日本皮膚科学会雑誌
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104 巻 , 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 堀越 貴志, 江口 弘晃, 小野寺 英夫
    1994 年 104 巻 5 号 p. 641-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    肝斑や炎症後色素沈着等の後天性色素沈着性疾患に対し,トラネキシム酸の内服が有効であると報告されている.培養ヒトメラノサイトをトラネキサム酸存在下で培養し,トラネキサム酸のメラノサイトの増殖,チロジナーゼの活性,メラニン産生に与える影響について検討した.トラネキサム酸1,5,10,50μg/ml存在下でメラノサイトの3H-thymidine3H-TdRの取り込み量はコントロール値に比べ有意に低下した.この取り込み抑制効果はトラネキサム酸1μg/mlの存在下で最も強く約50%減少した.トラネキサム酸0.1~1.μg/ml濃度では3H-TdRの取り込み量は変化しなかった.トラネキサム酸は0.5~50μg/ml存在下で,チロジナーゼ活性は有意差はないが増加する傾向が認められた.メラニン量には変化が見られなかった.14C-thiouracil(14C-TU)の取り込みは濃度依存性に増加した.14C-TUの取り込みの結果を見るかぎりトラネキサム酸はメラニン産生系に促進的に働くことが示された.今回の実験結果は,トラネキサム酸は,メラノサイトの増殖を抑制し,その結果色素沈着の軽減に働くという可能性を示唆した.しかし,トラネキサム酸のメラニン合成系に対する効果は,逆にメラニン合成系を促進する結果であった.メラニン合成糸に対する影響を検討するには,チロジナーゼ活性,メラニン量の測定,14C-TUの取り込み等のアッセイ系に加えさらに精度の高いアッセイ系を用いる必要があることが示唆された.さらに今後トラネキサム酸のメラノサイトに対する直接的な作用のみならず,角化細胞,あるいは他の細胞の線溶系等を介したメラノサイトへの間接的作用を検討する必要性が示唆された.
  • 赤井 容子, 赤松 浩彦, 李 秀萍, 伊藤 明, Christos C. Zouboulis, 朝田 康夫
    1994 年 104 巻 5 号 p. 647-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    リノール酸(C18:2cis9,12),パルミチン酸(C16)の皮脂腺の増殖に及ぼす影響を,ヒトの顔面より分離した皮脂腺を組織片培養して得られた培養脂腺細胞を用いて検討した.その結果,リノール酸は濃度依存性に培養脂腺細胞の増殖を促進し,一方,パルミチン酸は濃度依存性に増殖を抑制することがin virtoで判明した.面皰において,正常皮膚に比べてリノール酸の割合が減少し,パルミチン酸の割合が増加しているという事実より,この結果は,これらの遊離脂肪酸が面皰形成過程において,皮脂腺の増殖に影響を及ぼしている可能性を示唆するものと考えられた.
  • 仲 弥, 西川 武二, 松本 博子, 杉浦 丹
    1994 年 104 巻 5 号 p. 651-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    抗真菌剤(butenafineクリーム)外用時における手白癬・足白癬患者の鱗屑中の菌要素のviabilityをneutral red染色と培養を用いて経時的に評価した.投与症例32例中4週間経過観察できた10例につき検討した結果,治療前は全例菌要素陽性で,そのneutral red染色と培養も陽性であったが,外用4週後には菌要素陽性率は70%と高値であるのに対し,neutral red染色陽性率は20%,培養陽性率は10%と低下し,菌要素陽性率とneutral red染色陽性率の間に明らかに解離がみられた.このことから,抗真菌剤の効果判定においては,鱗屑中の菌要素の有無だけではなく,neutral red染色などを用いてこの菌要素のviabilityを評価することが重要と思われる.
  • 秋山 尚範, 多田 譲治, 牧野 英一, 鳥越 利加子, 阿部 能子, 戸井 洋一郎, 森下 佳子, 下江 敬生, 神崎 寛子, 荒田 次郎 ...
    1994 年 104 巻 5 号 p. 655-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    伝染性膿痂疹122例の皮膚病変部,右鼻腔前庭,右外耳道入口部よりStaphylococcus aureasの検出を初診時と可能なかぎり治療後に行った.分離S. aureasについてコアグラーゼ型測定,oxacillin(MPIPC)の最小発育阻止濃度(MIC)の測定を行った.MPIPCのMIC=4μg/ml≦のS. aureauをメチシリン耐性S. aureas(MRSA)とした.伝染性膿痂疹をアトピー性皮膚炎合併33例(AD+群)と非合併89例(AD-群)に分けて比較した.1)初診時検出菌の皮膚病変部のコアグラーゼ型別はAD+,-群ともⅤ型,Ⅰ型が多かった.アトピー性皮膚炎に発生した伝染性膿痂疹は湿疹病変部のS. aureasが原因ではなく,別に接種された伝染性膿痂疹を発症しうるS. aureasが原因であると考えられた.2)初診時検出菌の右鼻腔前庭と皮膚病変部のコアグラーゼ型の一致率はAD+群で17/33例(52%),AD-群で30/89(34%)であった.伝染性膿痂疹の感染経路として鼻腔前庭よりのautogenous infectionの重要性はいうまでもないがexogenous infectionの重要性について再認識した.3)MRSAの検出率はAD+,-群で差がない.初診時検出菌のMRSA検出率は皮膚病変部13/122例(11%),右鼻腔前庭12/66例(18%),右外耳道入口部4/28例(14%)であった.伝染性膿痂疹ではMRSAの検出率は現在でも少ない.4)治療終了時に皮膚病変部,右鼻腔前庭,右外耳道入口部のいずれか1ヵ所以上にS. aureusが残存する率はAD+群で7/10例(70%),AD-群で15/37例(41%)であった.治療後外来症例でも皮膚病変部,鼻腔前庭でMRSAに菌交代する症例が確認された.また皮膚病変部のS. aureusが鼻腔前庭へ波及し再感染源となりうる症例が存在する可能性が示唆された.
  • 橋本 喜夫, 筒井 真人, 松尾 忍, 飯塚 一
    1994 年 104 巻 5 号 p. 663-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
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    黄連,柴胡など皮膚疾患に頻用される14種類の生薬の豚表皮DNA合成に与える影響を検討した.黄連,黄柏,黄■は6時間処理(器官培養)で著明に3H-thymidine取り込みを抑制した.黄連のDNA合成抑制効果はDNA-flow cytometry(FCM)の結果からG1blockまたはG1/S boundary blockによると推察した.また黄連の主要な成分のひとつであるberberineが豚表皮細胞のthymidine取り込みを著明に抑制したことから,黄連のDNA合成抑制はberberineが主役を担っている可能性が示唆された.黄連はβアドレナリンアデニル酸シクラーゼ反応性(βresponse)の増強は示さなかったが,連■,柴胡はβresponseの増強作用を示した.さらに0.1%黄連軟膏を作成し,実験的表皮細胞増殖系(tape stripping系)に対し,1回塗布24時間後のthymidine取り込みを検討したが,in vivoでの抑制効果は認められなかった.
  • 梅林 芳弘, 大塚 藤男
    1994 年 104 巻 5 号 p. 669-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
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    Psueudocyst of the auricleの内容液中ではLDH(乳酸脱水素酵素)が増加していることが知られている.われわれは本症の3例において内容液LDHのアイソザイム分析を行い,いずれも4,5型が優位となる結果を得た.LDH4,5型優位のパターンは本症内容液で一般的に見られる所見であると思われる.また,このパターンは軟骨由来のLDHアイソザイムパターンに一致し,組織像と併せて考えると,LDHは変性した耳介軟骨から選出した可能性が高い.
  • 吉田 恵美子, 村田 実, 水谷 仁, 清水 正之
    1994 年 104 巻 5 号 p. 675-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    20歳女性の下腿にみられたM.chelonae subsp. abscessusによる難治性潰瘍を報告した.水族館勤務中にカワウソにより左下腿に咬傷をうけ消毒,抗生剤内服による治療をうけるが歯痕より皮疹は拡大し難治性潰瘍を形成.免疫不全,ステロイド投与などの既往はない.抗酸菌培養にてM. chelonae subsp.abscessus検出.抗結核剤,ミノサイクリンによる感受性検査では耐性を示したがミノサイクリン投与により潰瘍は著明に縮小し上皮化した.M. chelonae感染症は比較的希な疾患であるが,難治性外傷性潰瘍を見た場合考慮すべきものと考えられた.
  • 増居 茂樹, 松本 克夫, 横山 由紀子, 鈴木 正巳
    1994 年 104 巻 5 号 p. 681-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    ヒト毛髪の成長を実験動物上で観察できる系を確立する目的で,ヒト毛組織のヌードマウスへの移植を検討した.あらかじめ背部に移植床を形成したヌードマウスに外科手術の際に得たヒト毛組織を移植し,再生毛の経時観察を行った.移植時に組織に存在していた毛髪は一度脱落し,60~70日経過後に新たな毛髪が再生し,5~6ヵ月伸長し続ける成績を得た.再生毛組織部位を採取し,通常の方法により,光顕および電顕観察した結果,ヌードマウス上で形成された毛組織はヒト正常毛組織と同様な所見を示した.このヒト毛組織移植モデルは,ヒト毛成長の機序あるいは薬剤の影響を検討する有用な系となると考える.
  • 1994 年 104 巻 5 号 p. 685-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
  • 1994 年 104 巻 5 号 p. 730-
    発行日: 1994年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
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