日本皮膚科学会雑誌
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81 巻, 8 号
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  • 松葉 幹夫
    1971 年 81 巻 8 号 p. 641-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    固定薬疹は,1894年Louis Brocqが,アンチピリン服用時に限り身体各所の常に同一部位に生ずる境界鮮明,類円形の炎症性皮疹を観察し,これをeruption erythemato-pigmentee fixeとして報告したのが最初である.その後,数多くの薬剤が同様皮疹を生ぜしめることが報告され,今日では薬疹の中で最も多く見られる発疹型として知られている.本症はその独特の臨床像から診断は比較的容易であるが,原因薬剤の決定は必ずしも容易でない.また,今日まで諸家より多くの知見が出されているが,発生病理はもちろんのこと,臨床的にもなお判然としない点がいくつか認められる.著者は固定薬疹の臨床に再検討を加えるとともに,原因薬剤検索法の系統化を目的として若干の考察を行ない,いくつかの新知見を得たので報告する.なお,ここでいう薬疹とは薬剤の投与により,直接あるいは間接に皮膚や粘膜に現われる発疹をいい,薬剤の外用に基づく薬物性皮膚炎ないし接触性皮膚炎を含まない.
  • 安積 輝夫
    1971 年 81 巻 8 号 p. 656-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬,悪性円形脱毛症,慢性湿疹(痒疹および成人型アトピー性皮膚炎含む),掌蹠膿疱症および各種膠原病などの皮膚疾患はいずれも難治性で再発の傾向が強く,概して慢性の経過を辿り日常診療上長期に亘る副腎皮質ホルモン療法を余儀なくされる疾患である.これらの疾患の発症機序については物質代謝障害,自律神経異常,病巣感染に関連するアレルギー,自己免疫に由る免疫学的異常あるいは先天的素因,体質面などが強調され,これらに関する研究業績は枚挙の暇がないほどであるが,いずれの疾患においてもいまだ充分に病因論的に解明されたというにはほど遠い.これらの皮膚疾患を含めて多くの皮膚疾患において,その皮膚症状を全身障害の一表現として考えようとする動き,つまりそれぞれの皮膚疾患における全身性の疾患背景を追究しようとする態度が最近特に強調される傾向である.そのような立場からHormonal Factorが原因的に,また病態生理学的に注目されている皮膚疾患も多い.しかしながら皮膚疾患においては,そのHormonal Factorがそれぞれの内分泌腺の器質的変化に併う場合はAddison's Diseaseその他僅かの疾患に認められるに過ぎないこと,単一内分泌腺あるいは多腺性因子の異常が皮膚疾患に認められた場合,それらは皮膚疾患の全身性の疾患背景の一つと見なし得ても即原因と結びつかないこと,およびホルモン製剤特に副腎皮質ホルモン剤は上記疾患を含めて多くの炎症性皮膚疾患に対して著効を示すが,その効果は一時的である場合が多く,投与の中止によつて症状の再燃をきたし,真の治癒は容易に得られないことなどの理由で,副腎皮質ホルモン剤の臨床使用は対症療法の域にとどまり,皮膚疾患に関する内分泌学的方面よりの研究報告は少ないのが現状である.同様に上記皮膚疾患における副腎皮質機能に関する内外文献も少ない.しかし副腎皮質疾患,あるいは他の内分泌疾患に伴う皮膚病変の病態生理の理解にはもちろんのこと,上記皮膚疾患のごときしばしば長期に大量の副腎皮質ホルモン剤が使用される疾患においても,その疾患背景としての副腎皮質の状態およびステロイド剤投与に伴う副腎皮質の機能低下を把握することはその病態および治療上,われわれ臨床家にとつて必要なことである.したがつて著者は上記皮膚疾患の副腎皮質機能および副腎皮質ホルモン剤投与に伴う同機能の抑制状態を検討するために,各疾患の副腎皮質ホルモン剤非投与および長期~短期投与症例について,それらの副腎皮質機能の動態を検索する指標として下記の検査を実施した. 1)合成ACTHによるRapid ACTH Test 従来のβ1-24-ACTH 0.25mg静注法(One Shot法)に検討を加え,初回β1-24-ACTH 0.25mg静注後60分にさらに同量のβ1-24-ACTHを追加静注して,90分,120分まで血漿11-OHCSの消長を追跡する方法(Two Shot法)を採用した. 2)天然ACTH第一50IUによる6時間点滴静注法
  • 小西 喜朗
    1971 年 81 巻 8 号 p. 680-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    真菌類の微細構造に関する電顕的研究は最近ようやくかなりの数に達したが,動物細胞の場合よりも,技術的な難点がより多く,まだ不明な点が少なくない.著者は,当教室で行なわれて来た病原性真菌の微細構造に関する一連の研究の一つとしてAspergillus niger(以下A.nigerと省略)を担当し,その微細構造を電顕的に研究した.因みに,A.nigerの微細構造については,Tanaka & Yanagita,Tsukahara & Yamadaらの電顕的研究が発表されているが,それらは主に過マンガン酸カリ固定の材料について研究である.著者は,材料の固定において過マンガン酸カリのほか,オスミウムおよびグルタールアルデヒドを用い,それらの成績を比較した.
  • 肥田野 信, 西脇 宗一, 本藤 良, 木下 正子, 中島 忍, 小林 登喜子, 山本 達雄, 上杉 かおる, 青山 友三
    1971 年 81 巻 8 号 p. 705-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    1969年から1970年にかけて関東地方においてHand,Foot and Mouth Disease(手足口病)の爆発的流行がみられた.その流行状況を知るため,以下のような疫学的調査を行なつた.
  • 1971 年 81 巻 8 号 p. 712-
    発行日: 1971年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
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