日本皮膚科学会雑誌
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109 巻 , 14 号
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  • 岩月 啓氏
    1999 年 109 巻 14 号 p. 2189-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    Epstein-Barr(EB)ウイルスはヘルペスウイルスに属し,幼少期の初感染は不顕性感染のことが多いが,思春期の感染では伝染性単核症をおこしたり,ときにGianotti-Crosti症候群やウイルス関連血球貪食症候群を起こすことがある.EBウイルスの潜伏感染は,アフリカのBurkittリンパ腫,上咽頭癌,移植後リンパ腫,末梢NK/T細胞リンパ腫,慢性活動性EBウイルス感染症,胃癌,膿胸関連リンパ腫や免疫不全患者の平滑筋肉腫などに検出される.最近,われわれは皮膚のEBウイルス関連リンパ腫の臨床病理学的特徴を検討した.その研究をとおして種痘様水疱症や,それに類似した重症型皮疹をとり悪性変化をきたす症例がEBウイルスの潜伏感染と関連していることを見い出した.EBウイルス関連リンパ腫はアジアに頻度が高く,欧米ではまれである.EBウイルスの病因的意味はいまだに十分には解明されていないが,潜伏感染時に発現されるウイルス遺伝子産物が細胞の不死化に関係した生物学的活性を有することが知られている.また,EBウイルスは宿主の免疫監視機構を回避し,ウイルス感染を維持する巧妙な方略を用いていることもわかってきた.
  • 竹之内 辰也, 野本 重敏, 伊藤 雅章, 勝海 薫
    1999 年 109 巻 14 号 p. 2197-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    皮膚原発悪性黒色腫89例を対象として,TNM分類におけるtumor thicknessとlevelの適合度,予後因子としての両者の重要性の比較検討を行った.現行のpT分類におけるthicknessとlevelの一致率は58.4%で,thicknessがlevelを上回って不一致となった症例が32.6%を占めていた.Kaplan-Meier法による単変量の生存分析では,thickness(p<0.0001),level(p=0.0023)ともに有意な予後因子であったが,thicknessを2層に分けた層別解析では,thicknessが3.01mm以上におけるlevelの有意性は認められなかった(p=0.48).thickness,level,年齢,性別,部位,病型,前治療歴および転移の8因子による比例ハザードモデルでは,stepwise法により転移(p=0.005),次いでthickness(p=0.021)のみが有意な予後因子として選択された.近年の欧米における複数の大規模な統計解析で.pT分類からのlevelの削除が提案されており、今回の我々の結果もそれを支持するものと思われた.
  • 西嶋 攝子, 近藤 雅子, 山岸 和夫, 井上 陽子
    1999 年 109 巻 14 号 p. 2215-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    数年間両下腿に交互に壊疽性膿皮症を繰り返していた男性例において、皮疹悪化時にぶどう膜炎による視力障害と網膜の循環時間遷延の合併をみた.本症の病因は未だ不明であるが,50%以上に全身性疾患を合併すると言われており、これまで多くの合併症が報告されてきた.しかし眼合併症の報告はほとんどない.自験例を含む多くの本症では,わずかな外的刺激が誘因となって潰瘍に進行しており,このことはBehcet病などと同様の生体側の反応性亢進状態(hyperreactive)の存在が示唆される.自験例ではぶどう膜炎の合併がみられ,皮膚症状と眼症状の病勢がほぼ一致していたことは,本症とBehcet病の類縁性を想定する上できわめて興味深い現象と考えられた.
  • 松下 明子, 高野 政彦, 渋谷 倫子, 渡邉 修一, 比留間 政太郎, 小川 秀興
    1999 年 109 巻 14 号 p. 2227-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    重症のツツガムシ病の1例を報告し,新潟県長岡赤十字病院において昭和63年から平成9年の10年間に治療を行ったツツガムシ病の20例を集計した.症例は83歳,女性.意識障害を伴う発熱で受診し,背部に黒色痂皮を付着する刺し口疹を認めた.播種性血管内凝固症候群(Disseminated Intravascular Coagulation:DIC),急性腎不全,間質性肺炎を併発しており,塩酸ミノサイクリン,メシル酸ガベキサートの投与、血液透析,ステロイドパルス療法を施行した.長岡赤十字病院の過去の20例のうちDICスコアで6点以上のものは5例,うち2例で腎不全を合併し血液透析,血漿交換を行った.ツツガムシ病は,テトラサイクリン系の投与により劇的に軽快するが,治療が遅れるとDICを併発し重症化することがあるので注意が必要である.自験例は重症例であり,かつ救命し得た数少ない症例である.
  • 山本 純照, 宮川 幸子, 白井 利彦, 竹中 英昭, 成田 亘啓
    1999 年 109 巻 14 号 p. 2229-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    61歳,男性.1948年から1991年まで43年間アスベスト工場に勤務.1992年5月に微熱,咳嗽,喀痰が出現し,経気管支肺生検等の結果,石綿肺と診断された.また,同年6月から両側手指の腫脹が生じ,Raynaud現象および皮膚硬化も生じてきたため皮膚生検を行い全身性強皮症と診断.以後プレドニゾロン維持療法にて肺症状も含め経過を観察していたが,1996年8月に悪性腹膜中皮腫を認め,同年9月に腎不全を合併して死亡した.石綿肺をはじめとする塵肺症に自己免疫疾患が高率に合併し,塵肺症はヒトアジュバント病の観点からも捉えられている.今回我々は,強皮症が石綿肺に続発し悪性腹膜中皮腫により死亡した1例を経験したが,経過中に悪性中皮腫にまで至った症例は極めて稀であると思われた.
  • 畑 三恵子, 秋本 眞喜雄, 川名 誠司, 三浦 祐理子, 沼野 香世子, 岩切 加奈, 弓削 真由美, 尾見 徳弥
    1999 年 109 巻 14 号 p. 2237-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    ビデオカメラと画像解析装置を組み合わせて非接触での皮膚色測定装置,すなわちImage Colorimeterを開発し,皮膚色の定量的解析を試みた.測定部位画面内のRGB情報から均等色空間に変換して皮膚色を表現した.正常皮膚で測定精度を確認して皮膚色の定量的計測に有効であることを確かめた.また,皮膚病変部を画像として保管することができ、測定したい部位も画面を見ながら選択できるため,測定部位や測定領域の確認が簡単であるなど従来の測定器にない利点がある.したがって,本手法は診断や治療効果の判定に有用であり,十分に日常診療に応用できる.
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