日本皮膚科学会雑誌
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105 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 井出 瑛子
    1995 年 105 巻 11 号 p. 1411-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    現在水疱性類天疱瘡(BP)抗原は分子量230kD,180kDの蛋白が主要抗原と考えられ,大多数のBP患者血清は230kD蛋白と反応する.著者は当教室にて単離されたマウス230kD BP抗原のC末端の約半分の翻訳領域を含むcDNAクローンであるBPM1より作成された2種のリコンビナント蛋白120kD(POP-BP1),60KD(XE)を用いて,100例のBP患者,50例の正常人,20例の天疱瘡患者血清と二種のリコンビナント蛋白との反応性をELISA法にて検討した結果,いずれを抗原とした場合とも,BP患者血清は正常人,天疱瘡患者血清と比較し,有意に高い反応性を示した.また,Immunoblot(IB)法における120kD(POP-BP1),60kD(XE)蛋白の反応性とELISA法の結果を比較した結果,IB法で120kD陽性と確認されている54例中51例(94%),60kD陽性の49例中48例(98%)がELISA法にてリコンビナント蛋白と高い反応性を示した.一方,尋常性天疱瘡抗原(PVA)は分子量130kDの蛋白で,落葉状天疱瘡抗原は分子量160kDのデスモグレイン(DG),一部の天疱瘡血清がデスモコリン(DC)と反応することが知られている.著者はヒトPVA,ウシDG,およびウシDCをコードするcDNAを用いてそれぞれのリコンビナント蛋白を得た.これらを用い,ELISA法にて尋常性天疱瘡および落葉状天疱瘡患者血清との反応性を比較検討した.その結果,三者のいずれを抗原とした場合も,天疱瘡患者血清は正常人血清と比較し,有意に高い反応性を示した.また,IB法におけるPVA,DG,およびDCリコンビナント蛋白の反応性とELISA法の結果を比較した結果,IB法でPVA陽性と確認されている血清15例中11例(73%),DG陽性血清の10例中7例(70%),DC陽性の血清中4例中3例(75%)がリコンビナント蛋白と高い反応性を示した.以上の結果より,ELISA法はIB法とほぼ同様にBP抗原だけでなく,PVA,DG,DCを検出できることが明らかになった.今回の結果はこれらのリコンビナント蛋白を用いたELISA法が,今後手法を更に改善する事によって,従来の蛍光抗体法と同様,有用な診断法になりうる可能性を示したと思われる.
  • 木ノ内 基史, 高橋 英俊, 橋本 喜夫, 中尾 稔, 宮本 健司, 飯塚 一
    1995 年 105 巻 11 号 p. 1423-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    旭川医科大学および関連施設で過去に皮膚リンパ球腫と診断した17症例について,ホルマリン固定,パラフィン包埋組織からPCR法を用いBorrelia burgdorferi(Bb)flagellin遺伝子の検出を試みた.その結果3例にBb遺伝子が検出され,皮膚リンパ球腫の病因としてライム病ボレリアが関与する可能性が示唆された.皮膚リンパ球腫の発症におけるライム病ボレリアの関与のメカニズムは現在のところ不明であるが,本邦でのライム病臨床像および伝播疲学が解明されるに従い明らかになっていくと思われる.
  • 長沼 雅子, 八木 栄一郎, 山瀬 由記, 福田 實
    1995 年 105 巻 11 号 p. 1427-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    紫外線感受性の性差を求めるため,紫外線曝露をほとんど受けていないと考えられる上腕内側を測定部位とし,主としてUVBを放射する蛍光灯と主としてUVAを放射する蛍光灯を各々2本組み合わせ光源とし,最少紅斑量(MED)の測定を行った.その結果皮膚色に性差は認められなかったが,MEDは有意に男性の方が低かった.これが紫外線の慢性的な傷害である日光角化症や有棘細胞癌の男性での発症率の高さの一因と考えた.
  • 石原 政彦, 安部 みどり, 浦島 玲子, 左野 喜實, 三原 基之
    1995 年 105 巻 11 号 p. 1431-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    松江赤十字病院皮膚科において過去4年間(1989年4月~1992年10月)にマムシ咬傷39例を経験した.受診数は年間約10例で男女差がみられず,月別では7~9月に多くみられた.年齢別では50歳台に多く,この理由として農作業中の受傷によるものが多いためと思われた.時刻別発生数では夕方前から日没にかけて集中していた.受診時間は受傷後30分台が最も多く,ほとんどの例で2時間以内に受診していた.受傷状況は田畑や自宅庭での農作業中が多く,そのため受傷部位は手指,次いで足関節より末梢側の順であった.治療ではセファランチン単独群とセファランチン+抗毒素群との間で重症度別に入院ならびに治療日数を比較検討したが有意差はみられなかった.重症度別のGOT,CPK,LDHの比較ではGrade ⅣにおけるLDH値のみがセファランチン+抗毒素群において有意に低値であった.これは重症化例での抗毒素の有用性を示唆するものであった.しかし抗毒素の使用にもましてマムシ咬傷の治療で重要なことは重症化を防ぐことであり,それには受診時の乱切等による排毒処置である.これがうまく行かず重症化する場合にはその後の経時的変化の慎重な経過観察が必要であり,少なくとも局所の腫脹がみられる場合は入院治療が必須であると考えられた.
  • 山﨑 直也, 佐々木 英也, 浅野 一弘, 石原 和之
    1995 年 105 巻 11 号 p. 1439-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    進行期悪性黒色腫21例に対し,cisplatin-dacarbazine-vindesine併用化学療法を行い,その臨床効果について検討した.化学療法は6日間で1コースとし,第1日にcisplatin 80mg/m2を点滴静注,第2日にvindesine 2mg/m2を静注,第2日から第6日までdacarbazine 120mg/m2を連日5日間,総量600mg/m2を静注投与した.21例中1例にcomplete response(CR),6例にpartial response(PR)が得られ奏効率は33%であった.部位別には,粘膜,リンパ節に対する感受性が高かった.Kaplan-Meiyer法による生存率の検討では,1年生存率52%,2年生存率13%であり,50%生存期間は14ヵ月であった.副作用については悪心,嘔吐と白血球減少が高頻度にみられ,cisplatinの副作用として注意すべき腎毒性に関してはBUN上昇が6例,クレアチニンの上昇が2例,蛋白尿が7例に認められたがいずれも一過性であった.
  • 岡田 裕之, 渡辺 晋一, 高橋 久
    1995 年 105 巻 11 号 p. 1445-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    症例は83歳の女性.左0・狽ゥら左耳前部にかけて8×5×4.5cm大の赤褐色,弾性硬,カリフラワー状の腫瘤が存在し,表面に壊死組織が付着し悪臭を放っていた.各種抗keratin抗体,特にKs20.8.での免疫組織化学的所見で核近傍に封入体状の陽性所見を認めたため,Merkel細胞癌(以下MCC)と診断した.治療はLineac照射を行い,一時原発巣の消失を認めたが,約3ヵ月後に局所の再発と全身転移を来たし,初診の約15ヵ月後に死亡した.剖検標本の電顕所見ではdesmosome様の構造や有芯顆粒を認め,核近傍のintermediate filamentの集塊は抗keratin抗体で陽性に染色される封入体様の構造物と同一のものと思われた.近年MCCにはkeratinの発現がみられることが報告されている.抗keratin抗体の種類によっては免疫染色が陰性になることもあるが,単層上皮型keratinやCK20に対する抗keratin抗体を用いた免疫組織化学染色では核近傍に封入体様のMCCに特徴的な陽性所見が認められる.これらの所見はホルマリン固定,パラフィン包埋した検体からも検索可能であることから,いくつかの抗keratin抗体による免疫組織化学的検索はMCCの診断上簡便でしかも有用な方法と考えられた.
  • 1995 年 105 巻 11 号 p. 1451-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
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