スコッチテープにより角層を除去し barrier を損傷した hairless mouse に,比放射能12.34μCi/mgの,1.0% Halcinonide-14C cream, 0.64% Halcinonide-14Cointment の200mg (10g/kg)の大量を躯幹に ODT で投与し,経時的に全身オートラジオグラフを作成し,経皮吸収後の体内諾臓器への分布,排泄の程度を検討した. 1.外用後30分ではクリーム基剤で体内諸臓器への分布はほとんど認めておらず,投与後60分で両基剤ともほとんど差がなく,肝,胆嚢,上部消化管に強く排泄されるのを認めた.外用後6時間でその程度は12時間,24時間 ODT のものとほとんど差がなく,両基剤間の差毛はとんど認めなかった. 2. 妊娠マウスにクリーム基剤を外用した場合,外用後3時間で非妊娠マウスと同様に肝,胆嚢,上部消化管へ強く排泄されたか,胎盤,胎仔への移行は全く認めなかった. 3)この外用剤は両基剤とも経皮吸収された後はそのほとんどが肝,胆嚢,消化管系への排泄であり,腎,膀胱よりの尿路系への排泄は少ないことが観察された. 4.実験の仝経過を通じて副腎,心,肺,中枢神経への分布は認められなかった. 5. Hairless mouse を使用することにより最大限の皮膚を利用でき,大量の外用斉りを外用することが可能となり,経皮吸収後の放射性物質の追跡に極めて有用であった.
抄録全体を表示