日本皮膚科学会雑誌
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91 巻, 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 麻上 千鳥, 今村 隆志, 永井 純子, 原 曜子, 山本 邦光
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1281-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    1)尋常性乾癬を A (局面型皮疹の多発型)及び B (局面型皮疹の頭部限局型)の2群に分け,その未治療25例及び健康人(C群)19例の血清リポ蛋白について PAG 電気泳動法,超遠心分離,分析法及びネガティブ染色法を用いた電顕的検索を行った. 2) PAG 電気泳動法によって検索した結果,A 群では,14例中の8例に broad midband Lps (BMB)が,B 群では11例中の7例に L type midband Lps (LM)がそれぞれ検出された.C 群では BMB 反び LM のいずれも検出されなかった. 3)ネガティブ染色法を用いた電頭的検索によるリポ蛋白粒子の大きさの分析の結果,A 群のBMB 像を呈した症例の IDL 分画(d = 1.006一1.026)では C 群のリポ蛋白粒子よりも大きく,超低比重リポ蛋白(VLDL)粒子の大きさに近い粒子が3~4の亜分画を示した.従って BMB はこの3~4の亜分画粒子により構成されることが示唆された.B 群の LM 像を呈した症例の LDL 分画(d=1.026―1.087) X'は, 200Å台の主分画の他に230Å台の亜分画が認められた.従ってこの亜分画によるLM構成か示唆された. 4)A 群と BMB 像を呈した症例の IDL の浮上定数 (Sf)は, 18, 15, 10及び7とばらつきを示した.従って BMB の主分画には多少のちがいがあることか示唆された. LDL の Sf は 3及び4であった. 5)A 群の BMB 反びB群の LM は,電気泳動像上, Pre-βLpsからβLps 間に存在した中間体リポ蛋白質であり,リポ蛋白粒子の面から BMB は IDL 分画内に,LM は LDL 分画内に存在している中間体リポ蛋白質であった
  • 宮川 幸子, 坂本 邦樹
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1293-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    抗 RNP 抗体陽性患者25症例を検討した結果16症例(64%)が SLE の診断基準14項目中4項目以上を充足し, MCTD として完成した臨床像を示しだのは1例のみであった. また, SLE 患者の半数以上(55.2%)は抗 RNP 抗体陽性であった.しかし,抗 RNP 抗体単独高抗体価陽性症例ではレイノー現象,関節痛,およびステロイド剤内服に反応して改善する手指腫脹,皮膚硬化など共通する臨床像が認められた.
  • 手塚 正
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1299-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    老人性乾皮症の表皮の変化を電顕的に観察した.1.角層細胞は電子密度が全体に均一に低く各層細胞屑の表屑と最下層の細胞との問に正常でみとめられる電子密度の差が存在しなかった.ケラチンパターンもみとめられなかった. 2.先に皮膚の抵抗を測定する器械によって老人性乾皮症では角層表面の水分量の著明な減少,すなわち,乾燥性を認めたがこれは角層表層のみの変化に由来するものではなく,角層全体の変化に由来するものであることが判明した. 3,ケフトヒアリン顆粒の数は著明に減少していたが電子密度は正常であった. 4. 正常構造を有する層板顆粒は全くみとめられず,代って空胞状の顆粒が形成され細胞間に分泌された. 5. Marginal Band は正常に形成されていた.
  • 吉永 愛子, 税田 武三, 桑原 宏始
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1305-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    1976年から1977年にかけて熊本地方に風疹の流行がみられた. その間当科外来を受診した64例の風疹患者につき,モの臨床像および検査所見を,末梢血の変化を中心にのべる.その結果①皮疹部にチカチカするよりな軽度の疼痛感および眼痛が約10% の患者に認められたこと②紫斑は血管性であって,栓球減少に起因するものは認められなかった.③末梢血の白血球減少は病初期(1~3日)のみ認められた.④異型リンパ球の出現率は詳細に追求すれば極めて頻度高く,第4,5病日では100%の患者に見出された.
  • 土田 哲也, 滝沢 清宏, 古江 増隆, 原田 昭太郎
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1311-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    四肢遠位部のびまん性皮下硬化,それに伴う関節拘縮,及び肢端壊疸を主症状とする Eosinophilic fasciitis と考えられる21歳女性例を報告する.好酸球・形質細胞・リンパ球浸潤を主とする dermopanniculitis, fibrosis などの組織所見,高γグロブリン血症,抗核抗体陰性という血清学的所見,及び筋電図で myopathy の所見を呈した 明瞭な visceral involvement はなく,治療上ステロイド内服に反応した.しかし,皮下硬化が四肢遠位部でしかも左右対称性といえない点,レイノー現象を伴い肢端壊疸が認められる点,末梢血液の好酸球増多が明瞭でない点などは Eosinophilic fasciitis という診断に問題を残した. また螢光抗体直接法では,筋線維周囲に lgG の沈着,リンパ球機能検査では helper T cell, suppressor T cell 機能のいずれもの機能低下といった興味あるデータが得られた.
  • 加藤 英行, 藤平 正利, 川田 陽弘, 伊藤 一弘
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1321-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    皮膚に浸潤するリンパ球の subpopulation を観察するために抗 T,抗 B リンパ球血清による螢光抗体法と acidα-naphthyl acetate esterase 染色を行なった. 抗血清の作製法は石井・小柴らの方法に従い抗 T 血清は末梢血リンパ球より分離した T 細胞を,抗 B 血清は扁桃より分離した B 細胞を用いて家兎に免疫し作製した.得られた抗血清は非特異的抗体を吸収した後,おのおの B ,T 細胞で吸収しその特異性を確認した.抗血清および acidα-naphthyl acetate esterase 染色で皮膚に浸潤する悪性リンパ腫8例を観察し対比した.この2つの方法による結は一致し non-Hodgkin's lymphoma ではその細胞由来を容易に推測でき,菌状息肉症では浸潤細胞の分布を容易に観察でき,これらは有用な検査方法である.
  • 金本 雄介, 池永 実, 小菅 正規, 磯久 一郎, 石橋 康正
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1329-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
  • 太田 みどり, 井村 眞, 戸田 浄, 高野 正彦
    1981 年 91 巻 12 号 p. 1333-
    発行日: 1981年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル フリー
    製剤上の優劣に明らかな差のある二剤の副腎皮質ホルモン外川剤の血管収縮作用を,比較検討した.その結果両剤を1時間密封し,除去3時間後における皮膚蒼白化現象の差が,主剤が基剤に均一に溶解しているか否かという製剤上の品質ともっともよく相関した数字を示した.
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