日本皮膚科学会雑誌
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104 巻 , 7 号
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  • 高橋 博之, 斎藤 和哉
    1994 年 104 巻 7 号 p. 839-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    種々の腫瘤細胞に分化を誘導するphenotypicmodifiersの一種であるhexamethylene bisacetamide(HMBA)にて培養ヒト國腫細胞を処理し,誘導される細胞形質の変化につき検討した.細胞増殖は濃度依存性に抑制されるものの,明らかな形態的変化は認められなかった.色素合成経路は,Dopa酸化能を2種の方法にて検討したが,いずれも対照の約50%までの抑制を示した.Western blot法ではTRP-1,PKC,および癌遺伝子関連蛋白(c-METならびにp53蛋白)の発現抑制がみられたが,PCNAおよびc-KITには著明な変化を示さなかった.したがって,HMBAの作用は限られた種類の蛋白合成あるいは分解調節に関わるものと考えられ,HMBAを含むいわゆる分化誘導剤の効果判定にはTRP-1およびp53蛋白の変化が有用なマーカーとなる可能性が示唆された.
  • 小島 洋子, 石川 治, 宮地 良樹
    1994 年 104 巻 7 号 p. 847-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    強皮症患者血清中の抗トポイソメラーゼⅠ抗体(以下,抗トポⅠ抗体)および,抗セントロメア抗体(以下,抗セ抗体)の免疫グロブリンクラスをリコンビナント蛋白を用いたELISA法で解析し,従来の二重免疫拡散法,間接蛍光抗体法との間の一致率を比較し,さらに臨床症状との関連性について検討した.二重免疫拡散法で抗トポⅠ抗体陽性血清10検体のクラス別出現頻度はIgGクラス100%,IgAクラス70%,IgMクラス30%であった.これに対し,二重免疫拡散法で抗トポⅠ抗体陰性血清57検体では3検体が陽性を示した.一方,抗セ抗体に関してはHEp-2細胞を基質とした間接蛍光抗体法で陽性と確認された22検体のクラス別抗体出現頻度はIgGクラス100%,IgAクラス45%,IgMクラス41%であった.これに対し,間接蛍光抗体法で抗セ抗体陰性血清42検体では10検体が陽性を示した.抗体クラスと臨床症状との関連性については,抗トポⅠ抗体では検討した項目との間に関連性は無かったが,抗セ抗体では複数のクラスの抗体が共存する症例はIgGクラス単独症例に比べ,有意に食道蠕動能低下の頻度が高かった.ELISA法は従来の抗トポⅠ抗体や抗セ抗体の検出法に比べ感度は同等ないしそれ以上であり,抗体を免疫グロブリンクラス別に迅速かつ簡便に検出できる点で優れた方法と考えられた.しかし,特異性に関しては若干の問題が残されており,最終判定にあたっては,臨床所見を勘案しながら間接蛍光抗体法の染色パターンやイムノプロット法などで確認する必要があると考えられた.
  • 打和 秀世, 平野 真, 小野 靖子, 村上 梅司, 太田 実, 海老名 卓三郎
    1994 年 104 巻 7 号 p. 855-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    傷んだ毛髪に特異的に結合し,保護する物質として,ヒト毛髪ケラチン蛋白で免疫した兎抗体を利用することが出来た.ヒト正常毛髪から分子量40~70KDのケラチンを精製し,その2mgを完全アジュバントと共に兎の皮下に3回免疫した後,最後に耳静脈より追加免疫し,1週間後採血し,抗体を得た.抗体価がELISA法で免疫前103以下であったものが5.5×105に上昇していた.この抗体は毛髪ケラチンと結合し,表皮ケラチンには結合しない特異性を示した.又,この抗体はヒト正常毛髪に結合するが,特に次亜塩素酸ナトリウム処理やブラッシング処理した損傷毛髪に多く結合することがわかった.兎抗ヒト毛髪ケラチン抗体ヒト毛髪ケラチン抗体で処理した毛髪は非免疫抗体やPBSで処理した毛髪に比べ有意に破断強度が強くなっており,この抗体の毛髪保護作用を示した.
  • 三野宮 文子, 仲由 武實, 中島 祥吉
    1994 年 104 巻 7 号 p. 861-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    ウサギ皮膚欠損創モデルを用いたin vivoの実験系を用いて創傷治癒の異なる時期におけるocclusive dressingの有用性について検討した.occlusive dressingとして,ハイドロコロイド系創傷被覆材・アルカスドレッシングを用い,ガーゼ・ドレッシングによるドライ処置と比較した.なお,炎症期および増殖期におけるocclusive dressingの有用性を個別に検討するために,①ハイドロコロイド系創傷被覆材のみ,②炎症期(4日間)はガーゼ・ドレッシング,増殖期以降(5日目以降)はハイドロコロイド系創傷被覆材を使用,③ガーゼ・ドレッシングのみ,の3群で比較検討した.その結果,炎症期のocclusive dressingは創傷治癒を抑制するが,増殖期のocclusive dressingは著明な創傷治癒促進作用を有することが示された.増殖期におけるocclusive dressingの創傷治癒促進作用の機序として,増殖期の創傷部滲出液には創傷治癒を促進する液性因子が豊富に含まれていることが考えられた.また臨床実地上は,創傷形成より数日を経過した創傷部位に対してはocclusive dressingの使用を考慮すべきであると考えられた.
  • 小関 伸, 安齋 眞一, 近藤 慈夫, 橋本 秀樹, 麻生 和雄
    1994 年 104 巻 7 号 p. 869-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    1976年10月山形大学医学部附属病院の開院から1993年2月の約16年間に山形大学で経験した口唇有棘細胞癌18例につき,同時期に経験した口唇以外の有棘細胞癌47例と,臨床像,病理組織,治療,予後において比較検討し,統計的観察を行った.部位別では全有棘細胞癌中,口唇は最多の27.7%を占めた.初診時平均年齢と発病より初診までの期間は両者で差は見られなかった.また前駆病変としては,口唇有棘細胞癌では熱傷瘢痕,外傷性瘢痕は見られず,日光性口唇炎が3例で見られた.臨床分類では口唇有棘細胞癌は乳頭状癌,口唇以外の有棘細胞癌では乳頭状潰瘍癌が多く,また病期分類,組織分類上は両者の間に差異は認められなかった.口唇有棘細胞癌18例中,Abbe flap法を5例に試みたが美容的機能的に優れ,かつ手技も簡単であり有用な手術法と考えられた.初診後,口唇有棘細胞癌では腫瘍死は1例と良好は経過をたどっている.
  • 片山 一朗, 横山 明子, 松永 剛, 横関 博雄, 西岡 清
    1994 年 104 巻 7 号 p. 875-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    重症の顔面皮膚炎を持つアトピー性皮膚炎患者に対する脱ステロイド外用療法の評価を行った.対象は68名の入院患者とし,亜鉛華軟膏の面包帯療法,ないし白色ワセリン,白色ワセリン亜鉛華軟膏混合軟膏の単純塗布を主体とした治療を行った.3分の1の症例において退院後1年以上顔面の皮膚炎の再燃は見られれなかったが残り3分の2の症例においては一年以内に再燃する傾向が見られ,うち10名では増悪時ステロイドの外用が必要であった.この再燃率は顔面の皮膚炎の持続期間,顔面に対するステロイド軟膏の使用期間と比較的よく相関する傾向が見られたが,血清IgE値,使用ステロイド軟膏の強さ,入院期間との間には特に一定の傾向は見られなかった.今回の検討においては30歳以下の患者が9割以上を占め,その増悪因子も多様であった.なお入院時および経過中,9例に白内障の合併が見られた.
  • 傳寶 憲一, 佐々木 哲雄, 中嶋 弘
    1994 年 104 巻 7 号 p. 881-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    最近開発された皮膚粘弾性測定機CutometerRを用いて全身性強皮症(PSS)患者の皮膚硬化度を定量的に測定し,その有用性を健常対照者と比較検討した.健常者,PSS患者とも伸展能,退縮能,皮膚弾力性は頬部が最も良く次いで手背,前腕伸側の順であった.PSS患者では健常者より伸展能が低下し,前腕伸側,頬部で有意差がみられた.退縮能各部位で健常者より低下し,手背,頬部で有意差がみられた.皮膚弾力性では両群間に有意な差は見られなかった.以上より,本装置はPSS患者皮膚硬化度の定量的評価に有用であることが示唆された.
  • 新田 悠紀子
    1994 年 104 巻 7 号 p. 885-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
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    第1子,女児.生下時より左第2肋間に収縮期雑音あり,顔面およびタ至イに環状紅斑を認め,抗核抗体,抗SS-A,SS-B抗体陽性,新生児エリテマトーデスと診断.心雑音は生後4ヵ月で消失し,機能的肺動脈枝狭窄と考えられた.皮疹,抗SS-A,SS-B抗体も生後7ヵ月で消失した.第2子,男児.第1子の3年後に誕生.生下時より第3~4肋間に収縮期雑音あり,顔面およびタ至イに環状紅斑を認め,抗SS-A,SS-B抗体陽性にて新生児エリテマトーデスと診断.心雑音は心エコーにて心室中隔欠損によるものと考えられた.生後1ヵ月後,自然閉鎖した.環状紅斑,抗SS-A,SS-B抗体は8ヵ月後に消失した.母親は,第1子を29歳時,第2子を32歳時に出産.抗核抗体,抗SS-A,SS-B抗体陽性.小唾液腺生検にて導管部に小円形細胞の浸潤を多数認めた.乾燥症状,皮疹ともなく,subclinical Sjogren syndrome(以下SjSと略す)と診断した.
  • 小林 裕明, 小川 夏樹, 中内 洋一
    1994 年 104 巻 7 号 p. 893-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
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    Rheumatoid neutrophilic dermatitis(以下RND)の1例を報告した.症例は64歳,女.59歳時より,慢性関節リウマチ,リウマチ肺にて通院中.プレドニゾロン5~15mg/day内服中.平成2年9月頃より,両足,大腿,下腿,殿部に小水疱,血痂を伴う暗紫紅色斑が出没.平成4年4月より皮疹が拡大.水疱辺緑部の生検にて,表皮下水疱と真皮全層に核破壊を伴う好中球の浸潤を認めたが血管炎は認められなかった.臨床像及び組織像より,本症例をRNDと診断した.皮疹はコルヒチン内服が著効を示した.
  • 1994 年 104 巻 7 号 p. 899-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
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