日本皮膚科学会雑誌
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97 巻 , 14 号
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  • 坂本 ふみ子
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1601-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    若年性黒色腫の12例について,その腫瘍細胞(JM細胞)におけるmelanosomeの崩壊過程を,電顕dopa反応およびacid phosphatase反応を行い検索し以下の結果を得た.①JM細胞内に球形ないし類円形のmelanosomeを多数認めた.これらmelanosomeは種々の発達stageを示した.②JM細胞辺縁部では,melanosomeが細胞膜に近接し,細胞間に遊離する像が認められた.③JM細胞内に各種発達stageのmelanosomeを含むmelanosome complexを認めた.④dopa反応陽性物質がstageⅡ,Ⅲのmelanosome,小胞体,Golgi系などに認められた.⑤各種発達stageのmelanosome内と限界膜部,および胞体内のmelanosome complexとmelanosomeの崩壊物と思われる不整形構造物などに,acid phosphatase活性を認めた.以上より,JM細胞内においては,melanosomeはmelanosome complexを形成するほかに,発達の種々のstageにおいて個々に崩壊する.また一部のmelanosomeは細胞間に放出されるものと思われた.
  • 廣瀬 るみ, 神保 孝一
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1611-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    高齢者の顔面に生じた4例の悪性黒色腫を経験した.結節型黒色腫,悪性黒子型黒色腫各々2例であった.各症例の臨床的及び病理組織学的特徴を考察した.さらに5施設にて集積された372例の黒色腫について統計を試みた.顔面の黒色腫は結節型10例,悪性黒子型9例,不明3例,合計22例で黒色腫全体の5.9%を占めていた.顔面の黒色腫の年齢別発生頻度は中年以降に関しては高年齢になるに従い増加しており,70歳台80歳台にピークを示した.また病型にかかわらず非顔面部と比較して高い発生年齢を示した.悪性黒子型黒色腫は60歳以上の高年齢発生の割合が多いが顔面の黒色腫の場合と異なり,60歳台がピークで70歳台以降は減少傾向を示した.悪性黒子型黒色腫の部位別平均発生年齢を検討したところ顔面は高年齢発生であった.以上の統計結果より顔面の黒色腫の発生病因には慢性の日光照射が関与していると考えられた.
  • 向井 秀樹, 野口 俊彦, 上村 仁夫, 西岡 清, 西山 茂夫
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1623-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    重症のアトピー性皮膚炎(AD)患者において血清LDH活性値が上昇していることに注目し,本検査値がADの治療効果の指標になるか否かについて検討した.成人型AD55症例について経時的に抹消血好酸球数(Eo),血清LDH活性値(LDH)とその分画およびIgE値を測定した.その結果,①AD病勢はEoおよびLDHと有意な相関関係を示したが,IgEとは一定の傾向を示さなかった.②臨床スコアーと3つの各検査値との間には,いずれも有意な相関関係を認めたが,相関係数の点からみるとLDH>Eo>IgEの順であった.③個別例で臨床スコアーとIgEとの有意な相関関係を認めたのは20例中4例のみであった.④LDH分画では主としてLDH5が上昇し,LDH4も若干の上昇を示した.以上の結果より,AD患者において病勢(皮疹の消長)や重症度を判定する指標の一つとして,LDHの有用性は高いことが判明した.
  • 池田 政身
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1631-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    マウスを表皮ブドウ球菌(以下表皮ブ菌)とFreund complete adjuvant(以下FCA)にて前処理した後,表皮ブ菌および黄色ブドウ球菌(以下黄色ブ菌)を各種濃度組み合わせで皮内接種し,生じた皮膚病変の病理組織学的所見および蛍光抗体法の所見を経時的に観察した.また各マウス血清と両菌種の分離菌体成分との間で二重拡散法を施行した.表皮ブ菌とFCAにより前処理したマウスでは,未処理群に比し両菌種共,菌皮内接種時の病理学的変化が早くかつ強く出現した.蛍光抗体直接法では前処理マウス群において黄色ブ菌皮内接種群で抗マウスIgG,A,MおよびC3の沈着がみられたが,表皮ブ菌接種群では抗マウスIgG(Fc)およびIgMのみの沈着がみられた.二重拡散法の結果では前処理群に表皮ブ菌に対する抗体が証明された.また,黄色ブ菌に対する抗体も前処理群の方がtiterが高いと思われた.以上の所見から,表皮ブ菌による前感作はマウスのブ菌に対する抗体産生を増加させ,ブ菌皮内接種時の病理組織学的変化を増強させる.つまり表皮ブ菌による前感作は黄色ブ菌感染症の発症の修飾因子となり得ると思われた.
  • 柴田 明彦, 森嶋 隆文
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1645-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Annular elastolytic giant cell granuloma(環状弾力線維融解性肉芽腫)の74歳,男性の典型例を報告した.自験例で興味あることは以下の通りである.1)臨床的には男性例であること,罹患部位が露出部のほか体幹であったことである.2)病理組織学的には,隆起部では弾力繊維を貪食した多核性巨細胞が網状層上層~中層の膠原線維束間に浸潤していること,隆起部内側部では弾力線維は網状層上層~中層では消失していたが,乳頭層~乳頭下層では保たれていたことである.3)免疫組織化学的には多核性巨細胞はリゾチーム強陽性を示したことである.4)3次元画像解析の結果,巨細胞は不整な外形を呈し,極めて多数の核を有し,長さ約50μmの弾力線維が屈曲・膨化して細胞質内を広く占拠しており,弾力線維の貪食像が解明された.本邦例の統計的観察の結果,本症は欧米例に比して高齢者に多く,男性例も多く,罹患部位も露出部に限らず,体幹にも好発することを明かにしえた.本症の病変は,狭義のelastic fiberがある長さで断裂し,この弾力線維を非自己として認識し,その処理過程として組織球や巨細胞の肉芽腫性炎症が惹起されたものと推測した.
  • 高橋 弘美, 長瀬 早苗, 樋口 道生, 滝内 石夫
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1651-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Phage2群の黄色ブドウ球菌(黄ブ菌)より粗抽出したexfoliative toxin(ET)と,生後3日以内のjladdY系マウスの表皮を反応させた溶液の上清について,caseinolytic activityを測定したところ,controlに比較し,約2.7倍以上のactivityが測定された.しかしながら,生後8日目のマウスの表皮とETを反応させた溶液では,caseinolytic activityの上昇は証明されなかった.また,このactivityはα2-macroglobulin(α2-M)を添加することにより完全に阻害された.本実験の結果より,ETにより表皮細胞中のproteinaseが活性化されるか,表皮細胞内でのproteinaseの産生が促進されるか,あるいは逆に,ETによりproteinase inhibitorが不活化されるか,などの機序により,表皮中のある種のproteinaseが発動し,staphylococcal scalded skin syndrome(SSSS)にみられる広範囲な表皮の剥離が生じるのではないかと推測された.さらに,このcaseinolytic activityの上昇が,生後8日目のマウスの表皮を用いた実験系からは証明されなかったことより,SSSSがほとんどすべて新生児・乳児・小児にのみ発症する理由について,加齢と共にproteinaseの制御機構がほどよくコントロールされるようになってくるのではないかと推測された.
  • 青木 重信
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1655-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    イムノプロット法を用い,正常ヒトおよび乾癬患者血清中の抗ケラチン線維タンパク自己抗体(抗ケラチン自己抗体)のサブユニットケラチンに対する反応性の定性的解析を行なった.その結果,正常全表皮ケラチンを基質とし,正常ヒトおよび乾癬患者の20倍希釈血清を反応させ,ペルオキシダーゼ染色により観察したところ,正常ヒト43例中20例の血清に抗ケラチン自己抗体が検出され,反応パターンには4種類が認められた.分子量68,000~63,000ダルトン(以下一般的慣例に従って1,000daltonをkdとして各サブユニットケラチンを~kdケラチンと略記する)ケラチンのバンドが濃染し,56kdおよび50kdケラチンのバンドが淡染する反応パターンをパターンⅠ,パターンⅠとほぼ同様であるが,56kdケラチンのバンドを認めない反応パターンをパターンⅡ,63kdケラチンのバンドのみ濃染する反応パターンをパターンⅢおよび68~63kdと58kdケラチンのバンドが染まる反応パターンをパターンⅣとした.各反応パターンの比率はパターンⅠが1例,パターンⅡが1例,パターンⅢが2例,パターンⅣが16例であった.同様に乾癬患者36例中20例の血清に抗ケラチン自己抗体が検出され,反応パターンには正常ヒトでみられた4種類のうち3種類が認められた.各反応パターンの比率はパターンⅠが2例,パターンⅢが2例,パターンⅣが16例であった.乾癬患者で欠如するパターンⅡについては,パターンⅠを示す乾癬患者血清を20倍希釈から10倍希釈まで濃縮したところ,56kdケラチンのバンドが出現することから,パターンⅠとパターンⅡとの間には本質的に違いはないと判断された.陽性所見が認められたこれら血清中の抗ケラチン自己抗体は正常全表皮ケラチンによりすべて吸収された.正常ヒトと乾癬患者の間で抗ケラチン自己抗体のサブユニットケラチンに対する陽性率,反応パターンおよびその比率に有意差が認められなかった.これらのdataから,①抗ケラチン自己抗体は乾癬に特異的でない可能性があること,②乾癬に特有の反応パターンがないこと,③乾癬の病型と関連する反応パターンがないこと,が判明した.しかし最近抗ケラチン自己抗体のELISA法による定量的解析も行なわれるようになってきており,今後乾癬においてもこの方面からの検討が必要であると思われた.
  • 青木 重信
    1987 年 97 巻 14 号 p. 1665-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Enzyme-linked immunosorbent assay(以下ELISAと略記)を用いて,正常全角層ケラチン線維タンパク(以下ケラチンと略記)および乾癬(psoriasis,以下Psoと略記)全角層ケラチンより分離精製した48,000ダルトン(以下1,000daltonをkdとする)と50kdケラチンに対するPso患者血清中の抗ケラチン線維タンパク自己抗体(anti-keratin intermediate filament autoantibdies,以下AK auto Abと略記)抗体価の解析を行なった.この結果,正常全角層ケラチンに対するPso患者血清中のAK auto Ab抗体価と掌蹠膿胞症(pustulosis palmaris et plantaris,以下PPPと略記)患者,アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis,以下ADと略記)患者,全身性エリテマトーデス(SLE)患者および健常ヒトのそれとの間に有意差が認められなかった.これに対し48kdと50kdケラチンに対するPso患者血清中のAK auto Ab抗体価は,PPP患者,AD患者,SLE患者および健常ヒト血清中のそれに比して,統計学上著明に高値を示し,またそれらは皮疹の改善に伴い明らかな低下を示した.以上のことから,Pso患者の皮疹部表皮に存在する48kdと50kdケラチンに対するAK auto Ab抗体価は,正常全角層ケラチンに対するAK auto Ab抗体価と異なって,Psoの病勢判定の標識のひとつとなりうることが示唆された.
  • 1987 年 97 巻 14 号 p. 1673-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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