日本皮膚科学会雑誌
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103 巻 , 8 号
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  • 伊藤 信夫, 金子 史男
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1037-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    乾癬の皮疹には,初期疹から炎症性単核細胞の浸潤が認められる.これらの浸潤した単核細胞はT細胞が有意に多く,抗ヒトγ-interferon(IFN-γ)モノクローナル抗体で染色される細胞が含まれる.さらに真皮乳頭上部にはIFN-γの沈着像が観察される.このことからわれわれは炎症性浸潤細胞により表皮細胞が受ける影響をみるため,実験的に正常ヒト角化細胞(HKC)にrecombinant IFN-γ(rIFN-γ)を加え培養し,その作用を検討した.HKCはrIFN-γの濃度と作用時間に依存して増殖は抑制された.Flowcytometryにより測定したDNA patternからはS期とG2M期の細胞が増加していたが,光顕的観察では分裂期の細胞の割合が減少していた.一方,培養細胞のcyclic AMP量は増加していることから,細胞はG2期に停止していることを示していた.これらのHKCに対する実験結果から乾癬組織の特徴的な延長した真皮乳頭直上の菲薄化した表皮細胞層は,蓄積されたIFN-γの影響を受けて細胞分裂が抑制されるために起きた可能性が示唆された.
  • 市川 栄子, 渡辺 晋一, 大塚 藤男
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1043-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    皮膚有棘細胞癌のサイトケラチンとインボルクリンの免疫組織学的発現形態(分化)からみた特徴を明らかにする目的で,29例の症例について腫瘍細胞におけるサイトケラチン,インボルクリンの発現をそれぞれに対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を用いて検討した.高分化型の有棘細胞癌では分化した表皮細胞を染色する抗体で染色されたが,未分化な有棘細胞癌ではこれらの抗体による染色性は減弱し,有棘細胞癌のリンパ節転移巣では陰性であった.また未分化な有棘細胞癌の異型性の強い細胞や,リンパ節転移巣では単層上皮型ケラチンおよび粘膜上皮型ケラチンの発現が認められた.以上の染色結果から,皮膚有棘細胞癌におけるサイトケラチンの発現は腫瘍細胞の未分化度によって変化し,単層上皮型ケラチンや粘膜上皮型ケラチンの発現は有棘細胞癌の組織学的悪性度の指標となりえることが示された.
  • 松田 真弓, 今村 優子, 昆 宰市, 佐々木 功典
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1053-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    抗PCNAモノクローナル抗体を用いて皮膚色素性腫瘍の免疫組織化学染色を行った.正常皮膚を含めた色素性母斑,悪性黒色腫の各疾患のPCNA陽性率(growth fraction:GF%)とそれぞれの生物学的態度との関連性,さらに悪性黒色腫ではいくつかの組織学的パラメーターとの関連性につき検討を行った.正常皮膚ではGFの平均値;3.52±2.4%,Spitz nevus,dysplastic nevus,母斑細胞性母斑を合わせた色素性母斑では10.9±3.0%,悪性黒色腫では23.8±9.8%であり,各疾患群の生物学的態度を反映する結果を得た.悪性黒色腫では組織学的パラメーターの一つであるBreslowのtumor thickness とGF値は比較的よい相関傾向を示した.なお末端黒子型黒色腫の症例に同一腫瘍内heterogeneityが観察された.
  • 菊池 かな子, 藤本 学, 尹 浩信, 佐藤 伸一, 玉木 毅, 五十嵐 敦之, 相馬 良直, 竹原 和彦, 石橋 康正
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1061-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    男性汎発性強皮症(SSc)の臨床的特徴を明確にすることを目的とし,臨床所見,検査所見につき自験男性SSc 19例及び女性SSc 181例を比較検討した.男性例は高齢で発症するが,推定発症時より初診時までの期間は短く,進行が急速であることがうかがわれた.Barnettの分類に関しては男性例はType Iが少なく,Type IIIが半数以上を占めることが示された.その他男性例の特徴としてRaynaud現象を欠く例が高率であり,関節症状,心電図異常,食道機能低下の出現率が高いことが見い出された.抗核抗体に関しては抗セントロメア抗体陽性率が低く,抗核抗体陰性率が高い点が特徴的であった.更に4例に好酸球増多と瘙痒性皮疹の先行が認められた点が注目された.以上述べたごとく男性例は汎発性強皮症としては非定型的症例が多いことが示された.
  • 大山 克巳
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1067-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎(AD)患者100例(5歳~30歳)に対してスギ花粉を用いたas isパッチテスト(ASPT)とスクラッチPT(SPT)を施行した.その結果ASPT陽性例は2例のみであり,SPT陽性例は17例であった.ASPT陽性の意義については,スギ花粉症患者では決して陽性とならないのでスギ花粉が関与する皮膚炎にかなり特異的と思われた.SPT陽性の意義については,スギ花粉症患者17例中5例が陽性となった.しかしスギ花粉の最大飛散日とADの増悪が一致し,同時に初めて鼻炎,咽頭炎症状が出現した1例を経験し,SPT陽性例も症例によって意味があるものと考えられた.これらの事からスギ花粉がADの春の増悪因子の1つである事は間違いないものと思われる.
  • 原 一夫, 松本 義也, 大橋 勝, 後藤 重巳
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1075-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    7歳男児の足底に生じた,いわゆる皮膚混合腫瘍の1例を報告した.本例は年齢および発生部位の点から稀な例と考えられる.病理組織学的およびパラフィン切片を用いた酵素抗体法による検索結果から,本例はエックリン汗腺への分化を示した皮膚混合腫瘍と考えられた.なお,免疫組織学的ないし電顕所見からは明らかな筋上皮細胞への分化は認められなかった.
  • 富沢 幸生, 小泉 洋子, 松村 哲理, 熊切 正信, 大河原 章
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1083-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    52歳,男性.精神分裂病のため1957年から入院加療中.入院時からフェノチアジン系薬剤を内服している.少なくとも8年前には顔面の色素沈着に気付かれている.初診時,顔面,両手背にスレート状の色調を帯びた褐色の色素沈着が認められた.HE染色で,真皮上層の血管周囲に,顆粒状で内部が無構造の,淡褐色色素の沈着がある.電顕による検索では,血管周囲のマクロファージの中に,直径数μまでの電子密度の高い顆粒状物質が貪食されていた.同様の顆粒はエクリン汗腺の分泌部に近い導管部にも認められた.エクリン汗腺分泌部に近い部の導管細胞内の顆粒は,マクロファージ内のものと比較して,電子密度が低かった.同顆粒のX線微量元素分析では,硫黄のピークがあり,フェノチアジン由来であることが示唆された.真皮深層にみられた顆粒は電子密度が低く,光顕的には色素顆粒としてとらえられず,日光照射によりフェノチアジンに化学的変化かおこり,電子密度の高い顆粒が形成されると考えられた.市立江別総合病院精神科解放病棟入院中の患者129名のうち,フェノチアジン系薬剤を内服している患者は54名で,その中でスレート状の異常色素沈着のある者は自験例を含めて2名であった.
  • 近兼 健一朗, 高橋 洋文, 石橋 明
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1091-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    本態性血小板血症を伴う肢端紅痛症の45歳の男性例を報告した.左足の母趾の末梢動脈の閉塞を伴っており,温熱負荷試験では,左足の疼痛が増強し,皮膚温も上昇した.臨床的にはシロスタゾール,アスピリンの内服が奏効した.悪化時は血小板固有蛋白のPF-4,β-TG値が著明に増加し,臨床症状の改善と共に低下したものの,なお高値に留まり,正常化には血小板数の減少が必要であった.
  • 尹 浩信, 下妻 道郎, 佐藤 伸一, 竹原 和彦
    1993 年 103 巻 8 号 p. 1095-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
    超音波診断装置(Bモード,30MHz)を用いて,全身性強皮症患者7例および正常人20例の前腕伸側および胸部の皮膚厚を測定し,比較検討した.臨床的に皮膚硬化を認めない前腕伸側及び胸部においても全身性強皮症患者の皮膚厚は正常人に比較して有意に肥厚していることが示された.以上の結果より,超音波診断装置による皮膚厚の測定は,本症の早期病変を非侵襲的に把握するのに有用な方法であると考えられた.
  • 1993 年 103 巻 8 号 p. 1099-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル フリー
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