日本皮膚科学会雑誌
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75 巻 , 12 号
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  • 永嶋 哲二
    1965 年 75 巻 12 号 p. 863-
    発行日: 1965年
    公開日: 2014/08/28
    ジャーナル 認証あり
    スポロトリクム症はSporotrichum schenckiiによる慢性肉芽性の真菌疾患で,1898年Schenckによりアメリカ合衆国で発見された.Sporotrichumは不完全菌類,モニリア目,モニリア科,スポロトリクム属に属する.本菌は培地における集落の着色の有無,胞子形成およびその菌糸にたいする附着状態などからSp. schenckiiのほかにSp. beursmannii, Sp. dorii, Sp. gougerotii, Rhinotrichum beurmannii, Rh. saccardoなどの名称があげられる.ただしSp. gougerotiiは黒色分芽菌症の病原菌であつて本症の病原菌とは別種で,JankeはOosporeaeに編入さるべきであるとし,CarrionはCladosporiumに属すると提案した.Conantらは本症から分離された多くの菌株を検査した結果,結局同種であることを認め,本症を唯一の菌Sporotrichum schenckiiによるものであると定義した.本菌の色素形成能,胞子着生状態,糖,醗酵能は不定で,同一の菌によっても条件により変りうるから,種の区別判定には役立たぬという理由をあげている.本症の治療としてはヨードカリやスポロトリキンによるワクチン療法がよく用いられるが,他にも諸家によるいろいろな報告がみられる.すなわちLatapiはグリセオフルビン使用8例中4例に治癒を認めたと報告し,JLyonsは8週間の投与で治癒,Braitmanはヨードカリを用いた時より効果が著しかったとのべている.一方Finlayson, Fernandezはグリセオフルピンは無効であったと報告している.またFinlaysonらはアンホテリシンBの経口投与は無効であったが,静脈注射で著効を認めたと記載している.サルファ剤については荒尾・寺尾は難治であったと,福代は無効であったとの報告がある.抗生物質の使用ではKadenはペニシリン,ストレプトマイシンいずれも効果に乏しいと報告し,福代もストレプトマイシン,オーレオマイシンなどを試みたがいずれも無効であったという.他にGeraciらは2-hydrostilbainidine, Curtisはstilbamidine剤の使用について報告しており,Harrellらはリンパ管型の1例にstilbamidineの生理食塩水溶液を週3回ずつ静脈注射を行なつて治癒させたと記載している.またCurtis, Kalkoff・Jankeはレントゲン照射を行なった例を報告している.外科的切除術もときどき報告されるが,JadassohnのHandbuchによると増殖性で現状のものにたいする電気焼灼以外は慢性潰瘍化を来たすから外科的操作を行なうべきでないと記載してある.Robinsonはresistant caseには外科処置を行なうのがよいとのべている.Ormsbyは本症の潰瘍には適宜外科的処置が必要であることを報告しているし,山田・渡辺も小さい病変が単発しているときは手術によって剔除することで完全治癒がえられると記載している.またThomasは発熱療法を,Galianaは高温湿布を行なうことにより治癒せしめたという報告を行なっている.
  • 須貝 哲郎, 斉藤 忠夫, 浜田 稔夫, 福井 慶典
    1965 年 75 巻 12 号 p. 880-
    発行日: 1965年
    公開日: 2014/08/28
    ジャーナル 認証あり
    下肢に皮膚疾患を有する患者104人について著者らの標準法を用いて連続動脈造影法を行なつた.造影剤注入直後から7秒間隔で断続撮影した3枚の下肢造影像を比較して,造影剤の流速及び血管の造影状態から造影像を6種類に分類した.(1)正常型,(2)凍瘡型:趾端動脈の造影を認めないもの,(3)鬱血型:造影速度は正常型に準ずるか,造影剤が14秒後も下腿足部静脈叢に残存する.静脈瘤を伴なうことか多い.さらに造影遅延を示すものを3型に分類し,(4)等速遅延型,(5)後期遅延型及び(6)初期遅延型とした.なお被験者104例中15例は下肢血行不全と関係ないと思われる皮膚疾患を有する対照群である.凍瘡型は凍瘡患者12例中6例に認められ,対照群にはなかつた.貧血型は貧血性皮膚炎患者12例中5例,シャンパーク病7例中4例,動脈硬化症性皮膚炎6例中2例などにみられ,対照群にはなかつた.等速遅延型は被験群89例中15例,対照群16例中3例に,後期遅延型は被験群に38例,対照群に1例,そして初期遅延型は104例中わずか3例であつた.偶発的な遅延型をさけるために,低温での本法の施行は好ましくない.栄養障害性の下腿皮膚炎の診断に本法は有用な診断の助けになる.
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