1)尋常性乾癬を A (局面型皮疹の多発型)及び B (局面型皮疹の頭部限局型)の2群に分け,その未治療25例及び健康人(C群)19例の血清リポ蛋白について PAG 電気泳動法,超遠心分離,分析法及びネガティブ染色法を用いた電顕的検索を行った. 2) PAG 電気泳動法によって検索した結果,A 群では,14例中の8例に broad midband Lps (BMB)が,B 群では11例中の7例に L type midband Lps (LM)がそれぞれ検出された.C 群では BMB 反び LM のいずれも検出されなかった. 3)ネガティブ染色法を用いた電頭的検索によるリポ蛋白粒子の大きさの分析の結果,A 群のBMB 像を呈した症例の IDL 分画(d = 1.006一1.026)では C 群のリポ蛋白粒子よりも大きく,超低比重リポ蛋白(VLDL)粒子の大きさに近い粒子が3~4の亜分画を示した.従って BMB はこの3~4の亜分画粒子により構成されることが示唆された.B 群の LM 像を呈した症例の LDL 分画(d=1.026―1.087) X'は, 200Å台の主分画の他に230Å台の亜分画が認められた.従ってこの亜分画によるLM構成か示唆された. 4)A 群と BMB 像を呈した症例の IDL の浮上定数 (Sf)は, 18, 15, 10及び7とばらつきを示した.従って BMB の主分画には多少のちがいがあることか示唆された. LDL の Sf は 3及び4であった. 5)A 群の BMB 反びB群の LM は,電気泳動像上, Pre-βLpsからβLps 間に存在した中間体リポ蛋白質であり,リポ蛋白粒子の面から BMB は IDL 分画内に,LM は LDL 分画内に存在している中間体リポ蛋白質であった
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