日本皮膚科学会雑誌
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90 巻 , 12 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 宮地 良樹, 尾崎 元昭, 王城 英子, 桜井 みち代, 井階 幸一, 滝川 雅浩, 河村 甚郎, 加納 正, 水本 孝
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1065-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    壊疸性膿皮症自験3症例にっいて lgA 系の検索を行なった.その結果. 1)それぞれに,消化管粘膜の lgA 産牛.細胞の薯減,lgA 型良性単クローン性免疫グロブリン,血症,lgA 型骨髄腫(初期)など多彩な異常がみられた. 2)これらの変化は,腸管病変を反映しているものと考えられ,さらにそれぞれの病態も経過とともに推移し,決して固定的なものではないことに注目したい.本症においては, IgA 系検索がきわめて重要であることを強調した.
  • 小川 喜美子
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1071-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    エリテマトーデス(LE)の皮疹部の毛細リンパ管の変化を電顕的に検索し,以下の結果を得た.  (1)管腔は開大し,内皮細胞間接合の開大(openjunction)が高率にみられ,内皮細胞間の離間や内皮細胞の欠損によるリンパ管の連続性の途絶,内皮細胞と同質との離開,溶出物質の沈着等がみられ,間質とリンパ管腔との自由な交通が顕著である.また網状細管構造が内皮細胞内に認められた. (2)毛細リンパ管は,皮膚型(CLE)では真皮上層が主として障害される.全身型(SLE)では全層にわたるが,中下層の方に障害がやや強い.皮膚型と全身型では,後者の方が障害が強かった. (3)管腔および間質への惨出物質の沈着は,障害の強さとは相関しなかった. (4)網状細管構造の出現は,障害の少い部位に出現頻度が高かった.
  • 吉野 和廣
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1081-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    皮表脂質中の過酸化脂質の定量法,皮表における過酸化脂質の生成を促進する因子について検討し,次の結論を得た.① 皮表過酸化脂質のTBA反応の至適pHは4~5であった.② 皮表脂質およびスクワンン中の過酸化脂質量は,紫外線(UVA)照射により経時的に増加した.③ スクワンン懸濁波に UVA 照射を行なうと,過酸化脂質の生成は懸濁液の pH 低下に伴なって増加した,④ スクワンンに30°Cと40°Cで, UVA 照射を行なうと,過酸化脂質の生成は,40°Cの方が,30°Cより僅かに高かった.
  • 大熊 登
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1089-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    ヒト包皮皮膚よりトリプシン処理して得た表皮細胞を,致死量の X 線を照射したマウス 3T3 細胞を feederlayer として用いて,単個細胞培養し,その増殖および角化を形態学的・生化学的に検討した.光顕的および電顕的観察により,大きな核をもっ多角形の細胞が敷石状配列を示し,デスモゾーム・張原線維を有し,次第に重層して扁平となって核が消失し,最終的には培養液中に剥離してゆくという特徴的な増殖・角化の形態をとることより,ケラチノサイトであることを確認した.ケラトヒアリン顆粒および角層に類似した構造も見られた. 次に,培養を開始して1週後,2週後,3週後,4週後以上の4期に分けて,〔3H〕ロイシンおよび〔14C〕ヒスチジンを含む培養液でこの細胞を incubate した後,エチレンジアミン処理して,可溶分画および不溶分画の各々における〔3H〕/〔14C〕放射活性比を測定したところ,可溶分画中では leucine-rich protein,不溶分画中では histidine-rich protein が比較的多かったが,その差は in vivo で報告されているものに比べて小さかった.また培養期間およびlabelling time による推移より,角化に伴う特異的蛋白合成能に関して,培養細胞では histidine・richprotein 合成能が不完全であると考えられた.
  • 内平 信子
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1103-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    脂腺母斑を正常脂腺との対比のもとに透過及び走査電顕を用いて検索し,その超微形態的特徴,特にこれら両者の脂腺細胞における脂質形成について比較検討した. 1.脂腺母斑を小児期と思春期ないし成人期とに分け,それら脂腺細胞の微細構造的特徴を正常脂腺細胞と対比して検討した.その結果,透過電顕的には小児期脂腺母斑の細胞は正常脂腺細胞に比して細胞質内でのグリコーゲン顆粒の蓄積が顕著であり,かつその蓄積内を縦横に走る細管様構造のネットワークの存在が特徴的と考えられた.これに反して思春期及び成人期脂腺母斑の胞にはこのような所見はみられず,正常脂腺の細胞と比べて特別の相違を示さなかった.走査電顕的には,小児期及び思春期脂腺母斑とも腺葉の辺縁に近い部に正常脂腺ではみられない巨大な脂質滴が観察された. 2.脂腺細胞における脂質形成は,小児期及び思春期ないし成人期の各脂腺母斑においても正常脂腺と同様に滑面小胞体及びグリコーゲン顆粒の関与による脂質形成が主体と考えられたが,このほかにもglycogenolysis や,ミトコンドリア内で生じる脂質の存在も否定できないと推察された.
  • 清水 康之, 薮田 良子, 島雄 周平, 中島 栄一, 田中 実
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1113-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    スコッチテープにより角層を除去し barrier を損傷した hairless mouse に,比放射能12.34μCi/mgの,1.0% Halcinonide-14C cream, 0.64% Halcinonide-14Cointment の200mg (10g/kg)の大量を躯幹に ODT で投与し,経時的に全身オートラジオグラフを作成し,経皮吸収後の体内諾臓器への分布,排泄の程度を検討した. 1.外用後30分ではクリーム基剤で体内諸臓器への分布はほとんど認めておらず,投与後60分で両基剤ともほとんど差がなく,肝,胆嚢,上部消化管に強く排泄されるのを認めた.外用後6時間でその程度は12時間,24時間 ODT のものとほとんど差がなく,両基剤間の差毛はとんど認めなかった. 2. 妊娠マウスにクリーム基剤を外用した場合,外用後3時間で非妊娠マウスと同様に肝,胆嚢,上部消化管へ強く排泄されたか,胎盤,胎仔への移行は全く認めなかった. 3)この外用剤は両基剤とも経皮吸収された後はそのほとんどが肝,胆嚢,消化管系への排泄であり,腎,膀胱よりの尿路系への排泄は少ないことが観察された. 4.実験の仝経過を通じて副腎,心,肺,中枢神経への分布は認められなかった. 5. Hairless mouse を使用することにより最大限の皮膚を利用でき,大量の外用斉りを外用することが可能となり,経皮吸収後の放射性物質の追跡に極めて有用であった.
  • 武誠
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1121-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎胞者の末梢血単球と好中球の貪食能および殺菌能 (nitro-blue tetrazorium 還元能)と皮膚症状および免疫学的機能との関係を検討し以下の結果を得た. 1)患者における単球と好中球の貪食能は健康人のそれらより低下しており,しかも皮膚炎の重篤度に比例して低下する傾向がみられた.またツベルクリン反応陰性患者では同反応陽性者より単球の貪食能の低下が認めら飢た.しかし DNCB 感作成立群と非成立群の間には貪食能の差は認められなかった. 2)患者の単球と好中球の殺菌能は健康人との間に差はみられなかった.また lymphokine による単球の殺菌能の上昇率にも健康人との間に差は認められなかった.しかし貪食刺激を加えた場合の単球の殺菌能では健康人より低下していたが,これは患者の単球の貪食能の低下に附随した現症と考えた. 3)ツベルクリン反応 DNCB 感作試験の陽性率においては患者と健康人との間に有意差は認められなかったが,皮膚炎が重篤な症例でツベルクリン反応陰性例が多く認められた.
  • 余 幸司
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1129-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    Para-tertiary butyl phenol(PTBP)はそれを職業的に取り扱う人の皮膚に脱色素性病変を生ぜしめる. Harding-Passeyマウス黒色腫より抽出精製したtyrosinaseを用いて,その発生機序を生化学的に検索した.その結果,PTBPはDOPA-tyrosinase反応を阻害すること,そしてこの阻害作用はcompetitiveに働いていることを確かめた.更に,こうした阻害作用のメラニン産生細胞内のmelanosome形成に及ぼす影響を,培養鶏胚網膜色素上皮を用い,電顕的に検索した.その結果, PTBPは明らかにmelanosome形成に抑制的に働いており,その抑制作用はstageⅠからⅡ,Ⅲへの成熟過程に強いことが明らかとなった.この所見はPTBPによるtyrosinaseとmelanosomeの基本構造を含む蛋白合成の障害及びtyrosinaseに対しcompetitive inhibitor の作用に基づくものと考えられる.
  • 米良 修二, 下川 優子, 田代 正昭, 小野 友道
    1980 年 90 巻 12 号 p. 1143-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    1.臨床的に cutis laxa 様病変のみを呈した Pope の劣性 H 型の pseudoxanthoma elasticum の1例,25歳男子を報告した.2,光頭的には,典型的な pseudoxanthoma elasticum の像を示した. 3.電顕的には,弾力線維の石灰沈着,膠原線維の花模様状構造,変性細胞とその細胞質内の三種類の封人体を認めた.4.本邦報告例を自験例を含めて,文献的に考察を行い,電顕所見についても若干の考えを述べた.
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