帯状疱疹は,体内に潜伏感染していた水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化して生じる疾患で,高齢者に好発する.神経痛様の痛みが先行し,小水疱を伴った浮腫性紅斑が片側性に知覚神経分布に一致して出現する.皮疹治癒後も疼痛や感覚異常が長期間残ることがある(帯状疱疹後神経痛:PHN).できるだけ早期に抗ヘルペスウイルス薬の全身投与を開始することが治療の基本となる.PHNには通常の鎮痛薬は無効であり,神経障害性疼痛の治療を行う.
2005年から13年間,和歌山県立医科大学医学部学生の人権教育のテーマとして,ハンセン病をとりあげた.ハンセン病の国内施設において不法中絶の常態化を報じる新聞記事も紹介して,講義と記事に対するレポートの提出を求めた.更に,2010年から4年間の学生には3年後の臨床実習の際に同じレポート提出を求めて,傾向を比較し変化を解析した.合計1,347のレポートの検討によって,ハンセン病が人権教育や臨床倫理教育に極めて有用なテーマであることが確認された.
A 58-year-old patient developed psoriasis when he was 53. He has COPD. He had smoked 20 cigarettes/day from the age of 20 to 52 and 10 electronic cigarettes/day (iQOS®) from the age of 53. He was administrated secukinumab (SEC) for his psoriasis, which was improved by the treatment; he was maintaining PASI clear. In March 2020, he developed COVID-19 pneumonia and was prescribed hydroxychloroquine 400 mg/day for COVID-19 pneumonia with discontinuation of SEC. The COVID-19 pneumonia was ameliorated. He has maintained his improved condition without SEC treatment for 3 month to date.
デュピルマブ療法がアトピー性皮膚炎に奏功することから,その病態にIL-13/IL-4が深く関与することが明らかとなった.本稿では皮膚バリア機能がaryl hydrocarbon receptor(AHR)軸(バリアを強める)とIL-13/IL-4-JAK-STAT6/STAT3軸(バリアを弱める)による競合的調節を受けていることを概説し,現在の薬物治療に加え,AHR軸を亢進させる薬物治療(coal tarやglyteer)の作用機序と将来の治療戦略の可能性に言及した.