日本皮膚科学会雑誌
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83 巻 , 7 号
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  • 水野 房子
    1973 年 83 巻 7 号 p. 297-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    完成したオロナイン皮膚炎では角層にmembrane coating granuleとケラトヒアリン顆粒とが著しく豊富にみられることが特色であった.実験的にオロナイン軟膏を塗布して,経時的に観察し,この変化の形式過程を追った.この場合,表皮での変化は顆粒層に於て最も著明で,とくに外用3週間目の顆粒層ではケラトヒアリン顆粒の著明な細片化がみられた.また有棘層上層から角層にかけてのmembrane coating granuleの著明な増加が認められた.完成期にみられる特異な角層の変化は角化しつつある細胞,基底層,有棘層の変化後かなり時期を経て表れるものと推定された.またオロナイン皮膚炎,尋常性魚鱗癬および遠山連圏状粃糠疹の3者は臨床的に病巣の表面の性状が極めて類似している.この3者の主として角層を電顕的に比較観察し明らかな違いのあることが分った.尋常性魚鱗癬では角層細胞の中は非常にせまく粗ですき間の多い模様を形成していた.ケラトヒアリン顆粒は認められず多少のmembrane coating granuleを含み,また角層細胞間に微細顆粒状物質が認められるところもあった.遠山連圏状粃糠疹では角層細胞は非常に平坦で,染色性がむらであったが,しかし角層そのものの巾と構成する角層細胞の数とはともに正常であった.しかし角層間のデスモゾームは少なく,電子密度の高い線維成分とそれの低い間質とから成る特有の角質模様を示した.角層内にケラトヒアリン顆粒およびmembrane coating granuleは認められなかった.オロナイン皮膚炎では角層は不均一で粗な構造を示し定型的ケラチン模様を作らず無数のケラトヒアリン顆粒とmembrane coating granuleとに富み,さらにリピッド,核および種々の細胞内小器官の陰影像を含んでいた.以上の角層の所見およびその他表皮,真皮に於ても明らかな相違をみるので,3者は肉眼的には一見類似していても,それぞれ全く別な病的過程で出来上がるものと考えられる.したがって遠山連圏状粃糠疹は尋常性魚鱗癬の異型であるという考えには賛成しがたい.
  • 青木 敏之, 藤田 益子
    1973 年 83 巻 7 号 p. 315-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    ヨード・デンプン反応を利用した発汗検査法は臨床的に広く使われているが,Minor法,Randall法,和田・高垣法などのこれまでの方法は,外来診察場において大量の患者を検査したり,発汗の状態を客観的記録に残したりするには難点があったので,改良を試みた.デンプン粒子は粉の状態やヒマシ油に浮遊させた状態では扱いにくいので,デンプンを寒天液の中に浮遊させ,スライドガラスの上に注いで乾燥させることによってスライドにデンプンの薄膜を作った.このデンプンスライドを使って従来通りの方法,即ち,ヨードを皮膚に塗り,デンプンスライドを当てて発汗を観察することができた(第Ⅰ法).この方法によると,これまでのヨード・デンプン反応を利用した発汗検査法に比べ,はるかに短時間の汗との接触で発色する.またスライドを交換することによって,ヨードが残っている間は経時的観察ができる.精確な経時的観察をするためにはヨードを皮膚に塗らない工夫が必要だと考え,スライドの方にヨードを塗ることを試みた.デンプンスライドにヨードを塗り乾かせると後を皮膚表面の汗と接触させるだけで発色が起った.残ったヨードは後で除去できる(第Ⅱ法).またデンプンスライドを皮膚に当て,汗を写し取ってからスライド上にヨードを塗っても発色がおこる(第Ⅲ法).第Ⅱ法は第Ⅰ法とほぼ同程度の感度を示し,第Ⅲ法はかなり劣る.これらの方法は手技が簡便であり写真撮影により精確な記録を残せるので,これまでの発汗検査法ではできなかった研究を可能にする.
  • 1973 年 83 巻 7 号 p. 319-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
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