日本皮膚科学会雑誌
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124 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
追悼
新・皮膚科セミナリウム 見逃してはならない皮膚感染症(1)
  • 四津 里英
    2014 年 124 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/03/18
    ジャーナル 認証あり
    ハンセン病は,抗酸菌の一種であるらい菌(Mycobacterium leprae)による主に皮膚と末梢神経が侵される慢性感染症である.病態には,宿主(ヒト)のらい菌特異的な免疫応答も関与し,多種多様な臨床像を呈する.日本では年間新規発症は数名にまで減少したが,世界的にはまだ年間20~25万人の新規発症がみられる.今後のさらなる国際化を踏まえ,国内における海外からの輸入例が危惧される.本稿では,ハンセン病の病態生理,臨床症状,検査,治療と共に,本疾患の社会的側面について概説する.
  • 山口 さやか
    2014 年 124 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/03/18
    ジャーナル 認証あり
    輸入感染症診断の重要な点は渡航歴の確認とともに輸入感染症を疑うことである.皮膚科医が診察にあたる際に特異な臨床像を示す感染症が念頭になければ確定診断は遅れ,早期の治療を逸することになり感染が拡大する恐れがある.治療が遅れることでリーシュマニア症のように醜形や瘢痕が残り,時に輸入真菌症では致死的ともなりえる.本稿では輸入感染症の最近の動向,皮疹を呈する輸入感染症の種類や病態について概説する.
  • 濱田 利久
    2014 年 124 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/03/18
    ジャーナル 認証あり
    ブルーリ潰瘍はMycobacterium ulceransやその亜種(本邦ではM. ulcerans subsp. shinshuenseが同定されている)の非結核性抗酸菌による亜急性または慢性の皮膚感染症で,アフリカ・オーストラリアに加えて中南米や,頻度は低いが中国・日本からも発症例が報告されている.菌の産生する脂質毒素(マイコラクトン)によって,深い皮膚潰瘍を形成しうる.ごくまれな皮膚感染症だが本邦でも本州の広い範囲および九州からも報告例がみられる.
原著
  • 山上 優奈, 遠藤 雄一郎, 藤澤 章弘, 加藤 真弓, 谷岡 未樹, 椛島 健治, 宮地 良樹
    2014 年 124 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/03/18
    ジャーナル 認証あり
    本邦での悪性黒色腫(以下MM)における重複がんの発生率は4.8%と他の皮膚癌と比較しても同等であり,重複がんの発生率は高くないとされていた.しかし,過去の報告と比較して,当院ではMM患者における重複がんの発生率が高い印象を受ける.そこで当院での2005年~2012年までの8年間のMM 130症例を分析して,重複がんの割合を調べた.MM 130例のうち,重複がんは男性7例,女性13例の計20例(15.4%)であった.20例のうち,2重複がんは15例(男性5例,女性10例),3重複がんが5例(男性2例,女性3例)で,4重複がん以上は観察期間中には確認できなかった.重複がん20例のうち,MM後発異時の先行がんは15例(男性5例,女性10例)19病変,同時性重複がんは2例(男性0例,女性2例)2病変,MM先行異時の後発がんは4例(男性2例,女性2例)4病変であった.同時性,およびMM先行異時後発がんの計6例中4例が1年以内に後発がんを発症,残り2例も5年以内の発症であった.MMは予後不良な悪性腫瘍のため,診断後の再発・転移の有無の確認はもちろんのこと,併存腫瘍の検索を含めた定期的,慎重なフォローが重要と考える.
  • 正畠 千夏, 平井 都始子, 福本 隆也, 宮川 史, 小林 信彦, 浅田 秀夫
    2014 年 124 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/03/18
    ジャーナル 認証あり
    視診,触診のみでは他の皮下腫瘤との鑑別が困難で,超音波検査により特徴的な血流表示を認めた神経鞘腫の3症例を経験した.超音波検査では境界明瞭で内部均一な低エコー腫瘤であり後方エコーの増強を伴っていた.またカラードプラでは全例で豊富な血流表示を認め,さらにパルスドプラでは3例中2例で拍動性血流を示した.脈管系以外の良性皮下腫瘍では拍動性血流表示を認めるものは稀であり,神経鞘腫に特徴的な超音波所見である可能性が示唆された.
  • 松尾 佳美, 信藤 肇, 田中 麻衣子, 河合 幹雄, 秀 道広
    2014 年 124 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/03/18
    ジャーナル 認証あり
    80歳,女性.初診2年前より両前腕にそう痒を伴う紅斑と赤褐色の丘疹が出現した.近医で紫外線照射やステロイドの外用加療を受けたが病変は拡大し,1年前より顔面に紅斑を伴う板状硬化も出現したため当科を受診した.初診時,上肢や上背部に数mm大の充実性丘疹があり,顔面の皮膚は硬く肥厚していた.皮膚生検では真皮全層にわたり線維芽細胞が増生し,alcian blue染色では膠原線維間に青色に染まる粘液が沈着していた.血液検査では甲状腺機能に異常はなく,M蛋白血症を認めた.以上よりgeneralized lichen myxedematosusと診断した.免疫抑制薬の内服やステロイドの局所注射を行ったが皮疹は徐々に悪化し,2年後には開瞼,開口に困難感を自覚するようになった.そこで免疫グロブリン大量静注療法(γグロブリン0.4 g/kg/日を5日間,4週毎)を3クール行ったところ,副作用を伴わず丘疹は平坦化し,皮膚は柔らかくなり,開瞼,開口障害も軽減した.しかし,半年後に再燃したため免疫グロブリン少量静注療法(γグロブリン0.4 g/kg/日を4週に1日)を定期的に行ったところ症状の進行なく維持できた.Generalized lichen myxedematosusは難治とされているが,近年海外で免疫グロブリン大量静注療法が奏効した例が報告されており,症例の重症度によっては治療の選択肢の1つとして考慮してもよいと思われた.また,定期的免疫グロブリン少量静注療法は寛解維持に有効と考えた.
学会抄録
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