好酸球性膿疱性毛包炎(eosinophilic pustular folliculitis, EPF),別名,太藤病は,瘙痒の強い毛包一致性の無菌性膿疱が,顔面を中心に出現する難治性疾患である.インドメタシンの内服が奏効する.ときに本症の診断を契機として,HIV感染や悪性腫瘍(特に造血系)が見出される.造血幹細胞移植後にも好発する.2010年の全国疫学調査から,EPFの男女比は1:1で,患者の10%はHIV陽性だった.本稿ではEPFの診断と治療のアルゴリズムを紹介する.
Episodic angioedema with eosinophiliaは,好酸球増多を伴って繰り返される血管浮腫,体重増加,発熱を主症状とする疾患である.本邦では症状が一過性で軽症にとどまる例が多く,Non-episodic angioedema with eosinophilia(NEAE)という名称が用いられる.発作時には血液中のIL-5やTARCが上昇し,主にT細胞の機能異常によって発症している可能性が高い.治療には一般に経口ステロイド薬が用いられるが,NEAEでは自然軽快が期待できる.また,NEAEに対する抗ヒスタミン薬の投与は,治療期間を短縮しないと報告されている.
皮膚科看護に特化した看護師育成の体制構築の方向性を検討するための基礎的資料として,医師(168人)と看護師(280人)の皮膚科看護に対する認識を調査した.皮膚科看護に関する知識と技術25項目中,看護師の方が有意に高い割合で必要であると回答した項目は,皮膚科分野の医学的知識(2項目),疾患の知識(4項目),治療の知識(3項目),指導(力)(8項目)の17項目であった.患者に適切な情報を伝えてケアをチームで行う上で,看護師と医師とのギャップを埋め共通理解を図る必要がある.
扁平母斑に対するレーザー治療は,再発率が高いために治療に難渋している.今回我々は,Qスイッチルビーレーザー(Q-Switched Ruby Laser;以下QSRL)を用いた扁平母斑に対する治療有効性に影響する因子を検討した.QSRL治療終了3~6カ月後に性別,治療開始年齢,大きさ,臨床形態,照射部位別に治療効果を解析した.性別,治療開始年齢では有効性への影響はみられなかったが,頭頸部発症で,地図状の形をしたものでは高い有効性が得られることがわかった.