日本皮膚科学会雑誌
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113 巻 , 2 号
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生涯教育講座
  • 古江 増隆, 古川 福実, 秀 道広, 竹原 和彦
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 2 号 p. 119-125
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    Recently in Japan, misunderstandings about the pathogenesis of atopic dermatitis (AD) and the strategies for the treatment of this disease, especially about the use of topical steroid, have led to a rapid increase of severe cases of AD caused by inadequate treatment. This prompted us to establish and distribute standard guidelines for AD therapy. In this guideline, the necessity of dermatological training to examine severe cases of AD is emphasized. It is stated that the present standard therapies for AD consist of the use of topical steroid and thaclolimus ointment (only for adult patients) for inflammation and emollient for dry and barrier—disrupted skin as the first line of attack, anti-histamines and anti-allergic drugs for pruritus, avoidance of apparent exacerbating factors, psychological counselling, and advice about daily life. The importance of correct selection of topical steroid according to the severity of the lesion is emphasized.
  • 多島 新吾
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 2 号 p. 127-133
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    Elastic fibers are fibrous proteins in the dermis, then include elastin, fibrillins and microfibril-associated glycoproteins. Typical cutaneous disorders in which elastic fibers are primarily involved are pseudoxanthoma elasticum, actinic elastosis, cutis laxa, elastosis perforans serpiginosa, middermal elastolysis, and pseudoxanthoma elasticum-like papillary dermal elastolysis. Recent advances in the molecular pathology of these disorders were presented.
原著
  • 宮島 進, 西野 洋, 澤田 由佳, 岡田 奈津子, 松下 哲也
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 2 号 p. 135-144
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    背景:糖尿病性潰瘍,壊疽などの患者は通常他の糖尿病に伴う全身的合併症を有し,しばしば生命予後が不良である.目的:糖尿病性潰瘍,壊疽患者の臨床像を解析し,生命予後に与える危険因子を検索することを目的とした.方法:1994年7月から2001年8月までに糖尿病性潰瘍,壊疽で加療した自験例140例を対象として,死亡・生存の転帰により群分けしてretrospectiveに解析し,臨床的観察項目別に各群のKaplan-Meier法による生存率をLog-rank testを用いて単変量比較し,危険因子を推定した.更に推定された危険因子からCoxの比例ハザードモデルを用いて予後因子を推定した.結果:症例の内訳は死亡例19例,生存例121例,5年生存率は74.5%であった.19例の死亡例はいずれも血糖コントロールが不良で,HbAlc値は平均で9.5%と生存群の7.8%よりも高かった.また死亡群はより広範囲な足病変を有し,糖尿病に伴う合併症を高頻度に認めた.2例は網膜症による失明を合併し,また11例は腎症による長期間の血液透析を受けていた.死亡群の全例が閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis Obliterans:ASO)を合併し,70%が高位での切断術を余儀なくされた.これらの項目は死亡群,生存群の間で統計的に有意な差であった.死因は突然死,および心不全,不整脈,心筋梗塞などの心臓関連死がともにもっとも多く,次に敗血症,肺炎,脳梗塞の順であった.これらの結果に基づいて比例ハザードモデルで多変量解析を行った結果,生命予後に関連する危険因子は高位切断(ハザード比9.9),HbAlc値(1.6),年齢(1.1)であった.考察:糖尿病性潰瘍,壊疽の生命予後改善のためには,高位切断に至らぬよう足病変の早期発見,治療が重要であるとともに,血糖コントロールや,他の全身的な合併症に注意を払うことが必要である.
  • 八田 尚人, 松下 幸世, 竹原 和彦, 高田 実
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    本研究では黒色腫の腫瘍マーカーとして近年注目されているmelanoma inhibitory activity(MIA)の有用性を多数例の日本人黒色腫患者を対象に検討した.血清中のMIA値はenzyme-linked immunoabsorbent法で測定した.73例の初診時における血清MIA値の平均値はstage Iで6.5±2.0 ng/ml,stage IIで7.8±4.2 ng/ml,stage IIIで8.2±3.7 ng/ml,stage IVで32.9±20.1 ng/mlであり,黒色腫の進展に伴い上昇することが確認された.さらに,根治術を行い得た31例(stage I 9例,stage II 14例,stage III 8例)において術後定期的に血清MIA値を測定した.31例中9例では12~77カ月の経過観察中に転移が出現し(再発群),残りの22例では少なくとも術後1年間転移がみられなかった(非再発群).再発群の9例中8例では再発4~53カ月前から,再発時には全例MIAが異常値を示した.一方,非再発群の22例では8例に1回以上異常値が観察された.以上よりMIAは術後経過観察における転移の早期発見のマーカーとして有用であることが示された.また,再発例9例中5例は手術直後から転移出現まで持続的にMIAが異常値を示しており,MIAの持続的高値は潜在性の転移の存在を示唆する所見と思われる.非再発群にも特にstage IICの症例で同様のMIAの持続高値を示す症例があり,このような例では注意深い経過観察が必要と考えられる.
  • 岸本 和裕, 尾山 徳孝, 中村 晃一郎, 金子 史男
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 2 号 p. 151-158
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    ELISA法により測定した血清中抗デスモグレイン(Dsg)抗体価が高値(Index値>150)で推移した天疱瘡患者13例(粘膜優位型尋常性天疱瘡3例,粘膜皮膚型尋常性天疱瘡5例,落葉状天疱瘡5例)についての臨床症状と抗体価との相関性を検討した.特に,臨床症状の変化の有無に着目し,通常の測定に推奨されている100倍希釈血清に加えて,400倍および1,600倍の希釈系列における抗体価の変動を比較した.その結果,臨床症状が変化した症例群において,その前・後における抗Dsg抗体価の変動は100倍および400倍希釈血清に比べて1,600倍希釈血清の感度の方がより鋭敏であった.重症度スコアで1段階のみの小さい変化を示す症例群においても,1,600倍希釈血清を用いることによりその微細な変動を明確に検出し得たことは特筆に値する.つまり,希釈倍率を上げることにより,症状の変化と抗Dsg抗体価の変動の相関をより的確に捕らえることが可能であった.また,無症状で経過したにも関わらず,血清希釈系列により初めて抗Dsg抗体価の減少を確認できた症例も存在し(4/10例,40%),このような症例では血清希釈倍率を上げて抗体価を再測定することにより,subclincalな病勢の把握が可能となるため,今後の治療計画を立てる上でも非常に有益であると考えられた.以上の結果から,血清中の抗Dsg抗体価が高値で経過するような天疱瘡では,患者個々の抗体価に応じた適切な血清希釈倍率の選択が,的確な病勢を把握する上で重要であると思われた.
  • 西村 香織, 塚崎 直子, 片山 一朗, 中村 茂, 小池 マリ, 藤井 弘之
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 2 号 p. 159-163
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    我々は1984年から1999年の16年間に当科を受診した皮膚疾患を有する金属パッチテスト陽性患者51症例について,歯科金属と皮膚疾患の関連について調査を行った.皮膚疾患は掌蹠膿疱症が18例と最多であった.可能な症例については歯科金属の成分同定を行い,原因と考えられた金属を除去し皮膚症状の改善効果があるか否かを検討した.合併症(病巣感染)を持つ症例については,それらの治療効果も検討した.金属除去が有効と思われた症例は全体の50%だったが,パッチテスト陽性金属を除去した症例に限れば67%であった.
  • 西嶋 攝子, 東田 敏明, 大島 茂, 中矢 秀雄
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 2 号 p. 165-168
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    炎症性(53例)と非炎症性(22例)類表皮嚢腫(75例)から,好気的,嫌気的に細菌培養を行い分離細菌を検討した.好気培養では炎症性,非炎症性いずれからもコアグラーゼ陰性ブドウ球菌とCorynebacterium spp.が主な分離菌であった.嫌気培養ではPeptostreptococcusPropionibacteriumVeillonellaPrevotellaをはじめとする多くの菌が分離された.炎症性から明らかに優位に分離されたのはPropionibacterium acnesP. acnes)であり,ついでグラム陰性球菌であった.分離前に何らかの抗菌薬による治療があった症例とない症例に分けても検討した.治療があった場合の方が好気性,嫌気性ともに分離菌は少なかったが,ほとんどの症例で菌は検出されており,治療の有無と炎症性,非炎症性との間にも相関はみられなかった.炎症性からP. acnesやある種の嫌気性グラム陰性球菌が優位に分離されたことは,一部の炎症性症例において,嫌気性常在菌のもつ何らかの炎症惹起因子の関与を示唆していると考えられた.
  • レパヴー アンドレ, 野木村 真奈美, 福田 英嗣, 日野 治子, 松岡 芳隆
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 2 号 p. 169-175
    発行日: 2003/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    31歳,女性.平成8年より年に2,3回月経時期に一致し腹部に軽度のそう痒を伴う紅色丘疹が出現するようになった.近医数カ所で痤瘡,汗疹などと診断され抗ヒスタミン薬,ステロイド外用薬,抗生物質など投与されたが,症状は一時的には改善するものの発疹は再燃を繰り返した.前医にてAutoimmune progesterone dermatitisを疑われ平成12年9月当科紹介受診し,精査目的に翌年11月入院となった.発疹は体幹前面に融合傾向なく多発する米粒大で,紅色の軽度浸潤のある丘疹であり,月経開始3~5日前に出現し,月経開始とともに消退する.血中ホルモン値は排卵期でE1,E2が若干低下していたが他に異常所見はなかった.プロゲステロン皮内反応を試みたが即時型,遅延型反応ともに陰性であり,月経疹と診断した.発疹以外の全身症状を伴わず,現在のところ経過観察となっている.月経周期に一致し,はっきりした紅色丘疹が体幹前面のみに消長を繰り返す例は,過去の報告例においても非常に稀であり,さらなる病態の解析が必要と考え,報告する.
学会抄録
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