日本皮膚科学会雑誌
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109 巻 , 11 号
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  • 佐藤 伸一
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1563-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    B細胞の抗原受容体は,B細胞の生存,移動,増殖,分化を,周囲の状況に応じて,増強性に制御したり,あるいは抑制性に制御するシグナルを伝達することによって,B細胞免疫の中心的な役割を果たしている.本稿はB細胞による液性免疫と免疫学的寛容の誘導において,互いに質的に異なる正あるいは負の免疫反応が抗原受容体を介するシグナルによってどのように制御されているかという点に焦点を合わせて解説した.このようなB細胞活性化の統合的な過程の背後に存在する仮説ないし論理は,自己免疫,免疫不全,アレルギー,腫瘍などにおける免疫反応の異常を理解したり,さらにその免疫反応を選択的に,抑制したり,変調したり,あるいは増強したりしうる効果的な治療法の開発にも役立つものと考えられる.
  • 飯田 孝志, 村松 勉, 白井 利彦
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1571-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    水疱性類天疱瘡(BP)の水疱発症の機序を明らかにするために,BPと診断された28例の患者の病変部皮膚における各種基底膜部成分(α6 integrin,β4 integrin,laminin5,typeⅣcollagen,typeⅦcollagenおよび180kDの水疱性類点疱瘡抗原(BP180)の病原性エピトープとされるNC16A domain)の発現を蛍光抗体法を用いて検索した.その結果,水疱部ではα6 integrinとβ4 integrinの発現は消失し,laminin5,typeⅣcollagenおよびtypeⅦcollagenの発現が水疱底に認められた.BP180のNC16A domainに対する抗体を用いた検索では,大部分の症例で,水底部および非水疱部ともにその発現は減弱または消失していた.これらの症例の血清は正常ヒト表皮抽出物を用いた免疫ブロット法で180kD,230kDの一方,もしくは両方の類天疱瘡抗原蛋白と反応した.180kDの抗原蛋白と反応したすべての血清は,BP180のNC16A domainの42個のアミノ酸を含むリコンビナント蛋白であるS△1と陽性反応を示した.免疫ブロット法の結果と病変部皮膚での各種基底膜部成分の発現との間には関連性は認められなかった.以上のことより,BPにおける水疱形成には,BP抗原に対する自己抗体の反応の他に,α6β4 integrinの抗原性の変化および機能の障害が関与することが示唆された.
  • 相原 道子, 池澤 善郎
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1581-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    1981年から1997年の過去17年間におけるToxic Epidermal Necrolysis(TEN)の本邦報告例について,生存例の群と死亡例の群について比較し,TENの予後に影響を与える因子を臨床的に検討した.また,同期間のStevens-Johnson syndrome(SJS)の報告例についても調査し,この二疾患の死亡例の違いについても検討を加えた.調べえたTENの報告数は287例(生存例211,死亡例58,予後の記載のないもの18)で,男女比は全体で1:1.5,死亡例で1:1.2,平均年齢は全体で44歳(1~87歳),生存例41歳,死亡例54歳であり,死亡率は21.6%であった.基礎疾患はTEN死亡例では感染症で他疾患の合併がないものは41%と生存例の38%とほぼ同じ割合であったが,術後発症と悪性腫傷の比率が生存例と比較して有意に高かった.原因薬剤は生存例,死亡例ともに,抗菌剤と消炎鎮痛解熱剤が最も多く,これらを合わせたものが前者で58%,後者で72%を占めた.TEN発症までの投薬期間は,生存例では2週間以内に発症したものが73%と死亡例の54%より多く,1ヵ月以上投与されてから発症した症例では生存例と死亡例がほぼ同数認められた.粘膜障害や肝機能障害の合併率は生存例と死亡例のあいだに差が認められなかったが,1年以内に死亡した症例では障害が多臓器にわたるものが多かった.以上まとめると,高齢,消耗性疾患や内臓病変を伴う基礎疾患,長期投与後の発症,多臓器障害の合併がTENの死亡に至るための重要な要因と考えられた.また,SJS死亡例は17例,死亡率は6.3%,男女比は1:2.4,死亡時期は発症後14日以内のものの比率はTENと大差なかったが,7日以内および1年以上経過したものは1例も認められなかった.合併症としては,気道粘膜の障害による呼吸困難を合む呼吸器障害が69%と,TENの34%より有意に高かった.
  • 石黒 直子, 岡本 玲子, 山本 由美, 市川 雅子, 山田 美奈, 川島 眞, 肥田野 信, 清水 悟, 土田 哲也
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1591-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    エリテマトーデス患者83例を,土田らの提唱する診断名の分類を用いて分類し,その臨床経過及び臨床像について検討した.臨床経過より,土田らの分類はさらに大きく3つのグループに分けられると考えた.すなわち,CLEとILEⅠはCLEとして1つのグループにまとめられ,ILEⅡとSLEⅠは軽症型SLEとして,SLEⅡは重症型SLEとして各々1つのグループと考えた.軽症型SLEの中で,最終的にILEⅡにとどまる症例は,中高年で発症し,初診時に蝶形紅斑を欠く例が多い傾向がみられた。また,SLEの活動性を示す所見とされる.発熱や白血球数の減少,免疫複合体の上昇,CH50,C4の低下をみない例が多い傾向がみられ,比較的低用量のステロイドでコントロール可能な皮膚を反応の主座とする予後良好のグループと考えられた.
  • 森 啓之, 古谷 浩, 渡辺 晋一
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1603-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    帝京大学皮膚科学教室を受診した太田母斑患者280名に対し,その性状等について統計的検討を加えた.受診年齢は20歳代が最も多く,男女比は1対4.5と女性に多かった.発症年齢は1歳未満が45%をしめ,その後6歳と12歳前後に小さなピークを認めた.色素の増強は10歳代後半にピークがみられる例が半数以上をしめた.色素斑の存在部位としては両下眼瞼と頬部に多く認められた.口腔メラノーシスは14%にみられ従来の報告とぼけ同じであったが,眼球メラノーシスは49%とやや低率であった.皮疹の色調としては青色調が最も多く,性状としてはびまん性が多数をしめた.
  • 橋本 幸子, 真鍋 求, 須賀 康, 溝口 将之, 千秋 達雄, 小川 秀興
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1609-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    タンパク質脱イミノ化酵素(peptidylarginine deiminase)は,表皮の最終分化過程において,その生物学的役割が注目されている酵素である.我々は抗修飾シトルリン抗体を用いて過増殖表皮の脱イミノ化タンパク質の局在を検討した.その結果,脱イミノ化タンパク質は正常表皮では角層最下層の細胞質中にのみ局在し,錯角化を伴う過増殖表皮では角層に残存する核に局在していた.この所見は,異常角化過程におけるPADの動態を推察する上で興味深い所見と思われる.
  • 照屋 操, 上里 博, 稲福 寿史, 上原 啓志, 野中 薫雄, 安里 剛, 大城 稔
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1613-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    我々は,亀頭部に尖圭コンジロームおよびボーエン病を合併し,陰嚢部にボーエン癌がみられた63歳男性の症例を報告した.亀頭冠に沿って紅灰白色の疣状の丘疹が多発し,その組織所見では構成する細胞には異型性がみられず,表皮細胞の増殖がみられ,典型的な尖圭コンジロームであった.また亀頭頸から亀頭部にかけて,淡紅色の境界が明瞭な中央にびらんのある局面がみられ,その組織所見は,表皮全体の細胞の構築に乱れがあり,核は異型性に富み,ボーエン病に一致していた.左陰嚢部の皮疹は,大きさが30×25mmで境界が明瞭な淡紅色の扁平の皮疹を呈し,一部にびらんも認められた.その組織所見は,表皮全層に大小不同および異型な核を有する腫瘍細胞がみられ,大部分がボーエン病に類似する所見であったが,一部の腫瘍細胞は真皮中層に浸潤する態度を示したため,ボーエン病から進展したボーエン癌と診断した.human papillomavirus(HPV)に対するpolyclonal抗体を用いた免疫染色では,尖圭コンジロームにおいてはHPV抗原が陽性であったが,亀頭頸から亀頭部のボーエン病および陰嚢部のボーエン癌では陰性であった.HPVのワイドスペクトラムのプローブを用いたin situ hybridization法では各々の病変部核内にHPV陽性所見が得られた.またPCRおよびsequencingにより尖圭コンジロームでHPV6b,ボーエン病・ボーエン癌ではHPV33が検出された.以上のことより自験例は外陰部に発生した,HPVが関与する尖圭コンジローム,ボーエン病,ボーエン癌の合併した稀な症例と考えられた.
  • 長野 文子, 渡邊 亜紀, 野中 由紀子, 古賀 哲也, 若松 一雅, 伊藤 祥輔, 中山 樹一郎
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1621-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    31歳,女性.幼少時より下腹部に黒色~灰色~茶褐色のまだら状の皮疹を認めていた.妊娠を契機に皮疹は増大・隆起し,第1子出産後,当科を紹介され受診.下腹部正中やや右寄りに22×17mmのまだら状斑がありその中央部に径1cm大の黒灰色結節が存在.腫瘤の近縁は不整で周囲に染みだしも認められた.excisional biopsyを施行.病理組織学的に悪性黒色腫と診断し,その後拡大切除術および右鼠径リンパ節郭清術を施行.HE染色にて摘出した所属リンパ節に明らかな転移巣はなかったが一部にHMB-45染色陽性の細胞が認められた.切除した組織中のエストロゲンおよびプロゲステロンレセプターは陰性であった.StageⅡ(pT3bNoMo)と病期分類し,術後補助療法として化学療法および免疫療法を行った.さらに,本症例の切除標本の組織中5-S-CD値を測定し,初診時の切除標本で,腫瘤部は73.40ng/mg,腫瘤部近傍は0.76ng/mg,腫瘤部より約2.5cm離れた部位は0.70ng/mgという結果であった.さらに原発巣部の拡大切除時の標本で,中央の原発巣部に一致して4.75ng/mgと組織中5-S-CD値の軽度高値を認め,瘢痕より約5cm離れた部位は0.32ng/mgと低値であった.以上より組織中5-S-CD値の測定は微小な転移巣の早期発見,あるいは残存病巣の確認に有用性が高いと判断した.
  • 土岐 真理子, 永井 稔子, 勝田 潤子, 荻野 篤彦, 佐々木 義行
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1627-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    HIV感染患者にみられた毛孔性紅色粃糠疹の1例を報告した.39歳,男性,同性愛者.平成8年5月,HIV陽性と診断されジドブジン(AZT),ジダノシン(ddI)による治療を受けた.11月末頃より全身に瘙痒を伴う毛包一致性の丘疹と掌蹠に角化を伴う紅斑が出現し,ステロイド外用剤のみで経過観察していたが皮疹は軽快傾向が認められず,治療に抵抗性であった.組織学的所見は毛包中心性の角質増殖,不全角化,毛包周囲性のリンパ球浸潤を認め毛孔性紅色粃糠疹と診断した.CD4陽性細胞(CD4陽性リンパ球)が68個/μ1に低下したためAZT,ラミブジン(3TC),インジナビル(MK639)による3剤併用療法を開始したところ,CD4陽性細胞の上昇に伴い皮疹も次第に軽快に向かった
  • 清水 宏和, 新田 悠紀子
    1999 年 109 巻 11 号 p. 1633-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    26歳,女性.平成3年より顔面,足底に環状紅斑出現.抗核抗体,抗SS-A/抗SS-B抗体陽性.下口唇の小唾液腺生検よりシェーグレン症候群(SjS)と診断.平成6年9月より耳下腺腫脹のため時々Prednisoloneを内服していた.平成8年6月18日より,38度台の熱発を認め,抗生剤,非ステロイド系抗炎症剤投与にて解熱せず入院した.6月22日夜より頭痛,6月24日より傾眠傾向出現.白血球増多,CRP高値.髄液検査では,髄圧亢進,混濁(±),細胞数,蛋白増加,細菌培養陰性.SjSに伴う髄膜炎と診断し,パルス療法施行後,7月1日症状消退し,CRPは陰性化,髄液所見も改善した.
  • 1999 年 109 巻 11 号 p. 1637-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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