日本皮膚科学会雑誌
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70 巻, 6 号
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  • 永縄 義夫
    1960 年 70 巻 6 号 p. 593-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    肝斑,酒スv,紅斑性狼瘡,尋常性狼瘡等の顔面に好発する皮膚疾患中には,それぞれその好発部位を認められる疾患が多い.又顔面は精神的,肉体的な刺戟に対して,表情のみならず皮膚色の変化を富む.殊に潮紅を来す場合,その部位により,程度及び発現の差を認めることがしばしばである.この臨床的事実を一挙に究明することは困難である.一方1900年来,Pavlow,Chonheim,Baylissらによつて始められた容積の測定により血流の状態を知らんとする試みは,H.H.Dale,Bulbringer及びBurn,更にTh.Lewis,H.Barcroft,E.M.Landisらにより著しい進歩をとげた.近時では,末梢血流の複雑にして多彩な変化を追求し,支配神経,或は高位中枢の状態を想定せんとする試みがなされているが,古典的な方法から始り,急速に進歩したプレチスモグラフはその最も有用な手段となつている.1940年来,Barcroft,Burton,Burch,Hertzman,長谷川らの諸家の研究により単純な機械的記録法が改良され,光電管の発見以来光電式のものも使用されるようになつた.光電式のものに透過式と反射式のものがあり,池上が各記録法を比較研究しているが,今日では反射光電式のものが一般に使用されるに至つている.著者はこの反射式光電プレチスモグラフを使用して顔面各部の容積脈波を検討し,はなはだ興味ある結果を得たのでここに報告する.
  • 中島 啓雄
    1960 年 70 巻 6 号 p. 607-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    色素細胞母斑の主体をなす母斑細胞の起原に関しては従来諸説があるが,川村教授1)以下当教室に於ける本症に関する一連の研究により母斑細胞は神経櫛に由来する所の分化不充分な異常細胞であることが実証されてきた.これ等の研究は,その特殊染色に就てなされたものであるが,今ここに視覚を変えて色素細胞母斑を綜合観察することにより母斑組織の性状が縦横に検討されることになる.皮膚腫瘍のうちで最も誤診され易いのは黒色を呈するものとされている.真皮表皮境界部活性(junctional activity)は悪性黒色腫の前駆症として注目されている(Traub & Keil2),Kaufman-Wolf3),Allen4,a))今日,組織学的に色素細胞母斑と悪性黒色腫との対比が行われている.悪性黒色腫の早期診断には組織検査が不可欠であるが,他面において組織採取が転移の契機となることも亦諸家により警告されている.本研究の目的は色素細胞母斑の綜合的観察を行うと共に,腫瘍に損傷を与えずに,生体皮膚顕微鏡を用い,どの程度までに真皮表皮境界部活性を診断しうるか決定するにある.第1部では色素細胞母斑患者671名に就き,その臨床的統計を主体として綜合的観察を行つた.第2部では199個の母斑組織に就て,綜合的観察を行つた.母斑組織像の知見に関しては,Miescher et Albertini5)のa,b,c体系とTraub & Keilのj,d体系とがあるが,この両者を併用するとき母斑組織の構造は如実に表現されるので著者はこの両者を組合せて,種々綜合的に観察した.第3部では生体顕微鏡所見がどの程度に臨床所見と組織所見とを関連せしめ,またそのことに依つて色素細胞母斑及び類症鑑別に如何に寄与し得るか等に就き研究を行つた.
  • 岩下 健三, 山本 駒彦
    1960 年 70 巻 6 号 p. 633-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    膿皮症に於いて葡萄状球菌(以下葡菌)が極めて重要な役割を演じていることはいうまでもなく,又葡菌に限らず一般に色々の病原細菌が夫々の免疫血清と特異的な血清反応を示し,而もその特異性を規定している物質が多くは多糖類であることもかなり以前から知られている.然しながら,葡菌も全く同様であるが,これら特異多糖類の単糖構成に就ては殆ど分析されていない.葡菌に就てみると,Zinsser-Parker(1923)以来,その含水炭素成分が特異的血清反応を示すことは多くの人により報告されているが,その単糖構成に就てはJulianelle-Wieghard(1935)が病原性菌株と非病原性菌株との間に光学的旋光性及び加水分解により生ずるsimple sugarに差のあることを指摘したのに始まり,川上(1943),Fellowes-Routh(1944)の業績がみられる位のものである.而も川上,Fellowes等は共に病原性黄色葡菌のみに就て検討しているに止まり,加うるに前者によるとacetylhexosamine,galactoseが検出されpentoseは見出されていないのに対し,後者によるとpentose,glucosamineの存在が認められている如く,その成績は必ずしも一定していない.そこで我々は膿皮症研究の一部として,頭部の多発性皮下膿瘍から分離した病原性黄色葡萄株と健康者の健皮から分離した非病原性黄色葡萄株とに就て,その各々の特異多糖類を精製分離し,その単糖構成をpaper chromatographyによつて分析し比較検討してみた.以下はその得られた知見の概要であるが,この研究に就ては北大の山田守英氏,札幌医大の植竹久雄氏,京都府立医大の鈴木成美氏の3細菌学教授の援助に負う処が甚だ大きい.冒頭に記して厚く謝意を表す.
  • 筧 秀夫
    1960 年 70 巻 6 号 p. 638-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    今世紀に入つてから急速な進歩を示した色素細胞をめぐる諸問題の検討は,所賢の偉大な努力にも拘らず今尚多くの未解決点を残している.色素細胞を研究するに当つて,常にその出発点となるべき色素形成の機転に関してさえ吾々は多くの難問題に逢着せざるを得ない現状である.著者は今回この色素形成をめぐる2,3の問題に就て主として人体皮膚中のtyrosinase並びに色素形成とSH基の関係に就て生化学的な検索を行い,2,3の新しい知見を得たので此処に報告する次第である.
  • 1960 年 70 巻 6 号 p. 665-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
  • 1960 年 70 巻 6 号 p. 82e-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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