日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
85 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 伊藤 一弘
    1975 年 85 巻 6 号 p. 333-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    色素再生の現れている A 型尋常性白斑患者5例を生検し,表皮内 dendritic cell の微細構造および dopa 反応を電子顕微鏡に七観察した. 白斑部表皮基底細胞層に存在する indeterminate dendriticcell の一部は inactive melanocyte であり,再び active melancyte となって melanin 産生をはじめるものと考えられる.病巣の境界部付近の皮膚 melanocyte は非常に活発に melanin を産生している. melanocyte 内で dopa 反応陽性を呈する小器官は Golgi cjsterna の一部,多くの Golgi vesicle,premelanosomeである. premelanosome が Golgi cistema にほぼ接してみられ,さらに premelanosome から dopa 反応陽性の細長い管状物が premelanosome に連続して認められた. premelanosome は Golgi 野の smooth endoplasmic reticulum の一部から生成されてくるものと推測される. premelanosome はその前駆物である中間過程の空胞の時期に既に tyrosinase を有している可能性,もあるが, tyrosinase を含有している Golgi vesicle が酵素を premelanosome にりけ渡していると考えられる所見を得た. premelanosome と tyrosinase を持つ Golgi vesicle は Golgi 野においても異なった領域から生成されてくるものと考えられる.
  • 山田 瑞穂, 藤本 典男, 東 久志夫, 梁瀬 恵子, 奥 知三, 吉永 花子
    1975 年 85 巻 6 号 p. 351-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
     1.悪性黒色腫リンパ節転移より抽出したメラノーム抗原3種,ヒト頭髪より抽出した毛メラニン抗原1種を用い,尋常性白斑21例,類似白斑8例,悪性黒色腫4例,メラ二ン色素,白斑と無関係の諸皮膚疾患17例,健康人2例について,リンパ球幼若化現象を検討した. 2.尋常性斑,類似白斑においては, 1> 2の例外を除いて,陰性であった.色素性母斑を合併,母斑性 (限局性白皮)の可能性ある1例,若白髪の1例でメラノーム抗原で高い幼若化率が見られ,毛メラニン抗原では陰性であった.悪性黒色腫では高い幼若化率を示すものが多く,これが手術後低くなる,また,多数の転移を生ずると陰性となるという傾向がうかがわれた.対照の諸皮膚疾患,健康人では低い幼若化率を示すものが多かった. 3.尋常性白斑12例,白斑黒皮症1例について免疫学的検索を行ない,多少の異常値を認めたものの,本症に特有と見なし得る一定の傾向としての免疫異常は認められなかった,
  • 沼田 時男, 水野 信行
    1975 年 85 巻 6 号 p. 359-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    典型的アトピー性皮膚炎脆者の1例にアザチオプリン治療による免疫抑制療法を行い,良好な結果を得た.治療前,治療後に施行した免疫学的検査において, IgE 値の減少, DNCB 接触皮膚炎反応の不変ないし宜進傾向および Widal 反応抗体の減少を認めた.これらの結果から,アザチオプリンが主として lgE 産生 B 細胞系の活性を抑制したのではないかと推論した.またアザチオプリン治療において,白血球数が5,000以下にならないと治療の効果が認められなかった. アトピー性皮膚炎の本態は, (1)レアギンによる即時型アレルギーであるか1),(2)遅延型アレルギーによるものか2),(3)皮膚生理の特殊な遺伝的素因に基く疾患3)4)であるか,まだ結論がでていない.(1)(2)の観点に立てば,免疫抑制剤による治療法が考えられてもよいはずである.我々は定型的アトピー性皮膚炎患者の1例にアザチオプリン(以下 AZ と略する)による免疫抑制療法を行い良好な結果を得た.この事は逆にアトピー性皮膚炎の少なくとも一部の症例の発症に免疫学的機構が関与している事を示唆するものであろう.ここに免疫学的検査所見と併せて報告す
  • 1975 年 85 巻 6 号 p. 367-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top