日本皮膚科学会雑誌
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117 巻 , 9 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
委員会答申
皮膚科セミナリウム 第28回 皮膚炎
  • 海老原 全
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第28回 皮膚炎
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1411-1415
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
  • 佐伯 秀久
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第28回 皮膚炎
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1417-1425
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)は増悪・寛解を繰返す,瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり,患者の多くはアトピー素因を持つ.ADは遺伝的な体質や様々な環境因子,精神神経的な要素などが複雑に絡み合って発症するが,病因を大別すると免疫アレルギー的機序と異常な皮膚機能に分けられる.ADの炎症に対してはステロイド外用療法を主とし,生理学的異常に対しては保湿剤外用を含むスキンケアを行い,瘙痒に対しては抗ヒスタミン剤,抗アレルギー剤を補助療法として併用し,悪化因子を出来るだけ除去することを治療の基本とする.
  • 乾 重樹
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第28回 皮膚炎
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1427-1432
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    その概念の端緒を1887年のUnnaの命名とする脂漏性皮膚炎は日々の外来診療でしばしば遭遇する疾患である.新生児期から乳児期に生じる乳児脂漏性皮膚炎と思春期以降に生じる成人期脂漏性皮膚炎に分類される.病因論的にはマラセチアとの関連が重要視されている.診断は被髪頭部,顔面,腋窩,鼠径部などの脂漏部位に脂性鱗屑を伴う紅斑を生じているのを観察することによって行い,その診断はたやすいと思われがちである.しかし,実は多種の皮膚疾患が似た臨床像を呈することが,この疾患の“一見易しそうに見えて難しい”点であり,ときに鑑別診断に悩む例もある.治療は部位と炎症の強さによって剤形の選択とステロイド外用剤とケトコナゾール外用剤の使い分けをどう行うかを理解しておくべきである.
原著
  • 河崎 玲子, 亀井 恭子, 安川 史子, 加藤 しおり, 細川 知聡, 斉藤 知子, 今山 修平
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1433-1438
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    タイオーバー(tie over)法は,遊離植皮術の際の固定法として広く使用されているが,除去までの約1週間は植皮片の状態を観察できない.そのためタイオーバー下で生じ得る出血や壊死への早期対応ができないという欠点がある.そこで近年発達した透明の粘着フィルムを利用して,以下の固定法を考案して実施した.すなわち,①植皮片の縫合糸は一般縫合と同様に短く切る.②植皮片より2 cmほど大きめに切り抜いた透明粘着フィルムにて,植皮片全体を周囲皮膚と固定する.③そのフィルムの上に,圧迫のためのテフロン綿を当て,④最後に,そのテフロン綿の2~3倍の面積の透明フィルムまたは粘着テープにて全体を固定する.この方法を2005年以降10例の植皮術に試行し(分層植皮3例,メッシュ植皮1例,全層植皮6例),8例で完全な生着が得られた.不完全生着の2例では植皮片の一部が遊離したものと術後安静が不良で一部の壊死がみられた.本法は透明粘着フィルムを用いるため,①植皮片の観察が容易であり,出血・感染の対策が早期に行えること,②手技が簡便で手術時間の短縮になること,③縫合部のみならず植皮部を中心にその周囲2~3倍の面積の皮膚が(上層のフィルムにて固定されるため)安静を保持できること,などの利点がある.逆に欠点としては,凹凸面や可動部位では植皮片の安定が困難であること,圧迫が軽度であるために細かな止血が求められることが挙げられる.
  • 古賀 浩嗣, 平方 佐季, 河崎 玲子, 亀井 恭子, 安川 史子, 市川 竜太郎, 斉藤 知子, 小林 良三, 上杉 憲子, 今山 修平
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1439-1443
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    71歳,女性.糖尿病と高血圧の加療中であった.約1カ月前に陰部右側を搔破後に痛みを感じた.その2週間後に疼痛の拡大とともに全身の倦怠を感じた.近医にて,WBC,CRP高値,CTにて腹直筋周囲の膿瘍を指摘され,抗菌剤による入院加療を受けるも軽快せず当院転院となった.入院時,全身状態は不良であったものの意識清明であった.入院時に外陰部から右側腹部に存在した板状の皮下硬結は,治療経過中にトンネル状に対側腹部まで波及した.抗菌剤投与および切開排膿ドレナージを計3回と全麻下でのデブリードマンを計2回行い,全身状態の改善とともに検査値も正常化したが全経過は37日間に及んだ.組織所見では浅筋膜から皮膚全層の広範な壊死像がみられ,培養にてPeptostreptococcus microsが分離同定された.
  • 藤澤 章弘, 神戸 直智, 齋藤 潤, 西小森 隆太, 平家 俊男, 宮地 良樹
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1445-1450
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    京都市在住の12歳男児.生後3日目より蕁麻疹様紅斑が出現.皮疹は寒冷刺激によって増強し,移動性で色素沈着を残さない.明らかな精神発達遅延や関節炎症状は認めないが,低身長があり,皮疹増悪時には頭痛と倦怠感を伴う.末梢血白血球数は好中球優位の上昇(15.8×109/L,74%)を示し,CRP高値(4.4 mg/dL)を認めるが,腎機能は正常である.父親にも同様の症状があり,加えて感音性難聴を認める.クライオピリン関連周期熱症候群(cryopyrin-associated periodic syndrome)と臨床診断し,同意を取得後CIAS1遺伝子の検索を行い,男児と父親からR260W(778C>T)の変異を同定した.本邦で今日までに報告されている本症の家系例は,1976年に玉置らによってMuckle-Wells症候群として報告された1家系および,1987年に山下らによって家族性寒冷蕁麻疹として報告された1家系の2家系のみであり,自験例は本邦での3家系目の報告であるとともに,CIAS1遺伝子変異を同定し得た本邦での最初の家系例である.
  • 中村 和子, 高橋 一夫, 山根 裕美子, 池澤 優子, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 9 号 p. 1451-1458
    発行日: 2007/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    ステロイド性骨粗鬆症はステロイド全身投与の副作用として重要であるが,これまで十分な対策がとられてきたとはいえない状況にある.今回我々は当科水疱症外来に通院し,長期ステロイド内服加療を受けている18症例について,ステロイド性骨粗鬆症とその予防・治療薬であるビスフォスフォネート製剤の効果について検討した.疾患の内訳は尋常性天疱瘡(PV)7例,落葉状天疱瘡(PF)4例,水疱性類天疱瘡(BP)7例であり,PV,PF群とBP群の2群に分けて検討した.PV,PF群ではステロイド総投与量は9.4 g~268 g(平均47.6 g),投与期間は17カ月~252カ月(平均73.6カ月)であった.WHOの骨粗鬆症の診断基準により分類したところ,骨粗鬆症1例,骨量減少5例であった.骨折は3例に認め,その内訳は骨粗鬆症1例と骨量減少1例,骨密度正常1例であった.治療は全例にビスフォスフォネート製剤の投与を行っていた.BP群ではステロイド総投与量は1.3 g~32.6 g(平均13.2 g),投与期間は15カ月~57カ月(平均33.9カ月),骨粗鬆症1例,骨量減少4例であった.骨折は骨密度が正常な1例に認めた.治療はビスフォスフォネート製剤を5例に,ビタミンD3製剤を1例に,ビタミンK2製剤を1例に投与していた.また18例の中でビスフォスフォネート製剤を比較的長期に投与している7例について,骨密度と尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)の変化について検討したところ,1例で腰椎骨密度が減少し,2例で尿中NTXが上昇した以外は,ビスフォスフォネート製剤投与後に骨密度の増加,骨吸収マーカーの減少を認めた.今後さらに長期観察,症例の集積が必要であるが,皮膚疾患の領域においてもステロイド性骨粗鬆症の骨折予防にビスフォスフォネート製剤が有用であることが示唆された.
学会抄録
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