日本皮膚科学会雑誌
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77 巻 , 6 号
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  • 磯部 茂
    1967 年 77 巻 6 号 p. 401-
    発行日: 1967年
    公開日: 2014/08/28
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    Coemzyme Q(CoQ)は1940年Mooreにより初めてその存在が報告され,その10年後にLiverpool大学のMortonら並びにWisconcin大学のGreenらにより本格的な研究がなされ,今日広く生物界に存在することが知られている一種の脂溶性のキノンである.CoQの生理学的研究は現在までに種々の検索がなされているにもかかわらずその臨床的応用に対してはほとんど文献上見当らず,特に皮膚疾患に対しては皆無といつてよい.1961年にOlsonらはラットにU-C14フェニールアラニンを投与し,肝よりCoQを分離し,その放射活性の分子内分布を調べたところ,大部分の放射活性がキノン部分に局在していることを発見し,更にGloorらはラットにラベルしたチロジンを投与し,肝不鹸化物中に投与量の0.17%を認め,次に肝不鹸化物中のCoQをオゾン分解してキノン核に由来するフェニル酢酸化合物の放射活性を測定し,それがCoQの63%に相当するこを確認した.この結果Olson,Gloorらはキノン核の前駆物質がフェニールアラニン,チロジンであると述べている.一方ZanonniらはビタミンC欠乏によりチロジン代謝異常を生ぜしめたモルモットに対し,アスコルビン酸とCoQ10を併用投与すると血漿チロジン値並びにパラハイドロオキシフェニール焦性ブドウ酸(P-HPP)オキシダーゼ値が改善され,しかもCoQ10は還元型でその効果を一層発揮すること,及びアスコルビン酸はCoQの還元型維持に必要であり,両者の併用により正常のチロジン代謝を維持しうることを報告している.わたくしたちの教室では膠原病にフェニールアラニン,チロジン代謝異常が存在していることをすでに報告している関係上,CoQとアスコルビン酸の併用投与が膠原病の治療に役立つのではないかとの推測のもとに,CoQ7(TCO武田)とビタミンCを併用投与し,又他の難治性皮膚疾患に対してもこれらを併用投与し,一定の成績をえ,又CoQ7の治験中,特にコルチコステロイド併用投与時に経験した興味ある事実に対し薬理学的基礎実験を行いあわせて各種皮膚疾患の尿中CoQ10排泄量をも測定したのでその成績を報告する.
  • 井沢 洋平
    1967 年 77 巻 6 号 p. 416-
    発行日: 1967年
    公開日: 2014/08/28
    ジャーナル 認証あり
    人体におけるメラニン色素の研究は,1917年BlochによりメラニンがDopaを前駆物質とし,Dopa酸化酵素によつて生成されると認められて,はじめてその科学的研究の第一歩をふみ出した.以来,メラニン形成の問題は多くの学者の注目を集め,生化学的,生理学的,組織学的,あるいは最近の電顕によるmolecular levelの研究を含めて,膨大かつ詳細な研究が発表されている.しかし,なおメラニン形成に関する諸問題は幾多の未知の分野を残し,特に生体内におけるメラニン調節の機構に至つては,ほとんど解明されていないといえよう.人の皮膚における色素の変化について,内分泌因子が関係深いことは,副腎機能障害におけるアジソン氏病の場合や,妊娠時の乳暈の色素増強の場合などとして,臨床的にもよく知られている.下等動物では,環境に応じてその体色が変り,その変色機序は,神経や内分泌因子によつて起こるとされている.この体色の変化は,一部は血管の拡張や収縮による血流の変化にもよるが,大部分は皮膚の色素細胞内での色素の移動によつて起こる.人の場合,メラノサイトはこれらmelanophoreと起源を同じくするとはいえ,このような機序による変色力を持つていないと考えられている.両棲類,魚類に対し,松果体の抽出物を注射すると皮膚の明化が起こり,皮膚色が淡くなることは約50年前より知られていた.最近MSHの研究の発展と共に,松果体ホルモンはこのMSHの反対ホルモンとして注目され、Lernerらによって分離,構造が決定されて,メラトニンと名づけられた.MSHは両棲類のみでなく人の皮膚の色素を増強することも知られているが、この新しく確認されたメラトニンは,その生物学的作用にまだ未知の点が多く,特に高等動物の色素細胞に関する作用については,ほとんど知られていない.このホルモンの報告に興味をもつた筆者は人の皮膚色素調節機構解明の一方法として,このメラトニンの作用機序,特に高等動物に対する影響について種々の検索を行なつたのでその知見を報告する.また,メラトニンは人に注射した場合,中枢神経に対して或る種の影響を与えたので,中枢神経系に対する検索を合わせて報告,メラトニンの作用機序に対して考察してみたい.
  • 髙屋 通子
    1967 年 77 巻 6 号 p. 433-
    発行日: 1967年
    公開日: 2014/08/28
    ジャーナル 認証あり
    Corticoid(以下「コ」と略す)製剤が臨床に導入され,各分野ですばらしい治療効果をあげていることは周知の通りである.反面この種の製剤は適用範囲の拡大に伴なつて種々重篤な副作用を増加しつつあることもまた事実である.かように考えると,皮膚科領域では軟膏療法にもつと積極的な努力が払われて然るべきではないかと考えるが,遺憾ながらまだまだ全身療法に重点が置かれている.さてその理由であるが,わたくしは「コ」製剤の発展の歴史がそうさせた最も大きな原因と考える.周知のごとく「コ」製剤が治療に導入され,その卓越した効果が始めて確認されたのはcortison(以下Cortと略す)とhydrocortsion(以下HCと略す)である.ところがこれらの製剤は塩類代謝性の副作用が強く,ややもすると使用中浮腫,高血圧,筋力低下などの副作用に悩まされ,結局未治のまま終療せざるをえない症例が少なくなかつた.たまたまその頃predonisolone(以下PDと略す)が合成され,これを契機に糖質代謝作用,とくに抗炎症作用のより強力な新しい製剤が次々に試作された.かくして市販されたのが以後作成された各製剤で特に最近の「コ」製剤は「Cort」の40ないし50倍の力価を有するものがあり,普通の投与量では全く塩類代謝性の副作用を配慮する必要がなくなつた.従つて今後「コ」製剤に対する研究は,むずかしい問題ではあるが,抗炎症効果と糖代謝作用の分離にもつと真剣な努力が払われるべきと思う.それはとも角として,この間市販された軟膏製剤は大半が内用剤の副産物として市販されたもので,基剤に含有される「コ」量も専ら内用剤の力価から割出されて作成されたものが多い.加うるに,軟膏製剤には内用剤で悩まされた副作用をいささかも心配する必要がない.かような次第で,軟膏に関する限り,最初登場したCort軟膏と最近市販されたdexame-thasone(以下DXと略す)軟膏やbetamethasone(以下BMと略す)との間には副作用はもとより力価の点でも果して有意の差があるか甚だ疑問である.もつとも,この数年来やや積極的な研究がなされ独特の製品もぼつぼつ出廻つているが,それも内用剤の改良に注がれ
  • 1967 年 77 巻 6 号 p. 455-
    発行日: 1967年
    公開日: 2014/08/28
    ジャーナル 認証あり
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