日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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129 巻, 8 号
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新・皮膚科セミナリウム 皮膚レーザー治療の常識,非常識
  • 渡辺 晋一
    2019 年 129 巻 8 号 p. 1619-1625
    発行日: 2019/07/20
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル 認証あり

    顔面の色素病変には色素性母斑や皮膚癌など種々のものがあるが,美容目的で来院する患者の主訴の多くは“シミ”である.そしてシミを主訴に来院する患者の60%近くは老人性色素斑で,12%は顔面真皮メラノサイトーシス(FDM)である.次いで扁平な老人性疣贅が7%程度を占め,教科書でその俗称がシミとされている肝斑は,10%以下である.これらの色素病変は治療法がそれぞれ異なるので,その鑑別が治療成功の鍵となる.

  • 葛西 健一郎
    2019 年 129 巻 8 号 p. 1627-1632
    発行日: 2019/07/20
    公開日: 2019/07/20
    ジャーナル 認証あり

    肝斑に対するレーザートーニング(LT:低フルエンスQスイッチヤグレーザー治療)は,繰り返し治療続行中には色調軽減効果があるものの,長期予後を改善するエビデンスはない.また,LTの効果発現機序について総合的に説明した論文はない.さらに,LTを受けたことによって,肝斑増悪や難治性白斑形成といった合併症を発症した患者が一定数以上存在する.以上より,肝斑に対するLTは,その作用機序が科学的に説明され,予後を改善することが証明され,副作用を低減できるプロトコルが完成するまで,一般医療機関では施行しないことが望ましい.日頃から肝斑治療やレーザーに関与していない皮膚科医であっても,LT問題の真実を理解したうえで,患者や学会に対して適切な行動を取ることが望まれる.

原著
学会抄録
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