日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
104 巻 , 11 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 矢口 均
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1329-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    菌状息肉症(MF)23例,Sezary症候群(SS)2例の皮疹部を用い,各種モノクローナル抗体(Leu-4抗体,Leu-2a抗体,Leu-3a抗体)で染色後,浸潤細胞のNCI(Nuclear contour index)およびヘルパー/サプレッサーT細胞比(CD4/CD8比)を測定し,対照皮膚疾患群(類乾癬,扁平苔癬,アトピー性皮膚炎,慢性湿疹等)のそれらと比較検討した.その結果,①MFにおいてCD4/CD8比は紅斑期(平均2.87),浸潤期(平均5.70),腫瘍期(平均9.18)と病期の進行に伴い増加し、SSではMFの腫瘍期とほぼ同様(平均9.04)の高値を示した.また,②対照とした皮膚疾患群におけるCD4/CD8比は平均2.04とMFの紅斑期よりも有意に低い値を示した.以上よりこの光顕的,免疫組織学的方法は比較的簡便な測定法にもかかわらず,MF,SSの診断・病期を知る上で有力な方法の一つであることが示された.次にMF,SSにおける各々の浸潤細胞のNCIを免疫電顕法にて測定し比較検討した.その結果,③ヘルパーT細胞即ちCD4陽性即ちCD4陽性細胞のNCIの方が,T細胞全体のマーカーであるCD3陽性細胞のNCIに比較して各病期において高値を示した.また,④MFの紅斑期における浸潤細胞のCD4陽性細胞中NCI6.5以上の細胞の占める比率は平均47.64%でCD3陽性細胞中NCI6.5以上の細胞の占める比率は平均43.98%であった.また,⑤対照皮膚疾患群におけるCD4陽性細胞のNICは平均4.93±0.08であり,就中NCI6.5以上の細胞の占める比率は平均12.10%であり,いずれもMF,SSの方が対照とした皮膚疾患群に比べ高値を示した.以上より,⑥腫瘍細胞自体であるヘルパーT細胞即ちCD4陽性細胞のNCI測定やNCI6.5以上を占める細胞比率(%)の測定はMF,SSを早期に診断し,進行度を知り得る上でCD3陽性細胞のそれらを測定する以上に有力な指標となるものと考えられた.
  • 吉川 康之, 元木 良和, 丸山 幸治, 小嶋 幸夫, 岩月 啓氏, 金子 史男
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1339-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    成人型アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)患者の血清中のinterleukin(IL)-6値と末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells;PBMC)をhouse dust mite(HDM)抗原で刺激し,IL-6産生量を測定した.AD患者PBMCはHDM抗原刺激により容量・時間依存的にIL-6を産生した.HDM(100ng/ml)刺激24時間後のIL-6産生量は,AD患者では2,634.7±852.3pg/mlであり,健常人(654.0±116.7pg/ml)およびAD以外の皮膚炎(nonAD)患者(853.1±188.2pg/ml)に比して有意に高値であった.一方,無刺激時のPBMC産生のIL-6はAD患者で465.9±83.7pg/ml,nonAD患者で377.2±63.5pg/mlであり,それらはともに健常人(188.7±54.3pg/ml)より高値であった.AD患者PBMCのIL-6産生量は皮疹の重症度と相関して増加した.しかしながら血中総IgE値あるいはHDM特異的IgE値との間に明確な関係は認められなかった.さらに,AD患者血清中のIL-6は通常人よりも高率に検出され,そのレベルも高い傾向が認められた.以上の結果から成人型AD患者の血清中にはIL-6が高く,またPBMCはHDM抗原刺激によりIL-6を過剰産生すると考えられ,このIL-6がADの病態形成に関与することが示唆される.
  • 秋山 尚範, 多田 讓治, 鳥越 利加子, 戸井 洋一郎, 森下 佳子, 神崎 寛子, 荒田 次郎
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1347-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者の皮膚病変部より分離されたStaphylococcus aureusの各種毒素・酵素産生性の検討を行い伝染性膿痂疹,dv・dv腫症由来株との比較を行った.1.Enterotoxin,toxic shock syndrome toxin-1産生性 Enterotoxin(SE),toxic shock syndrome toxin-1(TSST-1)のうち1つ以上の毒素を産生する株は伝染性膿痂疹由来株で10/30株(33.3%),dv・dv腫症由来株で20/23株,(87.0%),アトピー性皮膚炎由来株で101/149株(67.8%)であった.dv・dv腫症由来株ではSEA産生株を18/23株,(78.3%)に認めた.アトピー性皮膚炎由来株ではSEB産生株を80/149株(53.7%),SEA産生株を23/149株(15.4%)に認めた.SEBを産生するS. aureus80株中72株(90%)はそのtiterが16倍以上と比較的高力価産生株であった.2.カゼイン分解酵素活性 伝染性膿痂疹,dv・dv腫症由来株では40株すべてが酵素活性を認めた.アトピー性皮膚炎由来株では129/141株(91.5%)に酵素活性を認めた.3.API ZYMを用いた各種酵素産生性 伝染性膿痂疹,dv・dv腫症,アトピー性皮膚炎由来株とも酵素産生性に差は見られなかった.4.皮膚症状が重症のアトピー性皮膚炎症例より分離した7S. aureusのα,β,δ毒素産生性 α毒素は20/20株(100%),β毒素は12/20株(60%),δ毒素は17/20株(85%)に認められた.以上のごとくアトピー性皮膚炎の皮膚病変に定着したS. aureusはSE,特にSEBなどのスーパー抗原およびα,β,δ毒素を高頻度に産生した.皮膚病変部で産生されたこれらの毒素がアトピー性皮膚炎の増悪にどのように関与しているかは今後の課題である.
  • 平田 雅子, 坂崎 由朗, 宮野 径彰, 徳田 安章
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1353-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)48例全例から黄色ブドウ球菌(黄ブ菌)が検出され,皮膚性状別検出率は無疹部:40.7%,紅斑部:88.4%,苔癬化部:90.9%,糜爛部:90.1%,感染部:100%であった.黄ブ菌ファージ型別検出率は皮疹部総合では混合群(28.4%),Ⅲ群(16.4%)の順に高く,一般の湿疹皮膚炎群と同様であったが感染部でもⅢ群(28.6%)が最も多く,一般の皮膚感染症との相違を示した.またⅢ群の薬剤感受性は他のファージ型に比べ劣る傾向がみられた.AD表皮に多くの黄ブ菌が棲息していること,感染部を含めファージⅢ群が主体を成すことは本症における特徴的所見と思われる.また以上は合併感染症のみならず黄ブ菌キャリア―としての観点からもADの管理上注意を要する点であると思われる.
  • 星野 稔, 関根 康生, 高橋 久恵, 岩田 充, 本村 幸子, 大塚 藤男
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1361-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    1992~1993年の1年間に筑波大学附属病院皮膚科を受診した.18~39歳までのアトピー性皮膚炎初診患者58例について,眼科的検査・皮膚症状の評価・各種臨床検査を施行した.58例中アトピー性白内障を合併するものが9例(15.5%)あり,そのうち3例は網膜]R離も併発していた.アトピー性白内障は全身および顔面の皮膚病変が高度な症例・血清LDH値上昇が顕著な症例・吸入抗原を主体とした多数のアレルゲンに感作されている症例に,合併頻度が高かった.アトピー性白内障は若年者に視力障害を引き起こす可能性もあるので,中症および重症アトピー性皮膚炎患者の診療においては,自覚症状の有無にかかわらず眼科的検査を行うことが重要であると考えた.
  • 片桐 崇行, 横山 浩治, 小磯 一郎, 松上 道雄, 中野 博行
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1367-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    クマリン配糖体の1つであるesculinに,B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑性作用が認められた.esculinは細胞増殖に影響を与えない濃度でメラニン産生を可逆的に抑性し,その力価は約10μMであった.HPLCを用いたメラニン定量の結果,esculinは細胞当たりのユーメラニン生成を特異的に抑性し,フェオメラニンには影響を与えなかった.さらに,esculinは細胞のDNA合成・タンパク合成活性にも影響しないことが示された.esculinのチロシナーゼ粗酵素に対する試験管内での活性阻害能はIC50=10mMと,培養系に比較して著しく高濃度であったため,直接的なチロシナーゼ阻害以外の作用機序が想定された.そこで,チロシナーゼのアイソザイム分析並びにノーザンハイプリダイゼーションを行ったところ,esculin濃度に依存したT3,T1アイソザイム活性の低下とチロシナーゼmRNA発現量の減少が認められた.以上の実験結果から,esculinの主要な作用機序として,チロシナーゼ遺伝子の転写レベルでの抑性によるチロシナーゼタンパクの生合成阻害が強く示唆された.
  • 野田 俊明, 川田 暁, 比留間 政太郎, 石橋 明
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1373-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    光線テストにより多形日光疹と診断した9例について,原病巣と誘発皮疹を病理組織学的に検討した.誘発はUVBの2MED(minimal erythema dose,最小紅斑量)の反復照射でおこなった.原病巣の表皮には,5例に海綿状態を,7例に軽度の液状変性を認めた.誘発皮疹では,6例に海綿状態,8例に液状変性を認めた.症例ごとの組織所見の再現性をみると,表皮では液状変性が8例で一致していたが,それ以外の所見は一致例が3例以下であった.真皮には,原病巣,誘発皮疹とも血管周囲性にリンパ球を主とする稠密な細胞浸潤が全例に認められ再現性も高かった.真皮の細胞浸潤のみならず,表皮の液状変性はPLEに特徴的な所見と思われた.また海綿状態と合わせて発症機序解明のためにも,本症において表皮変化は重要であると考えられた.
  • 野村 和夫, 佐藤 静生, 橋本 功, 中村 敏也, 石倉 一夫
    1994 年 104 巻 11 号 p. 1379-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    Werner症候群の姉弟で尿中ヒアルロン酸が陰性だった例を報告した.姉は26歳,身長141cm,体重33kg.異様に細い四肢と皮膚硬化,疎な頭髪,白内障,糖尿病あり.弟は22歳,身長156cm,体重41kg.やはり細い四肢と皮膚硬化,高音声調,尖った鼻,疎な頭髪,白内障,糖尿病あり.姉弟とも年齢に比して老けた印象の顔貌である.四肢長管骨の発育不全あり.セルロースアセテート膜電気泳動による尿グリコサミノグリカン分析では両例ともヒアルロン酸は認められなかった.Werner症候群において,これまでヒアルロン酸を検索した報告例では全例陽性である.自験例はWerner症候群の確実例と考えられたにもかかわらず,尿ヒアルロン酸は陰性であり,Werner症候群のグリコサミノグリカン代謝には多様性があるものと推察された.
  • 1994 年 104 巻 11 号 p. 1385-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top