日本皮膚科学会雑誌
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100 巻 , 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 藤本 亘
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1227-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    正常ヒト皮膚におけるレチノイン酸受容体(RAR)遺伝子の発現パターンを,RAR-α,-β,-γのcDNAより作製したリボプロープを用い,in situ hybridization法により解析した.RAR-αおよびRAR-γ遺伝子は表皮に特異的に発現していたが,RAR-β遺伝子は表皮にも真皮にもほとんど発現していなかった.RAR-αとRAR-γ遺伝子は表皮の基底細胞層,有棘細胞層のいずれにおいても発現しており,両遺伝子の発現パターンに明らかな差異を見いだせなかった.さらに,RAR-αおよびRAR-γ遺伝子はエクリン汗腺においても発現していた.以上の結果は,ヒト皮膚において表皮ケラチノサイトおよび附属器上皮細胞がレチノイン酸の標的細胞であることを示すとともに,ケラチノンサイトおよび附属器上皮細胞の分化調節に,RARのサブタイプのうちRAR-αとRAR-γが関与していることを示唆している.
  • 大沢 純子
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1235-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    蛍光色素を用いた迅速測定法により,SH薬剤であるチオプロニン(TR),金チオリンゴ酸ナトリウム(GTM)で感作したマウスのリンパ節細胞の抗原特異的増殖反応およびほのIL-2反応性を検討した.感作薬剤の添加のみでは薬剤なしの完全アジュバント(CFA)感作群であるコントロール群との間に差がみられなかったが,IL-2添加により薬剤感作群においてのみ増殖反応の明らかな上昇が認められ,しかもSH薬剤間で明らかな交叉反応が観察された.本法によるIL-2反応性の測定はT細胞の免疫応答性を測定するうえでアイトソープを用いなくてすむ簡単なin vitro検査法であることから,動物実験におけるSH薬剤過敏症の基礎研究のみならず,将来ヒトにおけるSH薬剤過敏症の診断に臨床応用できる可能性があると考えられた.
  • 種井 良二, 片山 一朗, 加藤 一郎, 太田 幸則, 西山 茂夫
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1241-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    粘膜苔癬とSjogren症候群を併発した54歳男性例を経験した.この症例を含め当科粘膜苔癬患者6例で小唾液腺の組織像,乾燥症状および免疫学的異常の有無等につき検討した.5例でSjogren症候群でみられる巣状のリンパ球浸潤像が組織学的に認められ,同時に4例に抗核抗体陽性,3例で抗ミクロソーム抗体高値等の免疫学的異常を示した.また3例に乾燥性角結膜炎が認められた.これらの所見より6例中5例がdefinite Sjogren症候群と診断され,残り1例もpossible Sjogren症候群に合致するものと考えられた.以上の結果より粘膜苔癬患者にはSjogren症候群やそれに近い病態が合併している可能性が示唆され,その合併機序について若干の考察を加えた.
  • 水口 聡子, 吉池 高志, 相川 洋介, 中島 澄乃, Jirot Sindhvananda, 小川 秀興
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1251-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    1.ステロイド外用などの従来の治療法に抵抗性・難治性の重症アトピー性皮膚炎(AD)を対象として,入院患者25名に外用PUVA療法を施行した.治療期間中ステロイドは併用しなかった.その結果,18名(72%)の著効例が得られた.治療に要した照射回数は平均18.2回であり,総照射量は平均44.7J/cm2であった.また,その18名中7名では比較的長い寛解期間(1~25ヵ月,平均6.3ヵ月)が得られ,外用PUVA療法は,ステロイド外用法など一般的治療に対して抵抗性を示す難治・重篤なADに非常に有効な治療法であることがわかった.2.PUVA療法が,どのようなAD患者に対して効果を発揮しやすいかということを検討するために,効果度と臨床的パラメーターとの関連性を解析した.その結果,PUVA療法は,1)女性,2)最少光毒量(minimal phototoxic dose:MPD)の低い者,3)重症度の高い者,4)末梢血中の好酸球数の高い者に,より効果を発揮する傾向にあることがわかった.なお,効果度と総照射量,血清IgE値,IgE・RAST値との関連性はほとんどみとめられなかった.これらの結果は,今後,症例数を更に増やしつつ検討することが必要とは思われるが,PUVA療法のADに対する適応基準を考える上において,現時点での一つの目安になりうるものと考えられる.
  • 秋山 尚範, 山田 琢, 下江 敬生, 鳥越 利加子, 神崎 寛子, 荒田 次郎
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1257-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    ホスホマイシン(FOM)と皮膚科領域の主な経口薬剤10剤のin vitroにおける併用効果を皮膚感染病巣より分離したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)27株につき寒天平板希釈法を用いたchecker board法により検討した.相乗効果(FIC index≦0.5)を示した株(%)は,FOM+ミノサイクリンで63.0%,FOM+セファトリジン,セファクロールで44.4%,FOM+ッセファレキシンで40.7%,FOM+ドキシサイクリンで37.0%,FOM+エリスロマイシンで29.6%,FOM+ロキタマイシンで22.2%,FOM+オフロキサシンで18.5%,FOM+スルタミシリンで14.8%,FOM+クラプラン酸・アモキシリンで11.1%であり,FOM+ミノサイクリン,セファロスポリン系抗生剤の組み合わせは,他の組み合わせより優れておりMRSA感染症に対する臨床的有用性がうかがわれた.
  • 山本 修, 小澤 明, 松尾 聿朗, 大城戸 宗男
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1263-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    25歳,男性.強直性脊椎炎の臨床像を呈する重篤な関節症状を伴った乾癬の1例を8年間観察し得たので報告した.関節症性乾癬の本邦報告例230例を検討し,文献的考案を試みた.その結果,関節症状の病変部位が記載されていた123例中,脊椎ないしは仙腸関節を含む中枢型は26例,21.1%と,その頻度は少なく,また,その予後は比較的不良であった.
  • 新関 寛徳, 天野 佳子, 橋本 隆, 西川 武二, 園田 啓
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1271-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    抗SS-B抗体陽性,免疫異常を伴う再発性紅斑患者11例のHLAタイピングの集計を行なった.その結果,高率にDR5,DRw6(DRw13を含む),DRw52が検出された.又,このDRw52との相関は二次的なものと考えられた.自験例11例は臨床的には亜急性皮膚エリテマトーデス,シェーグレン症候群あるいは両者の合併が示唆される症例を含んでいるが,特定のHLA抗原が高率に検出されたことにより,これらの症例は免疫遺伝学的に類似性を有することが示唆された.又,Sjogren's/lupus erythematosus overlapのHLAタイピングと共通点を有することが明らかとなった.
  • 石田 耕一, 神谷 哲朗, 土屋 秀一, 服部 瑛
    1990 年 100 巻 12 号 p. 1275-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    腎透析患者88名の皮膚pHについて,健常人143名を対照として検討した.その結果,各部位(前額部,前腕部,手掌部,下腿部)の皮膚pHの平均値は,健常人が4.5~5.0であり,手掌部がより高値を示す傾向を認めたのに対し,腎透析患者は5.0~6.0と有意に高値を示し,下腿部がより高値を示す傾向を認めた.また年齢別,性別についても詳細に解析した結果,腎透析患者の皮膚pHは,健常人の皮膚pH値よりも有意に高値であった(p<0.01,t検定).
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