日本皮膚科学会雑誌
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113 巻 , 12 号
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生涯教育講座
  • 佐山 浩二
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1791-1797
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
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    Recent findings abont the intracellular signaling mechanisms of epidermal keratinocytes are described in this report. Epidermal keratinocytes undergo differentiation as they leave the basement membrane and form the multilayered epidermis. Adhesion signals regulate early phase keratinocyte differentiation. These signals are transmitted to intracellular signaling cascades via integrins through integrin-linked kinase (ILK) in a phosphatidyl inosito (PI) 3 kinase-dependent manner, and PI3K regulates early phase keratinocyte differentiation. The mitogen activated protein (MAP) kinase cascade has been characterized as a core signal transduction pathway that is conserved from yeast to humans. This cascade consists of three distinct protein kinase families, MAP kinase, MAP kinase kinase (MAPKK), and MAP kinase kinase kinase (MAPKKK). MAPKKK activates MAPKK, which in turn activates MAP kinase. The MAP kinase superfamily consists of the classical MAP kinase (extracellular signal regulating kinase; ERK) family, the c-Jun N-terminal kinase (JNK, also known as stress-activated protein kinase; SAPK) family, and the p38 MAP kinase family. The cascade plays an essential role in diverse intracellular signaling processes, including cell growth, cell cycle regulation, differentiation, and apoptosis. Apoptosis signal regulating kinase-1 (ASK1) is a MAP kinase kinase kinase that activates the p38 MAP kinase cascade. During epidermal differentiation, ASK1 is expressed in the upper epidermis and regulates the late phase of keratinocyte differentiation.
原著
  • 田中 千洋, 白崎 文朗, 平野 貴士, 長谷川 稔, 佐藤 伸一, 安井 正英, 竹原 和彦
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1799-1804
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    50歳女性.初診の約2年5カ月前から急速にほぼ全身の皮膚硬化と間質性肺炎が出現した.抗topoisomerase I抗体陽性の全身性強皮症と診断され,近医でプレドニゾロン(PSL)少量の内服を開始した.PSL内服するが皮膚硬化は拡大し,胸部レントゲンと呼吸機能検査で間質性肺炎の増悪がみられ,高分解能CTでスリガラス状陰影を認めた.KL-6 547 U/ml,SP-D 358 ng/mlと上昇,気管支肺胞洗浄液で好中球分画と好酸球分画の増加,Gaシンチグラフィーで肺に集積を認めたため,間質性肺炎は活動性があると考え,シクロフォスファミド(CPA)パルス療法を施行した.CPAパルス5クール後KL-6,SP-Dは低下し,高分解能CTでみられたスリガラス状陰影やGaシンチでの集積はほぼ消失し,動脈血酸素分圧の改善もみられた.以上より,自験例ではCPAパルス療法は間質性肺炎に有効であったと考えた.一方,経過中に強皮症腎クリーゼを合併したため,アンギオテンシン変換酵素阻害薬とカルシウム拮抗薬の併用を行った.腎クリーゼ発症後早期に血圧をコントロールできたので,腎機能は早期に安定化し透析も必要としなかった.
  • 山田 陽三, 足立 厚子, 林 一弘, 松林 周邦, 戸倉 新樹
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1805-1810
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    26歳,女性.新生,消退をくりかえす多発性皮膚結節の臨床像を呈し,組織学的には真皮全層にCD4陽性の腫瘍性T細胞浸潤と,多数のCD68陽性組織球と多核巨細胞からなる肉芽腫形成を示した.皮膚組織のみならず末梢血でもT細胞受容体遺伝子の単クローン性再構成を認めたが,末梢血中には形態学的に異型細胞はなく,骨髄や他臓器への浸潤も認めなかった.しかし末梢血中CD14陽性単球系細胞の高度の増殖を伴っていた.Granulomatous variant of cutaneous T cell lymphomaと診断し,単球増多症を伴った微少白血化症例と考えた.エトレチネート,塩酸ミノサイクリン内服と内服PUVA療法を施行したところ,2年後の現在,時々皮疹の出現,消失をみとめるが,全身検索上異常所見なく,経過良好である.肉芽腫形成と単球増多症,さらにはindolentな経過とは密接な関連性があると推測した.
  • 中村 嘉男, 高沢 和永, 五十棲 健
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1811-1817
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
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    われわれは邦人糖尿病患者199人の手指硬化と手指拘縮について詳細に観察し,コントロール(非糖尿病患者群)102人と比較検討した.さらに,手指硬化を示す代表的な疾患である強皮症とその関連疾患と鑑別を試みた.その結果,1)糖尿病患者199人とコントロール(非糖尿病患者群)102人で比較検討した結果,手指硬化および手指拘縮が糖尿病患者群にそれぞれ有意に多く認められた(P<0.0001).2)糖尿病患者199人中48人(24.1%)に手指硬化が観察され,また46人(23.1%)に手指拘縮が認められた.3)手指硬化および手指拘縮の出現率は糖尿病罹患期間(年)とそれぞれ有意な正の相関を認めたが(p<0.0001),性,年齢,糖尿病型および発症時年齢とは有意な相関を認めなかった.4)手指硬化を示した48例中3例で手指からの皮膚病理組織検査を施行した.いずれの3症例も真皮の肥厚,膠原線維の軽度肥厚膨化を認めたものの,膠原線維の増生は認めなかった.5)血清学的検査,臨床所見を総合し,糖尿病患者における手指硬化はいずれもの症例も強皮症による強指症と鑑別可能であり,diabetic digital sclerosisと診断すべきであると考えられた.近年,生活環境と社会環境の変化,人口の高齢化それらに伴う糖尿病患者の急速な増加が指摘されている.1997年,厚生労働省厚生統計協会の調査1)によると糖尿病患者は約690万人と推定されている.この数値に我々の研究結果を当てはめて計算すると,糖尿病患者における手指硬化(diabetic digital sclerosis)および手指拘縮はそれぞれ約165万人と約158万人罹患していると類推できた.それぞれは糖尿病の最も一般的なデルマドロームの一つであり強皮症およびその関連疾患との鑑別に極めて重要な疾患と考えられた.
  • 篠田 京香, 近藤 靖児
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1819-1825
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    ヘリコバクター・ピロリ(HP)の除菌療法後,除菌終了直後から1週間以内に播種状紅斑丘疹を認めた6症例を経験した.6例ともに皮疹はステロイド内服で1カ月以内に治癒し,パッチテストやDLSTの結果から2例はサワシリンの薬疹が疑われた.残る4例中1例は病理組織学的に薬疹に矛盾しない所見であったが原因薬の特定はできず,4例の原因は確定できなかった.また,皮疹を認めた6例中5例で降圧剤を併用していたことから,今後除菌後の皮疹と,除菌薬・併用薬との関連について検討が必要と考えた.
  • 沖山 奈緒子, 宮崎 安洋, 渡邊 憲, 横関 博雄, 西岡 清
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1827-1833
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
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    血管肉腫は,高齢者の頭部に発症し,高率に肺転移を起こす,極めて予後の悪い疾患であり,その治療法はいまだ確立されていない.今回我々は,腫瘤を呈した血管肉腫の3例に対し,可及的切除術,rIL-2局注・動注などを行うも再燃,肺転移を認めたため,Docetaxel・Paclitaxelのlow dose weekly therapyを施行した.2例においては投与後,頭部腫瘍・肺転移ともに縮小を認めたが,その後再燃し,肺転移による呼吸不全で死亡.1例においては頭部腫瘍・肺転移ともに消失し,現在まで再発を認めていない.今回の3例では拡大切除が不可能であったが,Docetaxel,Paclitaxelを使用して加療したところ,重篤な副作用なく腫瘍を抑制して平均生存期間の延長を認めており,また,この療法は週に1回の外来または1泊入院の投与でよいため,患者のQOL(quality of life)向上につながった.
  • 岸本 和裕, 中村 晃一郎, 金子 史男
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 12 号 p. 1835-1840
    発行日: 2003/11/20
    公開日: 2014/12/13
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    近年,BP180 NC16a・ELISA法の導入により高い感度,特異性を有する水疱性類天疱瘡(BP,bullous pemphigoid)の診断および病勢のモニタリングが確立されつつあり,現在ではBP180 NC16a・ELISAはコマーシャルベースで入手可能となっている.BPは,高齢者に好発する自己免疫性表皮下水疱症であり,医療施設や設備が不十分な高齢化の進む過疎化地域においては,より侵襲の少ない検体採取によって的確な診断をつけることが望まれる.そこで,水疱を形成した疾患群の水疱内容液を検体としてBP180NC16a・ELISAを施行し,BPの診断における有用性を検討した.BP患者および他疾患患者群の水疱内容液中の抗BP180 NC16a抗体価を比較したところ,陽性率はそれぞれBP患者89.5%(17/19例中),他疾患(尋常性天疱瘡1例,先天性表皮水疱症2例,全身性エリテマトーデス1例,熱傷14例,虫刺症5例,接触性皮膚炎5例,薬疹3例,圧迫性水疱1例)患者0%(0/32例中)であった.これより,水疱を形成する疾患の水疱内容液を用いて測定したBP180NC16aELISAの感度は89.5%(17/19),特異度は100%(32/32)という結果が得られ,血清を用いて測定された既報告とほぼ同等の精度であることが明らかとなった.また,水疱形成時における血清と水疱内容液中の抗BP180 NC16a抗体価を比較したところ,概ね血清中の抗体価の方が高い結果となったが,水疱/血清内容液のELISA(Index値)比は0.73±0.27(平均±標準偏差)(0.43~1.29)であり,水疱内容液はBPの診断においては,血清に準じた評価をして良いものと考えた.以上より,BPが好発する高齢者の多い過疎化地域において,簡便かつ非侵襲的にBPの診断をつけるために,水疱内容液を検体として用いたBP180 NC16a・ELISAは有用なツールになり得ると考えた.
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