日本皮膚科学会雑誌
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95 巻 , 11 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 大路 昌孝, 古江 増隆, 玉置 邦彦
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1135-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    陰部Paget病(P病)15例について,免疫組織学的にPaget細胞(P細胞)におけるCarcinoembryonic antigen(CEA)の存在を検索するとともに血清CEA値を検討した.転移巣のみ検索した2例を含め全例においてP細胞は原発巣,転移巣ともにCEA陽性所見を呈した.血清CEA値は15例中4例に上昇を認め,全例とも広範な転移が明らか,ないし強く疑われた症例であった.上昇例では転移の拡大に従って血清CEA値も上昇する傾向が認められた.血清CEA値の上昇が認められない他の11例は,転移がないと考えられる症例,ないしは組織学的に小リンパ節1コのみに転移の認められた症例であった.つまりP病における血清CEA値はP病がある程度広範な転移をきたした際に上昇を示し,転移の拡大に従って上昇していくと考えられた.また,手術療法や化学療法により血清CEA値の低下した症例も存在し,血清CEA値が治療効果をも反映している可能性が示唆された.我々はP細胞がCEA産生分泌能を持ち,転移後もその産生分泌能を保持し続けるため,P病の病巣の拡大が血清CEA値に影響を及ぼし,逆に血清CEA値が病巣の増減を反映すると推論した.したがって血清CEA値はP病において転移,治療効果等をみる上で有効なsystemic marker(腫瘍マーカー)となりえると考えた.また対照として検索した表皮細胞由来と考えられる腫瘍群および正常表皮細胞においてCEAは陰性であったことより,P細胞は表皮細胞由来ではなく汗腺系細胞由来である可能性が強いと考えられた.
  • 若林 正治, 岡本 昭二
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1145-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    メラノーマ細胞がもつ腫瘍特異抗原の性状,さらにメラノーマに対する免疫応答機構の解析をおこなうために,B16マウスメラノーマを用いてin vitro一次反応系により同系キラーT細胞の誘導をおこない,その特異的傷害活性について検討した.誘導したキラーT細胞はB16マウスメラノーマを特異的に傷害するがメラノーマ以外の腫瘍細胞株には活性を示さなかった.さらにこのメラノーマ特異的傷害活性はマウスのみならずヒトの4種類のメラノーマ細胞においても発揮されることが判明した.またアイソトープ標識しない腫瘍細胞を阻止細胞として用いた傷害活性阻止試験においても,キラーT細胞のメラノーマ特異的傷害活性を確認することができた.したがってB16メラノーマにより誘導されたキラーT細胞は標的細胞破壊に際して,これまで言われてきた主要組織適合性抗原の一致という遺伝的拘束性は必ずしも必要なく,メラノーマ抗原のみを特異的に認識してメラノーマ細胞を破壊することが明らかになった.また,このことは同時に,マウスおよびヒトメラノーマ細胞間には共通して存在するメラノーマ特異抗原が存在することを意味する.さらに,B16メラノーマを免疫して作製した抗血清を用いて検討した結果,種属間共通メラノーマ抗原の存在はキラーT細胞による細胞性免疫のみならず,抗体レベルにおいてもその存在が示唆された.
  • 田沢 敏男, 伊藤 雅章, 清水 直也, 伊藤 薫, 佐藤 良夫
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1153-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    hair fibrous proteinに対する単クローン抗体(HKN-5,HKN-6,HKN-7およびHKN-8)を作製し,正常ヒト成長期毛組織を免疫組織化学的に検索した.これらの抗体の反応性から成長期毛組織各層のケラチン線維の免疫学的性格を明らかにした.すなわち,毛髄質,毛皮質,毛小皮と内毛根鞘は免疫学的に類似したケラチン形成を示し,外毛根鞘の最内層細胞はその他の外毛根鞘細胞とは異なったケラチン形成を示すことを明らかにした.
  • 谷垣 武彦, 畑 清一郎, 喜多野 征夫, 野村 政夫, 佐藤 健二, 欠田 良児, 佐野 栄春
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1159-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    日本の全大学におけるナイロン製布摩擦皮膚症の患者の実態調査を行った.調査用紙の回収は44施設(55%),患者総数158名(男41,女117)で,その158名について地域別発生状況,皮疹の分布状態,ナイロン・タオル,タワシの使用,皮膚生検,性格と体格,皮膚疾患の合併及び経過予後等について検討した.その結果本患者の初診時年齢は21~30歳が多く全患者の46%で,皮疹の好発部位は鎖骨が圧倒的に多く,次いで頚項部,肋骨,脊椎,背・肩甲部,四肢外側の順で骨の突出部に一致してみられ,帯状の色素沈着が特徴であった.ナイロン・タオル,タワシの使用有と記載があったのは137名(97%)で,その期間は6~10年が一番多かった.皮膚生検は色素失調で特定の皮膚疾患の合併はなく,体格,性格は特に関係がなかった.本色素沈着の発生機序は長年に互る物理的刺激の反復に起因したものと本アンケートから推測された.
  • 及川 修, 神保 孝一
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1165-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    11歳女児に発生したPigmented storiform neurofibromaの1例を報告した.臨床像,組織像ともにdermatofibrosarcoma protuberansに類似するも,組織内に多数のdermal melanocyte,及び大小種々の神経束が認められた.電顕的に腫瘍細胞は,大きな切れ込みを示す核と,非常に細長い細胞突起を有する双極性の細胞であった.Dermal melanocyteは,電顕下にてDOPA陽性であり,又細胞分裂像も示した.本腫瘍の発生病理として,末梢神経組織に存在するperineural cellあるいはendoneural cellに由来し,同時に神経櫛由来のmelanocyteの増殖を伴った事が考えられる.
  • 本田 まりこ, 石地 尚興, 石田 卓, 新村 眞人
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1173-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Myrmeciaの6例について,臨床的,組織学的,電顕的ならびに組織化学的に検索を行った.本症はヒト乳頭腫ウイルス1型の感染で発症し,臨床的に圧痛を伴う蟻塚様ないしは伝染性軟属腫様を呈し,多くは単発性の腫瘍で,手掌足蹠など外傷を受けやすい露出部に好発する.その組織像は特徴的で基底層直上の細胞から角層下層にいたるまで核内および細胞質内に好酸性の顆粒が著明に認められる.これらの顆粒は電顕的に電子密度のやや低い均一性無構造物質であり,Pauly反応はオレンジ色陽性に染色され,ケラトヒアリン顆粒にほぼ一致していた.DACM染色からも表皮細胞の分化異常が示唆され,ウイルス感染によるものと思われる.
  • 四本 秀昭, 田代 正昭
    1985 年 95 巻 11 号 p. 1187-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    顆粒状抗原に対する免疫応答はマクロファージのレベルで抗原が処理され,抗原量の調節が行なわれ反応の大きさが決定されていることが明らかにされている.我々は経皮的oxazoloneの投与によるマウス接触皮膚炎の感作にマクロファージがどのように関与するか検討する目的で,carrageenanを投与し接触皮膚炎反応への影響を調査した.AKRマウスへoxazoleneを3μgから3mgまで投与したところ,30μg投与群より接触皮膚炎が感作され,抗原を増量するにつれて反応の大きさは増大した.Oxazolone感作1日前にcarrageenanを投与するとoxazolone 30μgで十分大きな接触皮膚炎が感作でき,oxazolone 3mgの投与ではむしろ反応の抑制がみられた.Carrageenan投与マウスにおいてCon Aに対するリンパ球幼若化反応は対照群と差が認められなかつたが,腹腔滲出細胞のLatex粒子貪食能はcarrageenan投与群で低下していた.以上から,マウス接触皮膚炎反応の調節にマクロファージが関与していることが強く示唆された.即ち,接触皮膚炎の感作の段階で抗原は抗原提示細胞により捕捉されT細胞へ提示されるが,マクロファージによる抗原の捕捉量の影響をうけることが考えられ,又,マクロファージ自らも免疫応答を負の方向へ伝達する可能性が考えられた.
  • 1985 年 95 巻 11 号 p. 1193-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
  • 1985 年 95 巻 11 号 p. 1221-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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