日本皮膚科学会雑誌
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78 巻 , 9 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 鶴 圭一郎
    1968 年 78 巻 9 号 p. 789-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    近年腫瘍ウイルスに対する関心が高まり,種々の動物ウイルスによる発癌機構の解明として,ウイルスと宿主細胞の相互関係が検討されている.とくに,papova及びadeno virus等による研究が著しく進展し,これらのウイルスにより癌化(transformation)した細胞の核内にはウイルス特異性の腫瘍抗原が認められ,ウイルスゲノムの一部が腫瘍細胞(transformed cell)内に存在している証拠と考えられている.他方天然痘群ウイルス(poxvirus)も腫瘍形成能をもち,それらの腫瘍はウサギ粘液腫を除き,通常一定の時期が来れば自然治癒がみられ,組織学的にも良性腫瘍と考えられている.Kato et al.はかかる一連の天然痘群ウイルスを用い独自の立場より研究を進め,主としてショーブ線維腫につきウイルスと宿主細胞の相互関係を調べ,他の非腫瘍性天然痘群ウイルスと対比し,天然痘群ウイルスによる腫瘍発生はpapova,adeno virus等による腫瘍発生とは異つた機構によるものと考えている.即ち腫瘍性天然痘群ウイルスの封入体保有細胞の核におけるDNA合成は,他の非腫瘍性天然痘群ウイルスの場合と同じく抑制されていることを3H-thymidineのautoradiographyにより認め,ウイルス増殖を示す細胞は以後分裂増殖を行なうことなく死滅し,腫瘍の形成はウイルスを産生しない細胞の分裂増殖によることを示した.このようなウイルスを産生しない細胞を分裂増殖せしめ腫瘍を形成に導く機構として,ウイルス感染により障害をうけた細胞から,他の非汗腺細胞の分裂増殖を促進させる,いわゆる細胞増殖促進因子が生じるためではないかと推論している.今回同じく天然痘群ウイルスに属すると考えられて居るヤバ猿腫瘍ウイルス(Yaba Monkey Tumor Virus=YMT-V,Andrewes氏より分与をうけた)を用い,このウイルスによる腫瘍の発生機構について研究を行なうことにした.MYT-VはBearcroft and Jamieson9)により,NigeriaのYabaで野外に飼育している猿の皮膚に自然発生した腫瘍より分離されたウイルスであり,種々の猿の他に人にも感受性があり,猿と同様の腫瘍をつくることが知られている.当腫瘍は組織学的に良性でHistiocytomaの所見を呈し,一部の腫瘍細胞の細胞質にはワクチニアウイルスの封入体によく似た封入体がみられるとされている.本研究では組織培養細胞と生体(猿)に上記ヤバ猿腫瘍ウイルスを接種し,主として3H-thymidineのautoradiography及び蛍光抗体法により,ウイルス増殖と細胞増殖の相互関係について解析し,他の天然痘群ウイルスのそれと対比して,本腫瘍ウイルスによる腫瘍の発生機構について考察を加えた.
  • 原田 誠一, 植田 時司, 藤田 栄一, 瀬底 洋子, 村上 通敏, 佐藤 朋子
    1968 年 78 巻 9 号 p. 800-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    スポロトリコーシスに対しては古くより,沃度加里の卓越した効果が認められているが,我々は本症患者から分離したスポロトリクムのり調整したワクチン(スポロトリキン)を用いて,その治療を行なつているので,以下報告しようと思う.
  • 金原 武司
    1968 年 78 巻 9 号 p. 807-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    われわれの教室では数年来,病原性真菌類の微細構造に関する一連の研究が行なわれており,すでにいくつかの論文が発表されている.著者はNocardia属の菌を担当し,その1つであるNocardia asteroidesの培養状態ならびに寄生状態における微細構造を電子顕微鏡的に研究した.因みに,著者の調べた限りでは,この菌の微細構造に関する研究はKawata & Inoueの論文の他には,詳細な研究はないようである.
  • 大城戸 宗男
    1968 年 78 巻 9 号 p. 831-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    近年生化学的実験方法が微量化する傾向には目覚ましいものがある.一方形態学的領域では電子顕微鏡の発展と共に細胞内顆粒の観察が容易となつた.これらの進歩と共に細胞内顆粒における所謂subcellularのレベルによる機能乃至代謝機構が追求されるようになつた.このために現在迄組織レベルの研究によつては不明であつた生化学的知見が急速に解明されている.しかるに皮膚科領域においては電子顕微鏡の普及は著しいが,subcellularのレベルにおける生化学的研究は未だ1~2の例外を除いて行なわれていないようである.このため,正常表皮細胞内における動的機能の知見に関しての遅れは否定でき得ない.この理由としては色々いわれるところであるが,先ず表皮細胞層のみ剥離する方法が困難であること,更に剥離し得ても,その採取量が少量であり,又homogenizerに適当なものが得がたいため,結局最終段階に至つて,その収量が極端に微量となる等が先ず挙げられる.更に表皮細胞内における各種含有物質量が少なく,種々の酵素活性度も他臓器に較べ一般的に著しく低いため,既存実験器具を用いて研究した場合,その結果に対する信頼性が薄くなる傾向がある.従つて表皮における代謝機構の知見に関しては,組織化学又は組織レベルによる生化学が頻りに応用され,詳細な部分は他臓器より得た生化学的知識より推定されている場合も稀でない.著者はこれらの点を考慮に入れて,正常表皮細胞を用いてsubcellularのレベルによる生化学的研究に着手した.その初めとして表皮細胞層における呼吸系乃至TCA回路,酸化的リン酸化乃至ATP合成機序又はエネルギー代謝,更には脂肪酸合成又は酸化等に関して不明な点が多いので,それらの反応系の場であるmitochondriaを対象に選んだ.これらの反応系乃至代謝研究のために必要なことは“きれいな”mitochondriaを表皮細胞より分離することであるが,著者は既にその方法に関して一部を報告した.今回はその基本である分画遠心沈澱法の再検討を行ない,得られたmitochondria分画を用いて更にきれいにする試みを行なつた.即ちsucrose及びficollの混合液による連続的密度勾配遠心分離法及びcolumn chromatographyによる検討である.得られた表皮細胞mitochondriaに関しては,この顆粒の生化学的に共通な特異性ともいえる呼吸系特にTCA回路の酵素系に関して,更にエネルギー合成の中心たる酸化的リン酸化を中心として調べた.又表皮における脂肪酸の合成及び酸化の中心としての本顆粒に注目し,これよりの遊離脂肪酸の抽出及びその構成成分の分析を試みた.これらの結果は表皮における生化学ひいては表皮の病態生化学の基礎となるものと考えて,ここに報告する.
  • 大河原 章
    1968 年 78 巻 9 号 p. 842-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    正常成人表皮におけるGlucose-6-phosphate dehydrogenase(G-6-PDH),6-Phosphogluconate dehydrogenase(6-P-GDH)活性ならびに両酵素の生化学的性状を,Lowryによる蛍光法の変法を用いて測定し,また澱粉電気泳動法により両酵素のisoenzymeについて研究した.尋常性乾癬患者の罹患部ならびに非罹患部表皮,乾癬性紅皮症表皮,基底細胞腫などの病的皮膚においても両酵素活性を測定し,両酵素の人表皮における生物学的意味について少しく論究した.なお乾癬患者にmethotrexateを投与し,両酵素活性のmethotrexateに対する態度,紫外線照射後の両酵素活性の変動についても検討した.8例の正常成人背部におけるG-6-PDH,6-P-GDHの平均活性値は,それぞれ,1.21mμm/min/mg,0.36mμm/min/mgである.8例の尋常性乾癬罹患部表皮においては,両酵素とも非常に高い活性を示したが,非罹患部表皮においては両酵素とも正常表皮とほぼ同一の活性を示した.
  • 1968 年 78 巻 9 号 p. 843-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
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