単層細胞培養法と分光照射器とを用いて,in vitroの光毒性反応の作用波長を調べた.この方法から得た8-Methoxypsoralen(8-MOP),Demethylchlor-tetracycline(DMCT),3,3',4',5-Tetrachlorosalicyla-nilide(TCSA)およびProtoporphyrinIX(PP)の光毒性反応の作用波長はそれぞれ,300~380nm(ピーク330nm),310~430nm(ピーク380nm),310~400nm(ピーク360nm)および310~650nm(ピーク410nm,500~530nm,および590nm)であり,いずれも各薬物吸収波長の範囲内に認められた.上記薬物反応は次の4つのTypeに分類できた.(1)作用波長は吸収波長より長波長側に移行し,遅延反応型で,多少とも巨細胞の形成を伴うもの.洗滌の影響が少ない.8-MOPおよびUV単独がこれに相当する.(2)作用波長は吸収波長より長波長側に移行し,早期反応型で空胞を作るもの,洗滌の影響がない.DMCTによる反応が相当する.(3)作用波長が吸収波長より長波長側に移行し,早期反応型でShrinking-ballooning cellを形成する反応の場合.洗滌の影響がない.PPによる反応が相当する.(4)作用波長と吸収波長とが一致し,早期反応型でShriking-ballooning cellとなる場合.洗滌の影響がある.TCSAによる反応がこれにあたる.
抄録全体を表示