日本皮膚科学会雑誌
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91 巻, 7 号
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  • 山本 和子, 水元 俊裕, 大河原 章, 高村 孝夫, 奥野 晃正, 下村 洋治
    1981 年 91 巻 7 号 p. 717-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    25歳男性で再見性下腿潰瘍を主訴とした 48,XXYY Klinefelter 症候群の1例を報告した.本症候群は 47,XXY Klinefelter 症候群の諸症状を合わせもつ他に,aggressive behavior, 高身長,低知能,皮膚血管系の賢常および特徽的な皮膚紋理を有するといわれる.これらの点についてこれまで報告されている木症候群と実験例を比較検討した.その結果,自験例は aggressive behavior を認めなかったものの,その他の点についてはほぼこれまでの報告に合致した.
  • 石井 則久, 池澤 善郎, 永井 隆吉, 奥田 研爾
    1981 年 91 巻 7 号 p. 723-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    マウス DNFB 接触過敏反応における TDH(T cellsmediating delayed type hypersensitivity) と Ts (suppressorTcells) を補助する Ts-aux (auxiliary suppressorTcells) の膜表面の Lyt 抗原,la 抗原,サイロフォスファマイド(Cy) 感受性,および nylon wool 付着性などを検討した. Tdh はその膜表面に I -A,B 遺伝子産物と Lyt-1+ , 2-, 3- をもっており,Cy 抵抗性であり,Tdh transfer には donor マウスと recipient マウスの間に I-A,B 亜領域の一致が必要であった.また Ts-aux はそれ自体では接触過敏反応になんらの効果を示さないが,Ts と共同して Tdh の効果を抑制した.そして Ts だけでは Tdh の効果を抑制できなかった.この Ts-aux は正常リンパ節細胞には含まれておらず,Cy 未処理のマウスを DNFB で感作し誘導された Tdh に含まれており,I -J+,Lyt-1+, 2+, 3+の T 細胞で,Cy 感受性,nylon wool adherent であった.
  • 池澤 善郎, 佐藤 政博, 永井 隆吉, 奥田 研爾
    1981 年 91 巻 7 号 p. 729-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    TNP 結合 epidermal cell (EC) および spleen cell(SC)によって TNCB 接触過敏症を誘導し,その際の TNP 結合細胞表面に存在する la 抗原の役割を donor とrecipient 間の genetic restriction,donor cell の抗血清処理および recipient の Cy 処理,抗血清処理によって検討した. 1) TNP-EC, TNP-SC の皮下注射によって接触過敏症が誘導される場合, TNP-SCで は 2×107個の細胞数を必要としたが, TNP-EC では 2×106個と TNP-SC の10分1以下の細胞数で接触過敏症が誘導された. 2) TNP-EC, TNP-SC の投与経路による感作の違いについて検討し,接触過敏症は TNP-SC の静注ないし腹腔注によって誘導されなかったが,これに反し TNPEC の静注ないし腹腔注によって誘導された. 3) TNP-EC の静注によって接触過敏症が誘導される場合 donor と recipient 間の genetic restriction はI領域ではI-A亜領域の一致が必要であった. 4) TNP-EC の静注による接触過敏症の誘導は, EC の抗 la 血清処理・抗 I-AB 血清処理によって阻止されたが,Ec の抗 I-BJEC, H-2SGD血清処理および recipient の抗 la 血清処理によっては阻止されなかった. 5) TNP-SC を静注した場合でも recipient を Cy, 抗 I-J 血清および抗 la 血清で処理することによって接触過敏症が誘導された.また recipient を抗 I・J 血清で処理することによって出現したこの接触過敏症も,TNP-EC の静注の場合と同様に SC を抗 la血清,抗 I-AB 血清で処理することによってその誘導が阻止された. 以上の成績より接触過敏症が誘導される際には, EC の la 抗原のうちの特に I-A 抗原に関連したハプテンによるシグナルが重要な役割を果していることが考えられた.また SCのI-A 抗原に関連したハプテンも同様に接触過敏症を誘導することが.出来るが,実際には,TNP-SC の静注によって同時に誘導されてくるより強力な suppressor T cell(Ts)系による抑制のもとで,接触過敏症が出現しないものと考えられた,
  • 長谷 哲生, 中嶋 弘, 永井 隆吉, 湊 啓輔, 下山 正徳
    1981 年 91 巻 7 号 p. 739-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    1976年より1979年までの4年間に当教室で経験した皮膚病変をもつ悪性リンパ腫8例について Human T cellantigen (HTLA), Ia-Iike antigen を含む表面膜性状の検索を行なった.そのすべてが T 細胞型であり, lalikeantigen  は6例に認められた.そのうち4例は,腫瘤が皮膚における主病変であった.一例は紅皮症であり,他の一例は紅斑丘疹型の皮疹であった. la-likeantigen 陰性の2例ではともに紅斑丘疹型の皮疹であった.表皮向性については両群間に違いはなかった.核の変型についても,それぞれ,著しいものからほとんどみられないものまであった.
  • 市橋 正光, 藤原 美定
    1981 年 91 巻 7 号 p. 751-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    8歳男児光過敏症例(UVS1KOという)について臨床的及び光生物学的に検討した.本症は紫外線(UV)損傷の DNA 修復は正常で,UV 照射後の致死高感受性と DNA 合成回復欠損を特徴とする新光過敏症で,既知の遺伝的光過敏症とは一致しないことがわかった. UVS1KO 患者は1歳頃から短時間日光曝露で急性日光皮膚炎を頻発し,皮膚は乾燥し,2歳で雀卵斑様小色素斑を多発し,7歳頃より顔面に犯状小丘疹発生をみた.しかし身体精神発育異常及び神経学的随伴症状はない.本患者の主症状は色素性乾皮症(XP)に比してかなり軽い. UVS1KO 皮膚線維芽細胞は254nm及び300nm UVに著しい致死高感受性を示すが,XP とは異なり正常な除去修復(不定期DNA合成など)と複製バイパスを示した. この細胞はUV型変異原, 4-iiitroquinoIine-l-oxide(4NQO)とN-hydroxy-acetylaminofluorene (N-OH-AAF)にはXP-A群と正常との中間の致死高感受性を示すが,UV 型の decarbamoyl mitomycin C (DMC)には正常の致死反応を示した.UVS1KO 細胞は X 線とアルキル化剤(methyl methanesulfonate (MMS), ethyl methanesulfonate (EMS), methyl nitrosourea (MNU))及び DNA クロスリンク剤tnitomycin C (MC)のいずれにも正常致死反応を示した.UVS1KO はヌクレオチド除去修復正常にかかわらず,UV 照射後の DNA 合成回復のみの特異的欠損を特徴とした.この特異的現象は UV 照射によって阻害された DNA 複製が回復・再開するのに必要な因子を欠損し,複製再開始に必要なクロマチン構造の回復か起らないことによる.しかし本症の特異的な遺伝的欠損の解明には今後のより詳細な研究を必要とする.
  • 岡部 俊一
    1981 年 91 巻 7 号 p. 759-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    症例69歳女.急性肝炎で内科入院中ビタミンK2投与(点滴)6週間後に全身に惨出性紅斑出現.ビタミン K2 の経静脈投与による誘発試験陽性.39°Cの熱発を伴なう.K2 の薬疹が,K2 そのものか溶解剤 HCO-60 によるものかを確認するために皮内テストを施行した所 HCO-60 だけ陽性.ビタミン K2 の薬疹は溶解剤 HCO-60 によるものと判定.溶解剤 HCO-60 による薬疹は本邦第2例日.今後は脂溶性の注射剤の場合はその溶解剤によるアレルギーも念頭におく必要があり,更に錠剤に使われる賦形剤などによる副作用についても注意を喚起したい.
  • 泉谷 一裕, 辻 卓夫, 濱田 稔夫
    1981 年 91 巻 7 号 p. 763-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    Mouse の真皮弾力線維の年齢による変化とステロイド外用による各年齢別の影響をみることを目的として次のような実験を行なった.まず,加齢による変化をみるために,生後1日,3週,6ヵ月,12ヵ月の hairlessmouse と,生後3週および12ヵ月の black hairy mouse を用いた.一方ステロイド外用による変化をみるために,生後3週および6ヵ月の hairless mouse の背部に0.05% fluocinonide ointment を1日1回計3週間 OTD を連日行なった.これらの皮膚を採取し,型のごとく電顕標本を作製した後に,1)ウラニウムと鉛の二重染色,2)タソニソ酸-ウラニウムと鉛の染色を行なって,目立 HS-9 にて観察した. 結果:(I)まず加齢による mouse 弾力線維は,hairless mouse (生後1日)では, amorphous materialは,未発達で非常に細く,線維周囲にみられる elasticfibril も少ない.生後3週では, amorphous material は非常によく発達し,太く充実し, elastic fibril も数の増加と fibril 自身も延長している.生後6ヵ月以後は,amorphous material は徐々に減少しはじめ,同時にelastic fibril の減少も認められ線維全体が繊細な外観を呈するようになる. black hary mouse 3週および12ヵ月でも同時期の hairless mouse と同様の所見を示した.(II)ステロイド外用による変化は, hairless mouse 3週では, amorphous material の減少とその周囲のelastic fibrilの減少が強く認められた.生後6ヵ月では,差は見られなかった,以上の結果より,ステロイド外用による弾力線維の変化は,生後3週の hairless mouse で amorphous material の減少と elastic fibril の数の減少およびそれ自身の縮小が認められ,その所見は,加齢にともなう生後6ヵ月の mouse の生理的所見と類似する点が興味深い. 
  • 滝内 石夫, 清 佳浩, 樋口 道生
    1981 年 91 巻 7 号 p. 771-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    Microsporum canis より extracellular な keratinase を単離し,その keratinase をもって家兎に免疫し,抗 keratinaserabbit lgG を affinity chromatography により精製した.また,抗 keratinase rabbit lgG に FITC を conjugate した.
  • 1981 年 91 巻 7 号 p. 775-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
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