領域を中心に行なわれて来た.しかし菌種の症例数は,1913年土肥らの2例の報告以来,1968年末までの約半世紀間に22例を数えるに過ぎず,皮膚科領域の報告は,この他皮下膿腫,肺ノカルジア症の2例が加わるに止まる.なおこの他には,比較的近年の全国的な,非定型抗酸菌調査で11例のNocardia asteroides排菌例の報告があるが,これを除くと,菌種以外の他科領域におけるノカルジア症の報告は,青山らの報告以来,確認し得た限りでは16例に止まり,真のノカルジア症ないしはノカルジア症と推測される症例は,以上からたかだか40例前後に過ぎない.またこれらの症例からの分離菌の同定は,戦前の記載の多くはStreptothrixとしているのが普通であり,過半数は菌学的記載も不明確なため,今日これらの菌種の帰属を検討することは不可能である.
  • 小川 秀興
    1971 年 81 巻 2 号 p. 135-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    1922年Flemingにより発見されたリゾチームは広く動植物の器官・分泌液中に多く含まれ,人においては白血球・涙・唾液・乳汁等に見出されている.これは生体防御機構に関与する重要な酵素であると考えられているが,皮膚についての研究は少なくLissは乾癬の鱗屑中にリゾチーム活性を見出し,J. Klenhaは0.1MKCl-0.15 M Sorenson phosphate buffer PH 6.2を用いてHairless mouseの皮膚および人の皮表からリゾチーム活性を見出し,Sephadexを用いての分子量が約15,000であることとPH. Optinumが5.9であるという2点より,恐らくはリゾチームであろうとしている.しかし,その含量は非常に低く,果して生理的意義を持ち得るかに疑問がある.そこで,人の皮膚を用いてリゾチームの抽出法および皮膚内分布について検討した.材料は植皮時得られた皮膚,若しくは皮膚疾患なく,また検査所見の比較的正常な剖検例の躯幹正中部より得られた皮膚を用いた.
  • 1971 年 81 巻 2 号 p. 137-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
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