日本皮膚科学会雑誌
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108 巻 , 8 号
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  • 宮地 良樹
    1998 年 108 巻 8 号 p. 1015-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    皮膚に炎症を惹起する起炎因子の一つとして,活性酸素が注目されて久しい.活性酸素は,周囲組織に無差別に酸化的組織傷害を与える反応性の高い酸素種であるが,絶えず酸素に接し,紫外線に曝露される皮膚はその絶好の標的臓器である.酸化的組織傷害を制御する目的で多くの抗酸化剤の開発が進められているが,まだ実用化にはほど遠い.実際,皮膚科領域には活性酸素や過酸化脂質が介在すると想定される病態も数多く存在するが,その一方で,あまりにも過大な解釈が語られているのも事実である.本稿では,活性酸素の病態的意義を皮膚炎症を例に概説し,あわせて皮膚科領域における活性酸素研究の現況をまとめた.今後は臨床的な側面から皮膚科医として整合性のある対応が求められよう.
  • 山上 美江, 衛藤 光, 新井 春枝, 勝岡 憲生, 西山 茂夫
    1998 年 108 巻 8 号 p. 1021-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    1971年8月から1997年3月までの26年間に北里大学病院皮膚科を受診した皮膚筋炎患者109例,および1995年1月から1997年3月までに国立横浜病院皮膚科を受診した皮膚筋炎患者3例の計112例について,間質性肺炎の有無,さらに間質性肺炎をその臨床経過から急性型と慢性型に分け,それぞれの皮膚症状について比較検討した.皮膚筋炎全体では爪囲紅斑,ゴットロン徴候,ヘリオトロープ様紅斑などの疾患特異的皮膚症状の出現頻度が高率に認められ,また非特異的皮膚症状としては顔面の紅斑,四肢関節背面の紅斑,色素沈着が多くみられた.間質性肺炎を伴う症例は112例中39例(34.8%)でそのうち間質性肺炎が急速に進行した急性型は39例中12例(30.8%,全例死亡),緩徐に進行した慢性型は34例中27例(69.2%)であった.間質性肺炎合併群では,非合併群に比べ,四肢関節背面の紅斑以外に四肢関節伸側の潰瘍やアクロチアノーゼ,指端潰瘍といった循環障害性の皮膚症状と手指腫脹,滲出性の紅斑が有意に認められた.また反対に多型皮膚萎縮は間質性肺炎非合併群に多く,有意差を認めた.間質性肺炎急性型では滲出性の紅斑が12例中3例(25%)にみられ慢性型に対し有意差がみられた.1例は手指関節背面に,2例は手指関節の側面に認められた.以上の結果より,アクロチアノーゼ,四肢関節背面の潰瘍,指端潰瘍の循環障害性皮膚症状と四肢関節背面の紅斑,手指腫脹,滲出性の紅斑は間質性肺炎合併群でみられやすい症状であり,特に手指関節にみられる滲出性の紅斑は急性型の間質性肺炎と関連があると考えられた.悪性腫瘍合併群では非合併群にくらべ有意差は認められなかったが間質性肺炎の合併率は低い傾向にあった.また,間質性肺炎と筋症状との関連性はみられなかった.皮膚筋炎の死因として間質性肺炎は悪性腫瘍についで多くの割合を占めていた.間質性肺炎合併群においてはその死因の70%が間質性肺炎であり,間質性肺炎の有無は予後を考える上で重要であると思われた.
  • 仲谷 貴子, 森嶋 隆文, 森嶋 智津子, 栗原 伸之, 原 弘之
    1998 年 108 巻 8 号 p. 1031-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    本研究の目的はdysplastic nevusの10%緩衝ホルマリン固定パラフィン包埋未染標本の蛍光法的特徴を明らかにし,蛍光細胞とHMB45・NKI/C-3染色性との相関を検討し,本母斑の特徴と思われる赤褐色調がpheomelaninの存在に基づくとの観点から検索することである.被験症例は21症例56検体で,複合型が40検体と最も多く,次いで境界型が12検体である.得られた結果は以下のように要約された.1) 蛍光法と同一切片のHMB45・NKI/C-3免疫染色:蛍光法的特徴は境界型では表皮,複合型では病巣辺縁表皮の基底層,エクリン汗管円錐部や外毛根鞘の基底層に黄色~橙黄色特異蛍光を発し,ときに樹状枝突起を有する細胞が個別性~小胞巣状に増生し,これら細胞はHMB45,NKI/C-3ともに陽性で樹枝状形態を示す.真皮内の母斑細胞巣は上層を除いて蛍光を欠き,HMB45陰性であるが,NKI/C-3は陽性で,その所見は後天性色素性母斑のそれに類似する.2) pheomelanin生成の検討:個別性~小胞巣状に増生する黄色~橙黄色の蛍光細胞を覆うケラチノサイトの細胞質に,橙赤色~橙褐色物質が柱状に認められる.この物質はMasson-Fontana染色で黒染せず,sodium borohydrideで還元すると,その存在がより明瞭となり,同物質を含有する腫瘍細胞も認められた.この橙赤色物質は可溶化したpheomelaninやagouti mouseのpheomelanicな毛球部の蛍光顕微鏡的所見に一致する.3) 単純黒子型と真皮内型の存在:複合型~境界型dysplastic nevusの多発例で,胞巣形成はなく基底層に個別性に,また,真皮内胞巣の辺縁表皮の基底層に黄色~橙黄色蛍光細胞とケラチノサイトに橙褐色物質とがみられる症例があり,それぞれdysplatic nevusの単純黒子型,真皮内母斑型であることを思わせた.4) 局所再発例:1例のみで,再発に再生エクリン汗管の関与が大であると考えられた.5) dysplastic nevus syndrome:Kraemerらの分類typeCに相当する62歳の男性例1例のみであった.以上,臨床的特徴と考えたdysplastic nevusの赤褐色調はケラチノサイトのpheomelaninの存在に基づくもので,pheomelanin産生細胞は黄色~橙黄色蛍光細胞と思われた.
  • 飯島 茂子, 岩田 充, 大塚 藤男
    1998 年 108 巻 8 号 p. 1041-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    61歳,男性.頭頂部に生じた毛包漏斗部への分化を示すと考えたfollicular intraepidermal epithelioma(FIE)の1例を報告した.腫瘍は,褐色小結節の周囲に青みがかった灰白色から茶褐色の色素斑を形成し,色素斑辺縁では堤防状に軽度隆起していた.病理組織学的には,結節部はinverted follicular keratosis (poroma folliculare)型に一部前癌性変化(poroepithelioma folliculare)を伴い,色素斑部はclonal typeのseborrheic keratosis型とtumor of follicular infundibulum型の組織像から成っていた.免疫組織化学的に腫瘍細胞は,M20,CY-90,A53β/42などの外毛根鞘下部を染色する抗サイトケラチン抗体には陰性で,結節部のsquamoid cellが毛包漏斗部を染色する抗体(34βB4,KL-1,K8.6)で陽性になった.本腫瘍は,毛包漏斗部由来の細胞が表皮内巣を形成しつつ垂直方向に増殖して結節を形成し,その一部に前癌性変化を伴う一方で,水平方向にも拡大増殖して色素斑を形成したものと考えた.自験例は,1つの腫瘍内にFIEのサブタイプが互いに移行し得る一連のものであることを示した興味ある症例であり,FIEの疾患概念の妥当性を強調した.
  • 渋谷 倫子, 伊藤 薫, 松原 三希子, 森山 美昭, 黒羽 高志, 伊藤 雅章
    1998 年 108 巻 8 号 p. 1051-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    骨髄異形成症候群(以下MDS)の経過中にSweet病を併発した症例を経験した.48歳,男性,MDS(RAEBt).左肘部・前腕の発赤・腫脹および発熱を生じた.当初,蜂窩織炎を疑い,recombinant human granulocyte colony-stimulating factor(以下rhG-CSF)を投与したが,むしろ悪化したため中止した.皮膚生検を行い,真皮への稠密な好中球浸潤を認めた.塩酸ミノサイクリンおよびヨードカリは無効.プレドニゾロン1mg/kgの内服にて,症状は軽快した.その後,患者は急性骨髄性白血病への転化のために死亡した.血中のgranulocyte colony-stimulating factor(以下G-CSF)およびinterleukin-6レベルはSweet病発症初期および症状の最盛期に上昇しており,症状消褪後は回復していた,近年,rhG-CSF投与中にSweet病を発症した症例の報告が多く,Sweet病とG-CSFの間に密接な関係があることが推測された.今回われわれは,骨髄異形成症候群(以下MDS)に併発したSweet病の1例を経験した.Sweet病は,発熱,末梢血好中球数増加,四肢・顔面・頸部に好発する有痛性紅斑を特徴とし,皮疹は組織学的に真皮に稠密な好中球浸潤を伴う原因不明の疾患であるが,近年,granulocyte colony-stimulating factor(以下G-CSF)との密接な関係が明らかにされつつある.今回われわれは,経過中において各種サイトカインの血中濃度を測定し,G-CSFおよびinterleukin-6(以下IL-6)の血中濃度と臨床症状の消長に関連を認めたので,文献的考察を加え報告する.
  • 中尾 知子, 永江 祥之介, 富永 隆治, 中山 樹一郎, 堀 嘉昭
    1998 年 108 巻 8 号 p. 1061-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    症例は40歳の女性.右大腿後面原発の結節型悪性黒色腫のため1994年2月当科へ入院し,腫瘍切除術・分層植皮術・右鼠径リンパ節郭清・局所温熱灌流療法,化学療法(carboplatin,dacarbazine,vindesineの3剤併用療法)を3クール施行した.術後診断はpT3N1M0)であった.第1回目の治療約6ヵ月後に右大腿前面を中心にin transit metastasisが多数出現(pT3N2bM0)し,同年10月,第2回目の入院となった.局所温熱灌流療法,上記化学療法―インターフェロンβ局注併用療法を3クール施行し,退院後6ヵ月間はインターフェロンβ300万国際単位の局注で皮膚転移の新生は抑制されていた.しかし次第にin transit metastasisの増加,右大腿内側の浮腫,疼痛を認めたため1995年5月再び入院となった.局所温熱灌流療法,化学療法(cisplatin,dacarbazine,vindesine,インターフェロンβ局注併用療法2クールを施行し,浮腫や疼痛は軽減した.手術1ヵ月後に皮膚転移の新生を認めたため,同年9月,前治療より2ヵ月しか経過していなかったが,dacarbazine,nimustine,cisplatin,tamoxifenの併用療法を3クール施行した.治療2ヵ月後の時点でin transit metastasisの新生の明らかな減少を認めた.本症例は複数回の温熱灌流療法を施行したにもかかわらず,臨床的に転移の抑制が余りみられず,DACTam療法により初めてその抑制が得られたことから,治療前の腫瘍細胞の温熱,あるいはプラチナム製剤に対する感受性を検討しておく必要があることが痛感された.
  • 1998 年 108 巻 8 号 p. 1067-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
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