日本皮膚科学会雑誌
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113 巻 , 3 号
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生涯教育講座
  • 大河内 仁志
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 3 号 p. 247-251
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
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    Cultured epidermal sheets and composite skin have already been used to treat clinical cases such as severe burn patients ; however, hair follicles and sweat glands are not regenerated in vitro from adult somatic cells. To obtain better artificial skin with appendages, it is necessary to isolate the stem cells and to understand their characteristics. In the bulge region of the hair follicle, there are epidermal stem cells which can differentiate into interfollicular epidermis, sebaceous glands, and hair follicles. The stem cells of melanocytes also exist in the same area. Multipotent stem cells which can differentiate into neurons, glial cells, and smooth muscle cells can be obtained from the dermis, and mesenchymal stem cells are localized in the addipose tissue. Side population cells which have a strong capability to efflux dye (Hoechst33342) are regarded as candidates for stem cells in various tissues. They also exist in the skin. Taken together with the potentials of cell plasticity of keratinocytes and fibroblasts, we might be able to use skin as a stem cell source or a bioreactor for producing useful proteins by gene modification.
原著
  • 播摩 奈津子, 安齋 眞一, 輪湖 雅彦, 真鍋 求, 久保 健太郎, 松井 宏道, 加川 志津子, 黒柳 能光
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 3 号 p. 253-264
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    厚生科学再生医療ミレニアムプロジェクト事業として,北里大学医療衛生学部人工皮膚研究開発センターで開発された同種培養真皮を用いた臨床試験が全国規模で実施されている.本研究では,この同種培養真皮を適用した症例について報告する.同種培養真皮の適用は,腱・骨膜が露出しているような一期的植皮術ができない深い皮膚欠損創に極めて有用であり,将来の潰瘍治療に劇的な改善をもたらす可能性がある.
  • 新谷 洋一, 森田 明理, 山本 あい, 宮脇 さおり, 辻 卓夫
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 3 号 p. 265-270
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    症例1,71歳男.1994年頃より全身に瘙痒のある紅斑・丘疹・紅色局面が出現し,薬疹を疑われ薬剤を中止するも,皮疹は一進一退を繰り返し外用ステロイドでは難治であった.症例2,75歳男.2001年1月より全身に瘙痒のある紅斑・丘疹・紅色局面が出現し外用ステロイド,抗アレルギー剤の内服をおこなっていたが皮疹は軽快増悪を繰り返していた.症例3,71歳男.1995年8月頃より,全身に瘙痒を伴う境界明瞭な紅色丘疹・紅斑が出現し,外用ステロイド治療を受けていたが軽快増悪を繰り返していた.いずれの症例とも皮疹は腹部の大きな皺をさけて存在した.病理組織では,表皮の軽度肥厚,真皮上層のリンパ球浸潤と軽度の好酸球浸潤がみられた.異型リンパ球の浸潤なし.血液学的検査では,好酸球の増多(症例1:24%,症例2:29%,症例3:17%)がみられた.臨床および病理組織像より丘疹紅皮症と診断した.PUVAバス療法を症例1には計16回(41.4 J/cm2),症例2には計13回(30.4 J/cm2),症例3には計18回(50.5 J/cm2)行い皮疹は寛解.好酸球は皮疹の改善と共に低下する傾向がみられた.
  • 岩田 洋平, 岩田 貴子, 小寺 雅也, 臼田 俊和, 菅原 京子, 浦田 喜子
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 3 号 p. 271-279
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
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    尋常性乾癬の外用療法としては,従来ステロイド外用剤が主流となっていたが,近年活性型VitD3外用剤の優れた臨床効果と安全性が認められるようになり,現在では外用療法の第一選択としての地位を占めるようになってきている.すでに供用されているタカルシトール軟膏やカルシポトリオール軟膏に続いて,2001年より発売開始となったマキサカルシトール軟膏は,さらに臨床効果が強く副作用が少ない製剤を目指し,本邦で開発されてきたVitD3外用剤である.今回著者らは,マキサカルシトール軟膏外用中に著明な高Ca血症を来した2症例を経験した.VitD3外用剤による高Ca血症の発症の危険因子としては,次の4点が重要であると考えられた.すなわち①過量の外用,②経皮吸収が亢進した皮膚の状態,③合併症(とくに腎機能障害)の存在,④併用薬剤の影響である.自験2例では,ともに規定範囲内の外用量であったにもかかわらず,腎機能障害を有していたため重篤な高Ca血症を来したと考えられた.これまでの報告例においても,腎機能の低下した症例で高Ca血症が重篤となる傾向が認められているので,腎機能の低下した症例では,重度の高Ca血症を来す危険性が高いと考えられる.危険因子を有する症例に対してVitD3製剤を使用する際には,外用剤の慎重な選択と使用量の決定が必要である.
  • 石井 則久, 向井 秀樹, 菅原 信, 原 紀道, 岡村 理栄子, 大路 昌孝, 山本 泉
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 3 号 p. 281-288
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    疥癬患者数把握の目的のため,東京都皮膚科医会と神奈川県皮膚科医会の会員にアンケート調査を行った.2001年の1年間に診察した疥癬患者について郵送で調査した.回収率は両会とも約44%であった.医師1人当たりの患者数は共に約8名,往診した医師は約20%であった.患者総数の約半数は院内感染であり,それらの施設での疥癬に対する対応が急がれる.また患者の約半数は70歳以上であった.治療薬ではクロタミトンを主とし,ムトーハップや硫黄なども使用されていた.しかし,γ-BHCと安息香酸ベンジルの使用では東京都と神奈川県では使用頻度に差がみられ,東京都では前者の使用が少なく,後者の使用が多かった.今回の調査は東京都と神奈川県のみの結果であるが,今後疥癬治療に役立つ広範な疫学調査が望まれる.
  • 中川 浩一, 結城 泰子, 水野 信之, 前川 直輝, 石井 正光
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 3 号 p. 289-294
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    患者:31歳,女性.初診の1週間ほど前から,左鼠径部に線状の紅斑が出現した.紅斑は次第に腰部の方に伸長し,当科初診時には約14 cmの長さになっていた.幼虫爬行症を疑い,紅斑先端部を含めた広範な皮膚を切除したが,皮内からは毛髪が発見された.同様の症例を検索したところ,本邦で10例,海外で3例が渉猟された.本邦報告例の内,6例は鼠径部付近から,腸骨稜へ伸長する紅斑で,抜去毛の数倍の長さを呈した.また,これらの症例では,いずれも毛髪を透見できず,幼虫爬行症の鑑別診断として,極めて重要であると結論した.
  • 高井 利浩, 藤川 義明, 村田 洋三, 熊野 公子
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 3 号 p. 295-299
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
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    脳出血後の麻痺肢に脈管肉腫が発生した症例を経験した.症例は73歳,女性.12年前に脳出血を発症,その後左完全片麻痺となった.屈曲拘縮した左上肢に4年前から浮腫をきたし,初診の5カ月前より左上腕伸側に暗赤色斑が出現,増大した.病理組織像で真皮内にび漫性に異形細胞が増殖し,不規則な脈管腔の形成も伴っていた.脈管肉腫と診断し,左肩関節離断を施行するも肺転移と播種性血管内凝固症候群のため術後5カ月で死亡した.慢性のリンパ浮腫の肢に生じたことからStewart-Treves症候群と診断した.本症は,乳癌や子宮癌の治療後をはじめとする,さまざまな成因によるリンパ浮腫肢上での発生の報告がある.脳出血等の脳血管障害後の浮腫肢も脈管肉腫を発生しうるとの認識が必要と考えた.
学会抄録
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