日本皮膚科学会雑誌
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112 巻 , 14 号
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生涯教育講座
  • 金子 史男
    原稿種別: 生涯教育講座
    2002 年 112 巻 14 号 p. 1799-1806
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    Although the etiology of Behçet’s disease (BD) is poorly understood, the number of BD patients registrated with the Ministry of Health, Labor, and Welfare is still increasing and it reached almost 18,000 in 2002. Epidemiologically, the prevalence rate of BD patients worldwide is estimated to be high in Middle-Eastern countries and the districts along the “Old Silk Road” to China, Korea, and Japan. More than 60% of BD patients are reported to have HLA-B51 in their genetic background. There are some etiological hypotheses for BD, including virus infection, bacterial infectious allergy, and abnormal immunological phenomena including autoimmunities, etc. Recently, however, streptococcal infectious allergy associated with various immunoabnormalities which induce 65kDa of heat shock protein (HSP-65) and HSP-60 in the sera of the patients has been pointed out as an important factor in BD pathogenesis. Herein, I would like to introduce the recent study trends and our experimental results showing that Streptococcus (S.) sanguis (uncommon KTH-1 selotype) DNA gene (Bes-1) was found in the BD lesions (aphthous and genital ulcerations, perifoliculitis and erythema nodosum-like eruptions) by polymerase chain reaction (PCR) method PCR-in situ hybridization (ISH) revealed the presence of Bes-1 in the endothelial cells and macrophages that had infiltrated into the lesions. The results suggest that S. sanguis from the infectious foci of the patients’ oral cavity might play an important role in the pathogenesis of BD.
原著
  • 浅越 健治, 山崎 修, 牧野 英一, 佐藤 修平, 平木 祥夫, 岩月 啓氏
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 14 号 p. 1807-1815
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    Sentinel node(以下SN)biopsyを施行した悪性黒色腫10例について検討した.平成12年2月以前の4例では術中に色素を用いる方法(色素法)のみで,それ以降は術前リンフォシンチグラフィー(以下LS)も併用した.色素法単独では4例中2例で,計3個のSNが同定された.SNを同定できなかった2例は下肢原発で,患肢に高度な外傷の既往があった.LS併用例では6例全例で計10個(1例平均1.67個)のSNを同定した.複数のリンパ節領域にSNを認めた症例はなかった.またLSを施行した下肢原発例5例中3例では腸骨領域にもhot spotを認めた.SNを同定できた8例中6例,摘出したリンパ節13個中6個に微少転移を確認した.微小転移の判定にS-100,HMB-45,MART-1に対する免疫染色を用いたが,鋭敏度,特異性の面でMART-1が優れていた.HMB-45はSN転移陽性例6例中3例で陰性であったが,そのうち1例では原発巣真皮内の腫瘍巣もHMB-45がほぼ陰性であった.SNへの転移を認めた症例のうち2例にリンパ節郭清術を追加したが,SN以外のリンパ節への転移は確認されなかった.SN転移陰性の2例には,再発および転移を認めていない.SN転移陽性だがリンパ節郭清術を施行し得なかった4例のうち1例で,29カ月後にリンパ節転移を生じた.LSを併用した例では,色素法単独と比べ小さな皮切,剥離範囲で施行でき,確実性も高いと考えられた.しかし,SNをより確実に生検するためには,術中にガンマプローブガイド下にRI含有リンパ節を同定する方法の併用が望まれる.
  • 濱 直人, 大塚 俊, 山崎 雙次
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 14 号 p. 1817-1825
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    56歳,女性.皮膚筋炎に伴う間質性肺炎にステロイドパルス療法を施行,その後プレドニゾロン減量中に,発熱,呼吸器症状が出現し,気管支肺洗浄でニューモシスチス・カリニ囊子が認められ,ニューモシスチス・カリニ肺炎と診断された.ST合剤(バクトラミン®),Pentamidine isetionate(ペンタミジン®)を投与するも効果なく死亡した.48歳,男性.11年前SLE発症.5年前よりSLEの増悪なく,PSL5~7.5mg/日,シクロフォスファミド50~100mg/日の維持療法中に,急に発熱が出現した.他に自覚症状なく,各種培養検査もすべて陰性で,胸部単純レントゲン,胸部CTで所見に乏しく診断に苦慮したが,血中β-Dグルカン値高値,ならびに肺ガリウムシンチ所見より気管支肺洗浄を行いカリニ肺炎と診断,またサイトメガロウイルスアンチゲネミア法にて,サイトメガロウイルス肺炎の診断に至った.治療としてバクトラミン,ガンシクロビルを併用し,血中β-Dグルカン値,血中KL-6血がニューモシスチス・カリニ肺炎の指標に,またサイトメガロウイルスアンチゲネミアがサイトメガロウイルス肺炎の活動性の指標として有用であった.肺炎は徐々に改善したが,薬剤性の骨髄抑制を生じ,敗血症,DICを併発して死亡した.治療にステロイドや免疫抑制剤を頻用する膠原病患者では,ニューモシスチス・カリニ肺炎の発症に十分注意すべきと考えた.
  • 岩田 洋平, 小寺 雅也, 臼田 俊和, 岩田 貴子, 八代 浩, 木村 多美
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 14 号 p. 1827-1833
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    SLEの治療経過中にカリニ肺炎を発症した1例を経験した.SLEの増悪に伴って,全身倦怠感,関節痛が出現し,汎血球減少,著明な補体低下も認められた.また,CNS lupusを合併するなどSLEとしての病勢が著しかったため,2クールのステロイドパルス療法を施行した.二回目のパルス療法後,突然の呼吸困難を自覚するようになり,血液ガス分析上急激な酸素分圧の低下も認められた.胸部X線上では明らかな肺炎像は認められなかったが,胸部CTでは間質性肺炎像を呈していた.各種抗生剤,免疫グロブリン製剤は無効であり,カリニ肺炎を疑ってST合剤内服開始したところ著効を示し,速やかに間質性肺炎は軽快した.気管支肺胞洗浄液を用いたPCR法でP. carinii DNAを検出し,カリニ肺炎と確定診断することができた.ステロイド治療に伴った日和見感染症では,早期診断と治療が重要であり,予後を左右する大きな要因と考えられた.
  • 矢野 克明, 玉田 康彦, 松本 義也
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 14 号 p. 1835-1838
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2014/12/27
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    タクロリムス軟膏が著効したアトピー性皮膚炎患者の顔面黄色腫の一例を報告した.症例は68歳の男性.幼少時よりアトピー性皮膚炎の治療にて,長期にわたりステロイド軟膏を顔面に外用していた.1996年より下眼瞼・頬部にびまん性の黄色局面が出現.血液検査にて,脂質代謝に異常所見を認めず,病理組織像では,表皮の萎縮とともに真皮浅層から中層にかけて,泡沫細胞の集簇を認めた.以上の所見から,自験例をアトピー性皮膚炎患者の顔面に生じた正脂血性扁平黄色腫と診断.治療では,ステロイド軟膏の外用を中止,遮光指導,白色ワセリンの外用を行うも軽度の消退傾向を認めるのみであった.そのため,初診から3年後の1999年より,タクロリムス軟膏の外用に切り替えたところ,約1年の経過で黄色腫は完全に消退した.自験例の黄色腫は,慢性炎症がその発症に深く関与しているものと推測され,ステロイド軟膏と同等の抗炎症効果を有する一方で,皮膚萎縮,毛細血管拡張などの皮膚障害作用を持たないタクロリムス軟膏が,有効に作用したものと考えた.
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