日本皮膚科学会雑誌
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71 巻 , 3 号
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  • 堀江 徹也
    1961 年 71 巻 3 号 p. 221-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    白癬の病原真菌中,趾間菌と星芒状菌については從来これらを別個に独立した菌種とするか,或はこれらを同一菌種とするか,種々の議論がある.近年特にアメリカの医真菌学者は同一菌種とし,Trichophyton mentagrophytes中のtype asteroidesとtype interdigitaleとに分類しているが,ヨーロッパおよび本邦では臨床的見地から兩者を別々に分けてTr.asteroides(星芒状菌)とTr.interdigitale(趾間菌)の名稱が慣用されている.蓋しこれら兩菌種間にはその臨床病型,培養の肉眼的或は顯微鏡的形態,動物接種の難易などの点につき或は少しく相違するところがあり,或は全く同じところもあるが,余は兩菌種について臨床的,菌学的に詳細に比較檢討し,兩者の異同について何等かの結論に到達しようと志した次第である.皮膚糸状菌の分類中,最も古く且つその後の分類学的研究の基礎となつているのはSabouraudの分類であるが,その基準とするところは皮膚糸状菌の毛髪に寄生する状態により属を分ち,培養集落の外観,その顯微鏡的形態を標準とし,更に動物接種の難易を參照とするものである.然しその後始め互に異なつた種として分類,記載されていた皮膚糸状菌中動物実驗や顯微鏡的形態などから,種々の類似点が見出され,若干の菌種に整理統一されてきた.この皮膚糸状菌の分類が統一,簡單化される過程において幾多の医真菌学者がその理由について私見を述べている.Grigorakは「Sabouraudに分類されているある種は他の種のlife cycle中における一過程である.」という考えを一部分類の基礎としている.又DodgeはEctodermophytonについて「此の屬は他の屬の変異を来して出来たものと考える.」と述べている.太田もSabouraudの種の概念は余り煩瑣で,それが一つ一つ確実に別種であるかは疑問である.或る種の如く,例えばSabouraudのTr. gypseum,Tr. niveum群中の数種は寧ろ1種と思われ,又Tr. glabrumの如きはTr. violaceumの変種であると記載している.このGrigorak,Dodge,太田などの考えを実驗的に研究したものにはCatanei(1930),Emmons(1932),Langeron et Talice1)(1930)などがある.EmmonsはAchorion gypseumとTrichophyton gypseum lacticolorの実驗で,現在分類上確立している皮膚糸状菌の種は他の不安定な種の変異株に過ぎないと述べ,Aravijsky,Kaskin,Paldrokは現行の屬および種は一定性を有さないとする考えを基礎として糸状菌を分類している.PaldrokによればEmmonsおよびConant et al.による菌種は一定性を欠き,その凡てが互に移行する.例えばMicrosporon gypseumは猩紅色菌に変じ,またTr. violaceumに,ときにはTr. ferrugineumやEpidermophyton floccosumにも移行する.即ちMicrosporumの1屬しかないという極端に單一化された分類式もある.以上の如くSabouraudによつて始められた皮膚糸状菌の分類が培養形態を基礎とする分類法に変つてから,漸次屬および種の統一化が行われ,現在の分類法では菌種間の顯著な差が余りなく,性状の移行し得る菌は一括して,その基本的性質だけで菌種を分類しようとする傾向が強い.次に星芒状菌と趾間菌の分類学的変遷について述べると,星芒状菌は1896年Tr. mentagrophytes(Robin)Blanchardと名付けられ,Sabouraudによる分類ではEctothrix中のMicroidesに相当する.Langeron et Milochevitchの分類に從えばgenus Ctenomyces
  • 久保 善一
    1961 年 71 巻 3 号 p. 252-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    表皮の細胞内に存在し,且つこれを貫通して,相隣接する細胞を恰も連結するかの様に走行する線維が存在する.これを上皮線維と呼ぶが,1892年Kromayerがその確実な染色方法を発表して以来,多数の研究者により追究されてきた.即ち,その染色方法を始めとして上皮線維系の構造乃至形態,或はその意義づけについては多くの研究者により論ぜられている所である.然し乍ら上皮線維系の構造,形態についてさえ,今日もなお十分明らかに記載され盡したとはいい難い.本邦においては,これに関する詳細な研究は殆どみられなかつたが,ごく最近森によつて正常皮膚並びに二,三の皮膚疾患における上皮線維についての業績が発表された.それとは全く無関係に,著者も亦主として各種の上皮性皮膚腫瘍において研究を行い,そこにみられる上皮線維につき比較檢討して幾多の所見を得た.著者の研究対象としたのは,僞上皮腫性増殖,老人性疣贅,黒色上皮腫(太田),基底細胞癌,レントゲン潰瘍,老人性角化腫,Bowen氏病,異型上皮腫及び有棘細胞癌である.
  • 笹井 陽一郎
    1961 年 71 巻 3 号 p. 274-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    水疱形成は多くの皮膚疾患にみられる重要な症候の一つであり,その発生機転究明に関しては数多い業績があるにも拘わらず詳細は尚不明である.Leverは病因ならびに水疱の位置から水疱症を分類して両者を関係づけた.しかるにPercivalおよびHannayは天疱瘡,Duhring氏疱瘡状皮膚炎,多形滲出性紅斑の水疱について組織学的に検討を加えた結果,之等三症に於ては水疱は何れも表皮下にあり,水疱の位置には疾患特異性がないと述べ(Leverによれば前者は表皮内水疱であり,後三者は表皮下水疱である),Jarrettは蛍光顕微鏡による観察からDuhring氏疱瘡状皮膚炎の場合にもアカントリーゼがみられるとして,Civatteがアカントリーゼをもつて天疱瘡の特異所見とみなした意見に反対し,水疱の位置とその発生機転との関係に疑問を提出している.しかるにStuttgen,Stoughton,ProseおよびBareらの酵素学的検索は表皮内水疱と表皮下水疱の場合とで水疱内容液に含まれる酵素の種類およびその活性に差のあることを示しており,Beekは水疱内容蛋白分劃に差のあることを述べ,HerzbergおよびRohdeは組織培養に於て水疱内容液を培地に添加することにより観察される細胞溶解には水疱症の間に差のあることを認め,更にNieumeijerは偏光顕微鏡的に,Mianは位相差顕微鏡的に何れも疾患により所見の異なるのを観察した.
  • 原子 一郎
    1961 年 71 巻 3 号 p. 285-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    動物及び人体に於けるビタミンの重要性が認識されて以来,各種ビタミンに就いての実験乃至臨床的研究が進められ,今日まで幾多の業績が輩出している.然しながら各種ビタミンの体内に於ける代謝の過程は,複雑多岐にわたり未だ充分に解明されているといい難い.特に抗ペラグラ因子として知られているビタミンB群の一つであるニコチン酸(以下NiAと略す)に就いての研究は,内外に於いて比較的少ない.偖て,本邦に於いてはKonig反応に基くNiA測定法が藤田,能勢,川島,桂・榊田,永山等によつて検討され,実用に供されたが,人体或いは動物の血中及び尿中NiA或いはその誘導体乃至代謝産物を系統的に測定したのは,榊田,苫米地,藤垣,田中及び茂木等を挙げ得るに過ぎない.この間皮膚科領域に於いては,血中のPyridine nukleotideと尿中のN'-MethyInicotinamide(NMA)の測定を主とした藤垣の報告をみるのみである.私は各種皮膚疾患患者の血中及び尿中NiAの変動を,主としてNiA負荷により追及し,その代謝の一端を知ろうとしたが,ここでは先ず,健康人に就いて,血中及び尿中NiAを測定して,季節的変動及び日内変動,更にNiA負荷による経時的変動等を併せて観察し,若干の知見を得たので報告する.
  • 原子 一郎
    1961 年 71 巻 3 号 p. 293-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    前篇に於いて,私は健康人血中ニコチン酸(NiA)値はこれまでの報告よりも個人差が大であり,且つ一日のうちでも生理的変動がみられ,又季節的変動,即ち冬季より夏季に低値を示すものが多く,色黒群では色白群よりも高値を示すものが多いことなどの知見を述べたが,今回は色素異常症に於ける測定成績に就いて報告する.
  • 原子 一郎
    1961 年 71 巻 3 号 p. 300-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    先に私は,健康人及び各種色素異常症に於ける血中ニコチン酸(NiA)測定成績につき,若干の報告を行なうと共にNiA負荷後の血中及び尿中NiA濃度の経時的変動の追及によつて,より明確にNiA欠乏乃至代謝障碍を判定し得ることを述べたが,今回は更にペラグラを始め所謂ビタミンB2欠乏性皮膚疾患,反応性皮膚疾患,その他に於ける同様の検索成績に就いて報告する.
  • 1961 年 71 巻 3 号 p. 313-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
  • 1961 年 71 巻 3 号 p. 330-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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