日本皮膚科学会雑誌
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86 巻, 5 号
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  • 平林 修
    1976 年 86 巻 5 号 p. 299-
    発行日: 1976年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    Ehlers-Danlos 症候群の各型については近年コラーゲン生成機構とくにその修飾酵素の欠損が注目されているが,第1型(古典型)についてはまだ報告がない.そこで木型の患者(17歳男性)の皮膚線維芽細胞を培養し,人胎児皮膚のそれと比較した.木症培養液中の 3H-プロリン標識コラーゲン画分はプロコラーゲンのピークのみでトロポコラーゲンピークを欠き,更にこのプロコラーゲンを基質として本症及び人胎児細胞に作用させると人胎児細胞では24時間反応でトロポコラーゲンに移行するに反して,本症では72時間反応で尚プロコラーゲン位置にピークがみられる.従って本症細胞ではプロコラーゲンペプチダーゼの活性低下が考えられる.一方 3H-グルコサミンの細胞内及び培養液中のとりこみをみたが,人胎児細胞に比べてグルコザミノグリカン分画より非グルコザミノグリカン分画へのとりこみが増強している結果をえた.これらの成績からEhlers-Danlos 症候群第1型の発症機序としてプロコラーゲンペプチダーゼ活性の低下と構造糖蛋白の興常が相まって線維形成の障害に働くものと考える.
  • 高野 元昭
    1976 年 86 巻 5 号 p. 309-
    発行日: 1976年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    ベーチェット病70名(完全型20,不全型47,疑わしい型3,男女比28 : 42)につき平均33ヵ月の経時的観察を行って,各病型,各症状の持つ経過上の意味を探り,併せて2,3の増悪因子,転帰,治療などにつき若干の検討を試みて,以下の結論を得た. 1)発病より第2症状新生までの期間あるいはアフタの単独先行期間,さらには症状新生の平均間隔の各々で完全型は不全型よりも一般に短い. 2)現病像の成立は,大半が初診以前であった. 3)初診時の病像は,その後の経過をよく示唆した. 4)皮膚粘膜眼の各症状では,罹病歴上早期に発現した症状ほど,以後に頻発する傾向がみられた. 5)陰のう潰瘍の経過上の反復回数は,他の皮膚粘膜疹よりも格段に少なかった. 6)妊娠出産は発病と増悪の一誘発因子であったが,慎重に対処すれば危険の回避は可能とみられた.7)転帰は,軽快33名47%,不定19名27%,悪化13名19%,死亡5名7%で,軽快,不定,死亡の各群には不全型が,悪化群には完全型が各々多数を占めた. 9)女性には相対的に高い発病年齢が多く,これらの例は転帰の悪いものが比較的高率であった. 10)病像の進展がゆるやかなものは一般に転帰良好であった. 11)転帰の悪い例では,発病から初診までが早く,その上初診以前に他機関を受診していることか多かった.
  • 猿田 隆夫, 猿田 泰夫
    1976 年 86 巻 5 号 p. 323-
    発行日: 1976年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    従来,ウイルス性疾患の細胞疹に応用されていたギムザ法をパーカーインクを用いる方法に変え,単純性疱疹,帯状疱疹,水痘に応用したところ,ギムザ法よりさらに簡単かつ迅速に,明瞭なウイルス性巨細胞を検出できることを知った.本法は臨床的に診断困難な水疱性疾患の迅速な鑑別診断に有用であり,糸状菌検査におけるカセイカリ法と同等の簡便さで皮膚科領域に応用できるものと考えた.
  • 1976 年 86 巻 5 号 p. 325-
    発行日: 1976年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
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