日本皮膚科学会雑誌
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100 巻 , 2 号
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  • 1990 年 100 巻 2 号 p. 117-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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  • 安藤 真一
    1990 年 100 巻 2 号 p. 121-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    正常汗腺組織における18種の抗原の局在について免疫組織化学的に検索した.汗腺組織で陽性所見の認められた17種の抗原の局在の所見は以下の通りである. 1)上皮性細胞全体に陽性なもの:ケラチン 2)汗腺にのみ陽性なもの:癌胎児性抗原,唾液腺アミラーゼ,人母乳蛋白,妊娠特異性ベータ1グリコプロテイン,Gross cystic disease fluid protein-15 3)汗腺分泌部にのみ陽性なもの:Non-specific cross reacting antigen,セクレタリーコンポーネント,S-100蛋白(エクリン腺のみ),Human milk fat globules subclass 1,Human milk fat globules subclass 2,BCA-225 4)汗管内側細胞にのみ陽性なもの:癌胎児性抗原(Non-specific cross reacting antigen吸収),乳癌関連抗原(BioGenex社製モノクローナル抗体で認識される) 5)汗管外側細胞にのみ陽性なもの:フェリチン 6)筋上皮細胞に陽性なもの:アクチン,S-100蛋白 7)一部のアポクリン腺にのみ陽性なもの:Leukocyte associated antigen 8)炎症を起こしている汗腺にのみ陽性なもの:ラクトフェリン
  • 安藤 真一
    1990 年 100 巻 2 号 p. 133-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    第Ⅰ編にて検索した18種の抗原について良性汗器官腫瘍41例,悪性汗器官腫瘍14例並びに乳房外Paget病13例における局在を検索し,各腫瘍の分化について検討したeccrine acrospiromaのeccrine poroma型はエクリン腺表皮内汗管内側細胞,clear cell hidradenoma型はエクリン腺真皮内汗管外側細胞,solid-cystic hidradenoma型はエクリン腺分泌部,hidroacanthoma simplexはエクリン腺表皮内汗管外側細胞,eccrine spiradenomaはおもにエクリン腺分泌部と一部汗管,chondroid syringomaはアポクリン腺並びにエクリン腺の分泌部・筋上皮細胞と一部汗管,syringocystadenoma papilliferumはエクリン腺並びにアポクリン腺分泌部と一部汗管,syringomaはエクリン腺真皮内汗管の内側並びに外側細胞,tubular apocrine adenomaとpapillary eccrine adenomaはそれぞれアポクリン腺とエクリン腺の分泌部,apocrine cystadenomaはアポクリン腺分泌部,cylindomaはエクリンまたはアポクリン腺の汗管,eccrine porocarcinomaとeccrine duct carcinomaはそれぞれエクリン腺表皮内汗管と真皮内汗管,apocrine gland carcinomaとmucinous carcinomaはアポクリン腺分泌部,extramammary Paget's diseaseのPaget細胞はアポクリン腺汗管の分化腫瘍と考えられた.
  • 馬場 直子
    1990 年 100 巻 2 号 p. 147-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    尋常性乾癬,尋常性天疱瘡,ケラトアカントーマ,Paget病,扁平上皮癌,皮膚の悪性リンパ腫,その他の皮膚病変の生検凍結材料を,PC抗原(Ki-67),DNA polymerase-a,EGF-receptor,transferrin receptor(OKT9)などに対するモノクローナル抗体を用いて,免疫組織化学的に検討した.PCとDNA polymerase-aは,ほぼ同様の免疫染色態度を示し,両者とも尋常性乾癬の表皮基底細胞核がほぼ100%陽性に染まり,時には基底細胞より4層位上までの有棘細胞の核も陽性を示し,細胞分裂が盛んに行われていることを示唆する特徴的な所見が見られた。扁平上皮癌の真皮内転移巣上部の表皮や,悪性リンパ腫の転移リンパ節近くの表皮でも,PCとDNA polymerase-aに対し,乾癬表皮と類似の陽性所見を示し,尋常性天疱瘡の基底層及び水疱底の有棘細胞,Paget病の表皮内Paget細胞が陽性を示した.以上の所見から,PCとDNA polymerase-aの免疫組織染色は,細胞の分裂・増殖能を視覚的に捕えるために有用な方法と思われた.EGF-Rは,扁平上皮癌の原発巣,皮膚転移巣,リンパ節転移巣で強陽性を示し,また,真皮転移巣上部の表皮と,10例中3例の乾癬表皮でも陽性を示した.
  • 手塚 匡哉
    1990 年 100 巻 2 号 p. 153-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    発生毛組織における細胞動態を解析するため,生下時および7日目のマウスの背部皮膚をbromodeoxyuridine(BrdU)でそのDNA合成期細胞を標識し,抗BrdUモノクローナル抗体を用いて免疫組織化学的に検討した.成長期毛組織では毛球部の各細胞層に分化する細胞が標識され,また,外毛根鞘では陽性細胞は毛球直上部に多く,上方に向い次第に減少する.毛発生過程では,半球状に表皮より突出した毛芽の外層に一様にS期細胞が分布する.毛杭期にその陽性細胞は,下端部と上方外側部の二群に分かれる.下端部の細胞群は,次第に毛乳頭を囲み下方に集中し,上方に各細胞層を産生する.また,上方外側部の陽性細胞は上皮素を伸長し,外毛根鞘構造が明瞭になると,その増殖は毛球上部が主体となる.これら発生毛組織の細胞増殖の動態を正しく理解することは,毛組織の研究に極めて重要と思われた.
  • 桑名 隆一郎, 荒瀬 誠治, 定本 靖司, 武田 克之
    1990 年 100 巻 2 号 p. 163-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    Hair follicle cell(HFC)とepidermal keratinocyte(EK)の相違点につき培養細胞を用いて検討した.形態的に両者は類似するが核の消失,細胞の重層化などの分化過程はEKにおいてより早期から観察され,ケラトヒアリン顆粒はEKでのみみられた.また上皮系細胞分化の指標となる細胞の大きさ,cornified envelopeの形成率はいずれもEKが大であり,両者の角化過程の相違が示唆された. 
  • 影下 登志郎, 中村 尚, 平井 俊二, 松野 美智雄, 江川 清文, 荒尾 龍喜
    1990 年 100 巻 2 号 p. 169-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    正常皮膚・胎児皮膚およびメラノサイト系腫瘍におけるNerve growth factor receptorの局在をモノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検討した.正常皮膚ではperipheral nerve sheathやSchwann細胞に認められ,これらのマーカーになるものと思われた.メラノサイト系細胞では正常・胎児メラノサイトは陰性で,良性疾患ではごく一部の色素性母斑細胞に陽性が認められたのみであった.メラノーマの原発巣および転移巣では約50%の症例において陽性所見が認められたが染色性の強さは転移巣がより強い傾向にあった.NGF-Rはメラノサイト系細胞におけるその増殖や悪性変化に何らかの影響を与えているものと思われた.
  • 西嶋 攝子, Kenneth J. McGinley, James J. Leyden
    1990 年 100 巻 2 号 p. 175-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    米国,Philadelphia在住の健康成人日本人20名(男性10名,女性10名)の皮膚の細菌叢の菌種と菌量を検討した.前額,鼻腔前庭,腋窩,会陰および第四趾間の5個所から試料を採取した.Coagulase negative staphylococci(CNS)の菌種の同定を行い,各種薬剤に対する耐性の状態を検討した.好気性菌は106/sampleであったが前額のみ104/sampleであった.一方嫌気性菌の代表であるpropionibacteriaは105~106/sampleであったが,趾間からは嫌気性菌は分離されなかった.S. aureusは15~35%とばらつきがあった.lipophilic diphtheroidsは前額では50%であったが,他の部位からは約100%分離された.一方多剤耐性lipophilic dephtheroids(Group JK)は会陰から35%,趾間から15%分離された.グラム陰性桿菌は前額,腋窩,趾間では稀であるが,鼻腔前庭と会陰からは約50%分離された.penicillinとampicillinに耐性のCNSは非常に多かったが,oxacillinとcephalosporinに耐性のものは稀であった.tetracyclineとerythromycinに耐性は35~40%であった.
  • 柳瀬 信一, 古谷 達孝
    1990 年 100 巻 2 号 p. 185-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    限局性強皮症の斑状型14例,剣傷状型5例および線状型2例の計21例を組織学的に検索し,その所見を病型および罹病期間との関連下に検討した.本症に極めて特徴的である結節状硬化は初期すなわち発症2年以内の症例に限って認められ,病型的にみると斑状型11例中5例(45%),剣傷状型3例中2例(67%)であり,いずれも軽重種々の硬化症病変の周辺あるいはその一部に認められ,発症2年以上の症例では病型の如何を問わず認められなかった.なお結節状硬化のみ,あるいはこれが主要所見である症例は皆無であった.上記の自験ならびに文献的所見よりみて結節状硬化は病型の如何を問わず限局性強皮症の比較的早期病変に出現する極めて特徴的な組織学的所見とみなし得る.本症の組織学的硬化は上記の結節状硬化が真皮中層,下層に初発し,その後の進展方向は左右,上下方へと種々多彩で,この進展方向および程度により主要硬化部位も変化し得る.これらの諸点で限局性強皮症の組織学的硬化所見は汎発性強皮症のそれとは異なる所見を呈した.炎症性細胞浸潤は自験21例中17例(81%)に認められ,その様式はperivascular typeのみの症例10例(59%),diffuse typeのみの症例1例(6%),mixed type6例(35%)であり,これら炎症性病変は罹病期間が比較的早期の症例に,また病型的には斑状型により高度かつ高頻度の病変が認められた.炎症性細胞浸潤の種類については炎症性病変を有する17例全例にリンパ球および組織球系細胞浸潤が認められ,この内11例には形質細胞も血管周囲性に認められた.組織学的色素失調は21例中18例(86%)に認められた.
  • 稲葉 葉一, 江川 清文, 武藤 公一郎, 荒屋 襲喜
    1990 年 100 巻 2 号 p. 199-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    最近,足底表皮嚢腫とヒト乳頭腫ウイルスとの関係が注目されている.著者等は最近,疣贅治療中の足底に生じた足底表皮嚢腫に,乳頭腫ウイルス(PV)抗原を検出した.足底発症以外のものも含め,PV抗原の検出を始め,HPVとの関連が認められた表皮嚢腫の本邦報告例は,自験1例を加えて現在までに23例を数え,特にPV抗原の検出が可能になってからの症例の集積は急速である.これらに関する臨床的,病理組織学的記載事項を検討すると,これらの表皮嚢腫では嚢腫壁の特異な細胞質内好酸性物質や,嚢腫内腔の角質内空胞様構造の出現が特徴的の様である.HPVの検出は,単なる二次感染の可能性も否定できないが,その高い陽性率,病理組織学的特徴,および発生の初期から観察し得た自験例で足底疣贅が先行したことは,これらの嚢腫の発生にHPVが真接関与する可能性を示唆するものと考える.
  • 山田 義貴, 出来尾 哲, 地土井 襄璽, 横木 広幸, 森木 省治
    1990 年 100 巻 2 号 p. 205-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    皮膚限局性クリプトコッカス症の一例を報告した.65歳,男性.昭和63年2月右顔面に紅斑性浸潤性局面が生じているのに気付いた.病理組織像では真皮内に肉芽腫性病変があり,その中に多数のPAS陽性の菌要素が認められた.生検皮膚の真菌培養と血清学的検査によりCryptococcus neoformans D型を分離した.他臓器には特に病変はみられなかったので,皮膚限局性クリプトコッカス症と診断した.ミコナゾール点滴静注により軽快した.本症例は細胞性免疫能の著明な低下があり,組織中に豊富な菌要素を有する広範な皮疹があったにもかかわらず,皮膚に限局していたのはD型の菌株の特徴と考えた.
  • 定本 靖司, 荒瀬 誠治, 加藤 昭二, 藤江 建志, 中西 秀樹, 武田 英二, 武田 克之
    1990 年 100 巻 2 号 p. 211-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    ビタミンD依存性クル病Ⅱ型(DDR-Ⅱ)患者の抜去毛包をexplant culture法で培養し,得られた毛包細胞(hair follicle cells)に対する活性型ビタミンD3(1,25-dihydroxyvitamin D3,1,25(OH)2D3)の影響を検討した.正常人の毛包細胞は10-7Mの1,25(OH)2D3存在下では,初期より角化が始まり,かつ細胞増殖が抑制されるのに対し,DDR-Ⅱ患者の毛包細胞は細胞の増殖,角化様式とも1,25(OH)2D3に影響されずほぼ正常なコロニーを形成した.すなわちDDR-Ⅱ患者の毛包細胞でも1,25(OH)2D3の特異レセプターの異常が間接的に証明された.さらに,本実験法を用いてビタミンD依存性クル病Ⅱ型の簡易的補助診断が可能と考えられた.
  • 関口 かおる, 西山 千秋, 森嶋 隆文, 吉池 高志, 坪井 良治, 小川 秀興
    1990 年 100 巻 2 号 p. 215-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    Trichophyton rubrumの産生するプロテアーゼの生物学的意義を探る目的で,酸性・アルカリ性両プロテアーゼの動態と周囲のpH環境との関連を検討した.T.rubrumをBSA培地にて37℃の条件下で振盪培養したところ,①培養初期は酸性(pH4.5)プロテアーゼ活性が急激に高まるが,培養3~4週には低下,代わってアルカリ性(pH8.0)プロテアーゼ活性が遅れて増加した.②培地pHは当初6.0あったが培養と共に徐々に上昇し,4週頃にはpHは7.0付近に固定された.③菌量も徐々に増加し,培地pHが7.0付近に固定すると同時にその増加度は止った.以上よりT. rubrumの産生する酸性,アルカリ性プロテアーゼには時差発動というユニークな現象がみられ,また菌は時差発動しやすい条件(pH)を作りながら増殖していくと考えられた.
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