日本皮膚科学会雑誌
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117 巻 , 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
皮膚科セミナリウム 第27回 蕁麻疹と紅斑症
原著
  • 義澤 雄介, 川名 誠司
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 8 号 p. 1295-1300
    発行日: 2007/07/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    円形脱毛症(AA)患者205例を対象に,Olsenらが提唱した重症度分類を適用し,発症年齢別{小児期群(0~15歳),思春期群(16~19歳),成人前期群(20~39歳),成人後期群(40歳以降)}に検討を行った.男性69例,女性136例で構成され,男女比は1:1.9だった.発症年齢は1歳~73歳にみられた.平均発症年齢は男性29.7±17.1歳,女性34.5±17.6歳で,女性は男性より遅発性である傾向が推察された(p=0.0704).S1またはS2(S1–2,頭部の50%未満脱毛)を呈した症例は120例(58.5%),S3またはS4(S3–4,頭部の50~99%脱毛)は61例(29.8%),alopecia totalisは5例(2.4%),alopecia universalisは19例(9.3%)であった.発症年齢分布では,男性に明らかなピークはみられなかったが,女性では20~24歳と50~54歳にピークを形成する2峰性を呈した.発症月が明らかだったのは147例で,その月別発症数は4月から増加し始め10月以降に減少し,4月から10月までの7カ月間に発症した症例は全体の71.4%を占めた.発症年齢別に分類した各群の構成は,小児期群37例(男女比1:0.95),思春期群14例(男女比1:1.8),成人前期群81例(男女比1:2.4),成人後期群73例(男女比1:2.5)で,発症年齢が遅くなるほど女性の占める割合が高くなる傾向が推察された(p=0.0876).重症型AA(S3–4以上)の占める割合は,小児期群56.8%,思春期群64.3%,成人前期群43.2%,成人後期群27.4%で,若年発症例で高かった(p=0.0057).AAの家系内発症は205例中46例(22.4%)に認められ,女性は男性よりAAの家族歴陽性率が有意に高かった(女:27.2%,男:13.0%,p=0.0216).群別の家族歴陽性率は,小児期群27.0%,思春期群21.4%,成人前期群24.7%,成人後期群17.8%で,有意な差はみられなかった(p=0.6631).アトピー性皮膚炎の既往あるいは合併を有する症例の比率は,小児期群40.5%,思春期群35.7%,成人前期群23.5%,成人後期群0%で,若年発症例に高かった(p<0.0001).抗サイログロブリン抗体の検出率は,小児期群13.5%,思春期群21.4%,成人前期群17.3%,成人後期群24.7%で,4群間に有意な差はなかった(p=0.5019).今回の検討では発症年齢や性別によりAAの臨床像の性質が異なることが示唆され,この相違はAAの発症機構の多様性を反映しているのではないかと考えた.
  • 伊東 秀記, 松尾 光馬, 伊部 美葉, 中川 秀己
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 8 号 p. 1301-1308
    発行日: 2007/07/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    We report a case of a 10-year-old boy with Laugier-Hunziker-Baran syndrome. He had pigmented, oval or round macules with well defined borders on the lip as well as the tip of his finger. These pigmented macules were first noticed 8 years previously. On examination, no intestinal polyposis or adrenal dysfunction suggestive of Peutz Jeghers syndrome or Addison’s disease was noted. A biopsy of a pigmented macule from the lip revealed melanin pigmentation of the basal layer with occasional melanophages in the upper dermis. In Japan, 53 cases of Laugier-Hunziker-Baran syndrome have been reported. We reviewed the complications and the treatment and discussed the difference between Laugier-Hunziker-Baran syndrome and Peutz-Jeghers syndrome from the point of view of the literature and our case.
  • 青柳 哲, Keyvan Nouri
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 8 号 p. 1309-1314
    発行日: 2007/07/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    欧米では現在,ハイリスク群の皮膚癌に対する最も代表的手術法としてMohs micrographic surgeryが各主要施設において行われている.一方,本邦では,既定の切除幅に基づいての拡大切除を行っているのが主流であり,本手術法は,広く一般的に行われているとは言えない.今回,我々は,本手術法の具体的実践法,および主な表在性皮膚悪性腫瘍に対する治療結果を検討し,基底細胞癌,有棘細胞癌,Bowen病の腫瘍すべてで本邦での推奨されている切除範囲に比べ,完全切除に要した平均切除範囲が少なかった.いずれも90%以上の病変で,約4 mm離すことにより完全切除が可能であった.今後,本邦でも,Mohs micrographic surgeryは,施行症例数の蓄積を経て,より本邦に即した方法への改良や適応症例の見極めなどにより,将来的に一部の皮膚癌に対する治療の一つとして導入されていく可能性があると考えられる.
  • 山根 裕美子, 相原 道子, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 8 号 p. 1315-1325
    発行日: 2007/07/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    2000年~2005年までの6年間に本邦において原著論文として報告されたStevens-Johnson syndrome(SJS)43例とToxic epidermal necrolysis(TEN)54例の治療および予後について集計した.SJSおよびTENの大部分でステロイド薬の全身投与が行われた.メチルプレドニゾロン(mPSL)によるステロイドパルス療法およびミニパルス療法を施行されたものはSJSが14例(32.6%),TENが28例(51.9%)であった.TENでは免疫グロブリン大量療法を併用された症例が3例,血漿交換療法が併用された症例が5例みられた.ステロイド薬投与に免疫グロブリン大量療法を併用したにもかかわらずさらに症状が進行したTENの2症例では血漿交換療法も併用されていた.この2症例はいずれも救命されており,進行が急激な最重症例にはこれら3療法の速やかな施行が有用である可能性が示唆された.死亡率は,SJSが2.3%,TENが7.4%であった.さらに,死亡報告例(SJS 1例,TEN 4例,平均年齢55.6歳)の治療内容を検討し,重症化因子の評価を行った.年齢(高齢),基礎疾患(特に糖尿病),発症前の感染症,発症後の急激な進展,発症早期からの重篤な臓器障害の合併,ステロイド薬に対する反応不良が予後不良因子と考えられた.
学会抄録
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