Psoralen (0.6mg/kg)内服後, UV-A 照射(PUVA)を行い,尋常性乾癬の治療を試み,その1)治療指針,2)治療効果,3)組織所見,4)電顕所見を報告した.照射源として,国産の Dermaray を用いた.対象として,16名の全身性乾癬を選び,全例入院加療,その後外来にて経過観察した(5ヵ月から1年6ヵ月間).PUVA は Goeckermann, O.D.T・療法に比し,明らかに有意の臨床効果を示し,皮疹の早期消失,寛解期の延長が他の治療に比し勝る.皮疹の改善は,1)落屑の減少,2)皮疹浸潤の軽減,3)紅斑消失,4)色素沈着と統く.組織学的に acanthosis, hyperkeratosis の消失及び melanin の増加を見た.電顕下にて, keratinocyte の超微構造は,ほぼ正常形態を示す.しかし時折り,細胞質内空胞化,核小体の fibrilar, granular component の離解を見た. tonofillament の形成異常, desmosomecomplex の異常は,認められない. melanocyte は細胞内小器官の著明な発達に加え, melanosome の産生の増加及び,個々の melanosome の大きさの増加をみた.角質層内には,多数の melanosome がその限界膜を失なって存在する. PUVA の副作用,発癌性につき考察を加えた.
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