日本皮膚科学会雑誌
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95 巻 , 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 相原 道子, 北村 和子, 池澤 善郎, 永井 隆吉
    1985 年 95 巻 6 号 p. 637-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    モルモットをsulbenicillinで感作し,その所属リンパ節細胞を用いてlymphocyte proliferation test(LPT)を行い,全血を用いた場合のLPTと比較検討した.経時的変化をみると,ブースター1週後である感作3週後で最も高い反応を示した.この時点でgeneralized rash(GR)を誘発すると,全血を用いたLPTではすべての例で反応が著明に抑制されるのに対し,リンパ節細胞を用いた場合は10例中4例に増殖反応を認め,残りの6例は著しく抑制された.GR誘発24時間後の血清を添加してLPTに及ぼす影響を検討したが,その影響は明らかではなかった.さらに感作前腹腔内抗原大量投与を行うと,感作3週後のLPTは全血およびリンパ節細胞の両者で著しく抑制された.臨床において,薬疹患者の末梢血を用いたLPTの陽性率が低いのは,今回の実験で誘導されたのと同様の抑制機能が働くものと思われた.
  • 安元 慎一郎, 磯田 美登里
    1985 年 95 巻 6 号 p. 643-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    組織好酸球増多を認めたmalinant fibrous histiocytomaの1例について,腫瘍抽出液中の好酸球遊走活性をBoyden chamber法を用いて測定した.腫瘍抽出液は,濃度依存性に遊走活性の上昇を示し,Sephadex G-50カラムによるゲル濾過では,blue dextranとVitamin B12の中間よりやや前方の分画に最大の遊走活性が認められ,抽出液中の好酸球遊走因子の存在が推測された.本症の組織における好酸球の浸潤に,この好酸球遊走因子が重要な役割を果たしていると考えた.
  • 手塚 正, 高橋 昌江
    1985 年 95 巻 6 号 p. 649-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    顆粒層の形成を欠いているが,核の消失など他の角化過程は形態学的に正常なtrichilemma様角化を示す遺伝性掌蹠斑状角化腫の角層を用いて角層ケラチン線維を正常人足蹠角層最外層のケラチン線維と電顕的および生化学的に比較検討した.電顕的に線維の走行形態,線維の太さ(正常:8.68±0.73nm,患者:8.90±0.92nm)共に両者間で有意の差はみとめられなかった.sodium dodecylsulphate polyacrylamide gel electrophoresis上,57Kdのケラチン線維ポリペプチドの消失が症例の角層ケラチン線維でみとめられた.しかし,同症例の,顆粒層を正常に生成する汗孔周囲の角層細胞でもみとめられたので,これはfilaggrinの無形成のためではなく,本症例の特殊な角化異常に基く,遺伝的変化であると考えた.
  • 安藤 不二夫, 工藤 清孝, 浅井 淳平, 大橋 勝
    1985 年 95 巻 6 号 p. 655-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    NCマウスの加齢に伴って出現するアミロイドを組織学的,組織化学的,免疫組織化学的および超微形態学的に検討し以下の結果を得た.なお皮膚のアミロイドについては脾と腎のアミロイドと比較した.①NCマウスのアミロイド沈着は加齢に伴って皮膚,脾,腎に認められた.②皮膚へのアミロイド沈着は加齢とともに高率となり他臓器のアミロイド沈着に先行した.③このアミロイドはNCマウスの皮膚病変部ばかりではなく無疹部にも認められた.④皮膚のアミロイドは表皮直下の真皮乳頭層に沈着し,電顕による経時的観察により粗ル|な配列を示す細線維と微細顆粒状物質よりなる初期像から,細線維の緻密なフェルト状配列よりなるアミロイド島の形成への移行が認められた.⑤皮膚をはじめとし脾,腎に沈着したアミロイドは過マンガン酸カリ処理に対して抵抗性であった.⑥抗マウスAA抗体を用いた酵素抗体染色により皮膚のアミロイドは陰性であったが脾のアミロイドは陽性の所見を呈した.⑦抗ヒト・ケラチン抗体による酵素抗体染色で表皮内ケラチンは陽性であったが皮膚と脾のアミロイドは陰性の所見を呈した.⑧これらの所見から皮膚に沈着したアミロイドと脾のアミロイドとは同一物質でないことが強く示唆された.
  • 武井 洋二
    1985 年 95 巻 6 号 p. 663-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    ハプテンの経口投与は接触過敏症のトレランスを誘導する最も効果的な方法の1つである.我々はその機序を解明する目的で,経口的に投与されたDNCBのモルモットの消化器内やリンパ系組織内分布を抗DNP抗体を用いた蛍光抗体法により観察した.その結果1.DNCBエタノール溶液を経口的に投与すると,1時間後には口唇から回腸までの消化管の粘膜上皮細胞や腸間膜リンパ節,パイエル板,脾,末梢血のリンパ様細胞にDNP基は分布した.2.腸間膜リンパ節では投与12,24時間後にも同程度のDNP基保有細胞(DNP細胞)が観察されたが,パイエル板,脾,末梢血においては12時間以後は殆んどみられなくなった.3.溶媒としてオリーブ油を用いた場合あるいはDNBSO3NaPBS溶液を同じく経口投与した場合には分布に差異がみられた.4.DNCBエタノール溶液を腹腔内注射した際のリンパ系組織内分布はDNCBエタノール溶液経口投与のそれと同様な結果が得られた.
  • 岩堀 泰隆, 山崎 雙次, 古谷 達孝
    1985 年 95 巻 6 号 p. 669-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    家系に血族結婚を認める1家族内の69歳父親と45歳息子に本症,Favre-Racouchot症候群が発症したことを報告,併せて文献的に現時点までに本症の家族内発症報告例が3家系あり,自験例を含めると4家系となる.本症発症要因として日光などの外的要因のみならず,遺伝的素因についても検討されるべきことを強調した.
  • 三橋 善比古, 高橋 正明, 沢村 大輔, 山谷 真吾, 橋本 功, 帷子 康雄
    1985 年 95 巻 6 号 p. 675-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    85歳男の水疱性類天疱瘡患者から得た血清,非働化血清,IgG分画および水疱内容液を,新生仔マウス腹腔内に注射して,病変誘発実験を行った.結果は,血清注射群では8匹中6匹(75%)に類天疱瘡病変を誘発できたが,非働化血清(6匹),IgG分画(12匹)および水疱内容液(12匹)では誘発されなかった.各群ともに,表皮真皮境界部にヒトIgGの沈着がみられたが,血清注射群ではこれに加えてヒトC3の沈着をみた.一方,マウスC3の沈着は各群とも陰性であつた.in vitroの補体結合反応では,ヒト血清を補体源にすると,血清とIgG分画は補体結合能を示したが,水疱内容液は結合能を失っていたこと,マウス血清を補体源としたときは,各成分ともに補体結合能を示さなかったことから,補体結合性類天疱瘡抗体と補体源を同時に移入したと考えられる血清注射群にのみ病変が誘発されたと考えた.
  • 御藤 良裕, 佐藤 吉昭, 小林 美咲, 川田 暁, 藤原 美定
    1985 年 95 巻 6 号 p. 681-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    D群色素性乾皮症の兄妹例を報告した.患者は同胞3名中の第2子(6歳6ヵ月,男児,XP58TO)および第3子(4歳11ヵ月,女児,XP59TO)で,血族結婚はない.両例とも乳児期より強い日光過敏を認めたため,両親は光防御に努めてきたとのことである.ともに皮膚症状は比較的軽度であり,現在までに皮膚腫瘍の発生はなく,心身発育も順調である.単色光を用いた皮膚光線テストでは,紫外線紅斑反応のピークは照射3日後であり,MEDはA群患者とほぼ同様であった.一般の神経学的診察では異常を認めなかったが,諸検査のうち脳波とオージオグラムに軽度の異常所見があり,神経症状の発症が示唆された.患者の培養線維芽細胞による細胞学的検索では,紫外線誘発不定期DNA合成能は両例とも正常細胞の30%であった.紫外線(254nm)および4NQOに対する生残曲線は,既知のD群患者XP6BEと同様の曲線を描き,また相補性テストによりD群であることが確定された.
  • 野村 洋文, 蜂須賀 裕志, 笹井 陽一郎
    1985 年 95 巻 6 号 p. 685-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
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    表皮細胞の動態を知るためには,細胞個々のDNAおよびRNAを同時に解析する必要がある.Acridine Orangeに染色されたDNAは緑色の,そしてRNAは赤色の蛍光を発することが知られているので,これを利用してモルモット表皮基底細胞の解析をおこなった.染色の特異性の検討は,ヒト末梢血リンパ球を用いる酵素消化試験によった.その結果,DNAの分布はFeulgen反応と同じく2峯性であり,RNAは単峯性であること,そして細胞周期各期の割合もFeulgen反応の場合と略同様であることが見出された.また,DNAとRNAの相関図より算出されたG0/Gの比より,非刺激時にあって基底細胞の多くはG0期にあること知った.
  • 1985 年 95 巻 6 号 p. 689-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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